登山道ぞいにジンバイソウと思われるラン科植物の群落がありました。葉だけが展開し短い花茎が見えているだけで、似た種のジガバチソウと区別がつきませんでした。それにしても狭い範囲にたくさんの個体が密集しているという生態が興味深い点です。こういう場所がもう一カ所ありましたがアリドウシランとともに小松原で観た野生ランが密生するという特徴はどういう原因に拠るのでしょうか。
下の田代の入口近くにヤマドリゼンマイが目立つ湿地が広がっていました。幾分乾燥気味の場所のようで次第にワタスゲが優先する湿原に移行しているようです。ワタスゲの群落とは趣を異にしてこれはこれで癒される美しい景観でした。
シダ植物でゼンマイなどと同じ属と考えられていた時もあったようですが今はヤマドリゼンマイ属という別扱いになっているようです。山地の湿地にしばしば見られます。胞子葉と栄養葉と2型がありゼンマイと同じなのですが食用には向いていません。
久しぶりに小松原湿原に行きました。ワタスゲが見たいという方を連れてあいにくガスが立ち込め時々雨が降る中、ブナ林の中を歩いて3つある湿原の一番下の下の田代という湿原まで歩きました。今年は各地のワタスゲが奇麗だという話も聞いていて、期待しながらやや悪天候の中連れを励ましながらの散策でした。到着してみると期待通りの景観が広がっていて晴天時とは異なり霧に浮かぶワタスゲの絶景を楽しみました。
ワタスゲはカヤツリグサ科のワタスゲ属の種で花穂は穂状になっています。開花中は花弁はなくおしべが目立つ花穂なのですがすでに終わっていてわずかに花後直後のような状態のものが散見されました。この白い毛が発達して白い綿帽子のような形状になります。
日当たりの良いコンクリート壁の上部にツルマンネングサが生い茂っていました。大陸由来の帰化植物で海岸近くから平地の河川敷などに普通に見られます。吉が平はかなり山奥ですがごく普通に昔からいたような雰囲気で生活しています。