畑で和宮様の静かに呼ぶ声がした。あわてて馳せ参じると、茶畑の間にタヌキがいた。どういうわけか逃げ出さない。少し近づいてみても平気な顔をしている。目線を合わせない。そのうちに、そろそろといなくなったが、顔は痩せているのが気になる。
そう言えば今朝、わが家の入り口で糞を片づけたばかりだった。このところ、同じ場所にため糞がたびたびあるので、縄張り争いが熾烈なのだろうか。以前見たタヌキは疥癬病がひどかったが、今回は胸にちょっぴり症状が見えたが全体としては大きな問題がないように思えた。表情が叱られた子どものようになさけない顔がしおらしい。