山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「奇跡の村」は官民の<協働力>で叶う

2018-06-10 22:32:50 | 読書

 ジャーナリストの相川俊英『奇跡の村/地方は<人>で再生する』(集英社新書、2015.10)を読む。小さな中山間地の三つのムラの地域おこしの奮闘が紹介されている。最初に紹介しているのは、「長野県下條村」だった。いち早く若者定住促進住宅を建設し、独自の入居基準を策定して全国有数の出生率をあげているのが注目。民間出のカリスマ村長の存在も大きいが、課題は仕事をこなすのに精一杯という現状で、ものを考える次世代の成長が鍵としている。この辺はどこの自治体も同じだが、職場の地域に対する気風が高いのが魅力的だ。

 

                      

 次は、むかし車で立ち寄ったことがある「群馬県南牧村」だった。ここは新住民の転入促進のために徹底した「空き家調査」を粘り強く展開してきたところにある。その主体が商店や商工会青年部という民間のチカラによるところが大きい。それを行政がバックアップし、知らない人に貸したくないという地元の大家に対し、村が古民家を買い上げ改装し、それをHPに公開している。それによって新住民が増えていき、その新住民ネットワークが今では一緒に活動しているという。

 

                      

 転入者への補助金やふるさと納税など目先の支援ではなく、根本的なつながりを丁寧に形成していくことを教訓としている。最後に、ときどき訪問したことがある「神奈川県藤野町」の斬新な報告だった。県の推奨による「ふるさと芸術村」構想に興味があって屋外に展示されている作品を個人的に見に行ったこともあった。工場や企業誘致ではなく「人の誘致」という独自発想が魅力的だった。

 

        

 さらには、「パーマカルチャー」という日本の環境保全型農業の本拠地があって、その様子もチラリと見に行ったのだ。芸術もパーマカルチャーもまだ地域に根ざしているとは見えなかったのが当時の感想だった。そのうえ本書によれば、自由闊達な「シュタイナー学校」を閉校した小学校で迎えいれたり、地産地消の食・エネルギーにこだわったイギリスで発祥した「トランジション」運動を日本でいち早く始めている「地域力」もすごい。

 

                     

 そうした藤野町は魅力的だったが、個人的には狭い国道の排気ガスが気になっていてオイラの移住先にはならなかった。作者は、地元の開発路線と新住民の脱成長路線の軋轢は平行線をたどるという現実を否定しない。むしろ、嫌だとごねる地元住民のほうが新住民を受け入れる包容力・温かさ・文化風土があることを指摘しているのは鋭い。三つの村には、人と人とをつなぐ役場職員の奮闘と柔軟性とが必ず存在しているのを忘れない。それは大いに納得する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

爆発キャベツは市場に出回らない

2018-06-09 23:00:13 | 農作業・野菜

 キャベツをなんとか収穫したが、爆発していた。それを包丁で刻んで生で食べてみたら柔らかく甘みもある。こうしたキャベツは商品にならないのだろうが、わが家ではこうして生で食べたり、漬物にしたり、野菜ジュースに使っている。気候・温度の変化が激化するこのごろ、キャベツ内外の温度差が爆発を招くらしい。

 

           

 収穫したそのキャベツや紫色をしたスミレカブの漬物は定番となっている。収穫したその日の夕方には食べられる。塩味だけのシャキシャキの漬物だ。素材の旨みを生かした和食のファストフードでもある。

 

            

 「カブ」の種を撒いて成功する確率はまだ5割くらい。まったく芽が出ないときもある。種を撒く時期や天候、土壌の状態などが影響するようだが、まだオイラのスキルができていない。とりあえず今年は8割がた成功。害虫の被害も防虫網でまずまず防御できている。パリパリの新鮮な食感が楽しみ。  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

少しずつ収穫して合掌

2018-06-08 21:43:48 | 農作業・野菜

 ほったらかして何年になるだろう。そのイチゴがどういうわけか今年は成り年のようで気の向いたとき旨い実をつけてくれる。採るのを忘れると5mmくらいのアリがかぶりついている。硬い庭の土壌なのに。一昨年、畑いっぱい植えたイチゴは大失敗してしまったので、イチゴから撤退していたのに。

 

               

 きょうでジャガイモの収穫は終了。これで1年分のジャガイモは十分でさっそく茹でた新ジャガをいただく。「北海こがね」はメークイーンに似ているがやや黄金色。「シャドークイーン」はいかにもポリフェノールばっちりで逞しい。 

 

    

 しばしば失敗する「カブ」だったが、今回はまずまずで、さっそく漬物にして食べる。「スミレカブ」の色が目からも食欲を誘う。葉も漬け込んでいただく。

 

                    

