先月群馬県の各所に出かけましたがその際に気になった植物をピックアップしてみました。草津近くにチャツボミゴケという強酸性の環境に生育するコケを中心にした公園があります。その途中でコバノイチヤクソウが丁度花を咲かせていました。亜高山帯の針葉樹林帯で見かけることが多いのですが、アカマツの林の林床に生育していました。少し変わった生態をしていると感じた次第です。
ややこしいことにコイチヤクソウという種もあり勘違いすることもままあるのですが、この種は葉がイチヤクソウに比べ幾分小型ということで分類されています。とはいってもそれほど大きさには差がなく葉の脈や質感などの方が差異が大きいと思うのですが、手っ取り早く大きさで区分して名前を付けた印象です。
ワタスゲは沢山咲いていましたが、他に圧倒されるようなものはなく天候が悪い中花好きの同行者には幾分不満が残るところ。そんな中で湿原周りの日当たりの良い場所に見られるウラジロヨウラクは慰めになります。花の季節は過ぎていますがまだまだ残り花が見られ心を癒してくれます。花ばかりでなく葉が美しく雨の中で輝いています。
何度か取り上げているウラジロヨウラクの花です。小松原の花は志賀高原の花に比べ薄い色のように思います。むしろ平均的な色彩でしょうか柔らかいうす紫色の花が下向きに咲いていました。がくは特別大きくありませんから県内でよく見られるガクウラジロヨウラクではありません。
イワナシが所々に見られ小さな実が沢山ついていました。少し味わってみるとまだ十分甘みが出ておらずイワナシ本来の美味さが出ていませんでした。花が少なく天候が悪い中ではせめて山の幸が味わえると元気も出るのですが・・。
登山道沿いに目立ったキノコがこのカブベニチャでした。解説では針葉樹の倒木や切り株などに発生するとありますが、スギ植林地に隣接していたりオオシラビソの林と隣接する地域で針葉樹とは無関係とはいえませんがあまり倒木や切り株に出ているという状況ではありません。主体はブナ林で広葉樹林の林床に発生しているというものでした。(広葉樹林下で発生するという解説もあるようです)
今年は雨が多い日々が続いていてキノコの発生が促されるかもしれません。今回は小松原への登山道沿いにはカブベニチャ以外に目立ったものはありませんでしたが、それでもシロキクラゲが枯れ木の隙間から顔をのぞかせていました。
雨の降るブナ林はかなり暗いものですがそんな中見つけたアリドウシランです。ツルアリドウシもところどころ生育していましたから危うく見過ごしそうになるところでした。なかなか出会えないランですが見つけたのはこのような束になって生育しているものですからこれもあり得ない姿です。よくぞ気付いたという状況です。