 病院で鉄分が不足していると注意を受けたので、鉄分の多い食材を調べたら「小松菜」が圧倒的だった。さっそく種を撒いたら珍しく芽が出て今は採りきれないくらい。しかも大きくなりすぎてしまったが、意外に柔らかく食感もいい。無農薬の効果が出たのだろうか。庭にはわんさと芽が出たばかりの野菜が待機しているがなかなか成長が遅い。子育てと同じで親の思う通りにはならない。その点では、プロの農家はすごいと改めてこうべをたれてしまう。        

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茗荷を移植したその時に

2018-06-07 19:52:09 | できごと・事件

 ブルーベリーの生育が悪いと思っていたところ、どうやらミョウガが根の周りにびっしりはびこっていたことがわかった。それが数か所もあり、移植しようと始めたものの掘り起こすのに手間取る。

 

          

 けっきょく、数日かかって移植作業となる。それも移植後の雨を計算に入れたので時間がかかったというわけだ。8割がたミョウガを駆除できたのでブルーベリーは嬉しそうだった!?おかげで隣の窪地にミョウガ畑ができそうだ。

 

       

 肉体労働を終え昼食を食べていたとき、髪の毛から足元にポトリと何かが落ちた。大きさからするとナメクジのように見えた。これはひょっとするとと塩をかけてみた。するとみるみる小さくなっていく。

 やはり、「ヤマビル」だった 。まるまる太っていたヤマビルだったが塩をかけたら吸っていた血が出てきた。頭のどこかの血を吸っていたに違いない。これは悪い血を吸ってくれていたのかもしれないし、健忘症の治療に協力をしてくれていたのかもしれない。そういえば、雨上がりの草むらや畑は危険だったね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「祈り」に宿る痛みと優しさに「土地の力」

2018-06-06 20:55:24 | 読書

 芥川賞受賞作、小野正嗣『九年前の祈り』(講談社、2014.12)を読む。大分県のリアス式海岸の寒村を背景にした痛みと優しさに包まれた小説だ。「ウミガメの夜」「お見舞い」「悪の花」の短編が同居しているが、いつのまにか繋がっていた。9年の時を経て二人の女性の慟哭がつながり、それがわけあり登場人物で癒され、土着的・情動的な世界に投げ込まれる。

 

          

 作者が描く人物は、老婆・だめ人間・障碍者といったアウトローが主役で、そこにはリーダーやヒーローは出てこない。それはきっと、実兄が脳腫瘍で病んでいたこと、田舎のお婆ちゃんや近隣の人に自身がゆったり育まれたことにある。

 

          

 したがって、都会や時代が失われていくもの、かけがいのない存在としての人間を大切と思うことが「祈り」でもある。彼はそれらを生み出す「土地の秘めた力」を掘り起こすことで文学になるとみる。現在と過去と幻想とが目まぐるしく混在して読みにくいところもあるが、文体の清冽さに引き込まれる。

 

      

 故郷を描写する作家としては中上健次の刺すような切れ味ではないが、「弱者」(作者は障害者という言葉を含め、言葉が持つ概念で思考停止になるので使いたくないようだ)の切ない目線から描かれる描写は慎ましやかな風と大気と海の匂いを運んでくる。 

 「いま悲しみはさなえのなかになかった。それはさなえの背後に立っていた。…悲しみが身じろぎするのを感じた。それは身をかがめると、さなえの手の上にその手を重ね、慰撫するようにさすった。」

 「海岸に沿った道はそしらぬ顔で、海とくんずほぐれつする地形に合わせて蛇行し続けていた。光は透明な衣となって死を包むことしかできない。…」    

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トマトハウスの張替!?

2018-06-05 21:18:52 | 農作業・野菜

 明日から梅雨に入りそうなのであわててトマトハウスのビニールの張替を行う。というのも、昨日までのビニールは丈が短く材も薄く切れやすいものだった。隣の師匠が厚めの幅のあるビニールを持っているので声をかけてくれたので、先日いただいてきたのだ。

 

       

 いつもは強風に悩まされていたが、きょうは風もほどほどでまさに設置のチャンスだった。硬いパッカーを外してから、新しいビニールに変えてまたパッカーをつける。強風に対処するため多めにパッカーをつけていく。これでひとまず安心だ。トマトの苗も大きくなってきて花をつけたり、小さな実も着いてきたぞー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジャガイモの果実?と花

2018-06-04 20:49:48 | 農作業・野菜

 ミニトマトのようなジャガイモの果実を和宮様が発見。このままでは毒で食べられないが、熟すれば食べられるという。この実のなかに本当の種(真正種子)が100~200粒ほど入っているという。もちろん、これを撒けばジャガイモもできる。

  メークインの花。

              北海黄金の花。

 シャドークイーン花

 ジャガイモの花がほぼ咲き終わったので試し掘りをしたら、「ダンシャク」も「北海黄金」もけっこう大きくなっていたので、あわてて収穫をする。

 

     

     

 種は購入した「北海黄金」は、メークインに似ていて長細い形をしているが、色がやや黄色っぽい。「男爵」は昨年の残り芋を種としたが、けっこうたくましく丸っこい。夕飯はこれを茹でて新ジャガのホクホクを味わう。

    

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

親子で梅もぎいいなー

2018-06-03 21:16:03 | 出会い・近隣

 青空の下、山並みに囲まれた尾上邸の内外で梅もぎを行う。13人のおとなと7人ほどの幼児も参加。枝から小梅を採るのも幼児の仕事だった。成り年ではないと言われながらも、予想を越える収穫だった。とても全部は採りきれないままお昼となる。

 

        

 みんなで収穫した梅をテキトーに山分けする。それぞれ段ボール2箱分くらいは確保できたようだ。幼児は隣の川でスッポンポンで川遊び。そういえば、全員女の子だった。木登りする元気なおばちゃんもあり、今回はウーマンパワーが全開だ。

 

            

 これは収穫した梅の一部だが、品種によってはスーパーで売っても遜色ないきれいなものもある一方、そばかすだらけの梅もある。同じ樹でも梅の大きさも違う。そこが自然にできた梅と市販している梅との違いだ。幼児が好きなカリカリ梅づくりに挑戦するヤングママの意気込みがいい。

         

          

 川から引き揚げた子どもたちはカエルをはじめ生き物を見つける探検隊を結成。このなんとも平和な光景が素敵だ。大人になっていくと日大じゃあないけど、圧縮された不条理の世界に閉じ込められる。しかし、この原風景を体験した子どもたちはきっと閉塞を破る鍵を手に入れることだろう。梅園を提供された尾上さんの心配りに感謝するばかりの一日となる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人間が弾丸になるシステム

2018-06-02 21:07:00 | アート・文化

 初老の隠居から「これを観るのじゃ!」と渡されたのが、「FULL METAL JACKET」(監督:スタンリー・キューブリック、1987年制作)のDVDだった。戦争映画らしいのでついつい後回しにしてしまったが、先日やっと観ることができた。

 

        

 映画の半分以上を海兵隊の初年兵の過酷な訓練を執拗に描く。その台詞も聞くに堪えないスラングが乱発される。上官の心身のいじめのため上官を射殺する事件さえ起きてしまう。以前、隠居から借りた大西巨人の漫画版『神聖喜劇』を彷彿とさせる内容だった。侵略的軍隊の内情は日本もアメリカも同じなのがわかる。

 

        

 兵隊のヘルメットに「BORN TO KiLL」と書いてあるのが象徴的だ。「敵方を殺すために生まれた」と自虐的に書いてあるが、監督の提起がここにある。教育を受けた海兵隊員が派遣されたベトナム戦場はまさに、人間がモノとなり、消耗品となり、殺人者となる舞台だった。

 

           

 「フルメタル」は銃芯の金属、「ジャケット」はそれを覆うもので、戦場で一般的に使われる貫通力ある銃弾だ。後半の戦場場面では、仲間が殺され、兵士がますます戦闘マシーンへと変化していく様子が描かれる。主人公の兵士もベトナムの少女狙撃手を躊躇もするが結果的に射殺してしまう。

 

                 

 こうして、戦争とはそれを支える人間の狂気であり、人間性を失い銃弾と化していく過程であるという監督のメッセージが読み取れる。その狂気は、最近の日大アメフト内部のパワハラとダブってしまう。体育会系指導部の日大の体質は陰湿な軍隊そのもの。

 考えない人間を作ることが大学の使命とでもいうのだろうか。じつは前々から日大の体質は50年前から知っていたから驚きはしないけどね。要するに、上意下達に都合がいいイエスマンを形成するのが日大の役割ということだったのだ。「フルメタルジャケット」になれということに違いない。そういえば、意見を持たない迎合人間が増えてきているのと一致する。それは誰にとって都合がいいかは明らかだ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニンニクなんとか収穫へ

2018-06-01 20:25:40 | 農作業・野菜

 雨が止み天気になってきたので急いで「ニンニク」を収穫する。福地ホワイト6片のニンニクだから大きい。昨年は種が悪くて失敗したが今年は7割がた成功。当たり前のことだが、いい種を確保することが肝要だが、なにせ価格が高いのが難点。

 

               

 ニンニクの泥や根っ子を落として表面の皮を剥いて、二本ずつ紐で束ねる。いつもだと5時ころには作業は終了するようにしていたが、きょうは6時近くになってしまった。

 

       

 やっと、軒下につるすことができた。これだけあれば1年分は確保できそうだが、来年の種になるのもとっておきたい。ものによっては腐ってしまうものもあるので油断はできない。

 

                      

 作業の途中から、いくつかのニンニクを焼くことにした。香ばしい匂いが漂ってくる。柔らかくなったころいただいてみる。自分で育ててきたニンニクだけに格別だ。ニンニクが植わっていた畝には次の野菜の苗がセルトレーにあるがなかなか大きくなっていない。そのバランス・タイミングが微妙だ。

    

 

                 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする