田舎生活をしていると、時間はたっぷりあり、日下公人の新著を読んでみた。昨年末に出た、「いよいよ日本の時代がやってきた」(ワック株 2014/12発行) がその本。 著者の日下公人氏の書く書物は、漫画やカラオケは日本の誇る文化産業だと30年以上前に発表し、当時、まさかと読んだ人は思ったが、段々本当らしくなってきて、さすがと、感心させられてきた人。私が学生時代に過ごした同志会という小さい学生寮の先輩でもあり、初めてお目にかかった時、そこにいた学生に、監督役の年配の牧師さん(聖公会の高瀬牧師)が、この先輩は、銀行界の知恵袋と言われている、と紹介してくれたのが印象的。今から45年前の話し。この本、買って読むのが一番いいが、先に読んだ「新しい日本人が創る2015年以後」より、中国・韓国との関わりを具体的に論じており、読みやすかった。印象に残った部分は、下のような下り。
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いよいよ日本の時代がやってきた 日下公人(ワック㈱ 2014/12発行)
ロンドンでもパリでもニューヨークでも、屈強の警官が交通整理をしている。屈強の男が言わなければ言うことを聞かないらしいが、日本では工事現場などで交通整理をしているのは、ヘルメットをかぶっているが白髪のおばあさんである。彼女たちの「あっちへ回れ、こっちへ来るな」の指示に、みんな従っている。
そんな些細なことを見ても、日本の方が文明が進んでいることがわかる。
だから、サミットの雑談で、「パリ、ロンドン、ニューヨークがそうなるまで何年かかりますか」と日本の首相は聞いてみればいい。彼らは「20年でも自信がない」と言うだろう。日本はもう出来ているのだから「こちらは20年先進国である。このサミットは私が仕切る」と言えばいいのである。
奇矯な発言と思う人は、欧米は先進国という宣伝に洗脳されているのである。(p29)
アメリカの企業は、すでにどんどん中国から撤退を始めている。ゼネラル・エレクトリック(GE)は、家電の製造拠点を中国からケンタッキー州に戻している。アメリカでは、中国に製造拠点を持つ37%の企業が中国から製造拠点の移転を計画、または積極的に検討していると答えている。・・・・・
それでも、日本ではまだまだ生産拠点を中国に移転する企業はあとを絶たないようである。結局のところ、日本企業の工場は全部中国に没収されてしまうことになるだろう。
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当然ことながら、中国は技術などすべてを盗もうとしているのだから、何の手も打たずに丸腰のまま出ていく日本企業は何を考えて出ていくのかと思う。
私が監査役をしている三谷産業は、中国には30年前から絶対投資しないということでベトナムに出て行っている。
中国の共産党一党支配はいずれ崩壊する。中国の経済発展は、日本が中国とのつきあいを止めたら止まる。資金も技術も中国に渡さないことにすれば、共産党の支配が壊れるのは早まる。(P34)
従軍慰安婦について私の考えをいってしまえば、日本人の朝鮮人理解には二つのことが欠けている。第一に、戦前の朝鮮は非常に貧しかった。それは想像を絶していた。第二に、住所を聞けばすぐにわかってしまうすごい差別があった。従軍慰安婦になった女性は、大抵はそういった被差別の出身である。
そういう被差別にいって「いい儲け話があるぞ」と言って女性を募集して歩けるのは、現地の人以外にはありえない。そこに入っていって「うまい話があるよ、お嬢さん、どう?」などと言える日本人はいるわけがない。また、実際は現地人がやってくれるから行くまでもない。だから、強制性の有無などというのは何を言っているのかと思う。・・・・
韓国が慰安婦問題にこだわるのは、それ以外に日本を脅すカードがないからであろう。(P49)
奥州の平泉の金がなくなっても、石見の銀山がなくなっても、また日本は金持ちになった。
それはなぜかと言えば、国民がきちんと働いたからである。だからGDPはすぐ回復する。・・・「日本政府や官僚などは馬鹿で、国富を守る気がまったくないからすぐに外国に騙し取られてします。しかし、国民は喧嘩するよりも働いたほうが早い、と働くから、また元にもどる」と思う。
こういう国は、世界を見渡しても日本以外には存在しない。大体が略奪精神の国だから戦争が絶えない。日本人は戦争して得るよりも働いたほうが簡単だ、と自分が働く。(P131)
日本のアニメが広がるということは、日本文化が広がるということである。アニメの中に日本文化が入っているからである。・・・・・・
実際、中国での「ドラえもん」の人気はすごいものである。・・中国で一番人気のあるアニメキャラクターは「ドラえもん」で知名度は92.8%もあった。ちなみに、二位には中国産の人気アニメ「喜羊羊与灰太狼」(知名度81.2%)・・・2014年8月16日から、四川省成都市で「ドラえもんの秘密道具展示会」が開催されていた。それに関連して、成都市の地方紙数社が日本のアニメの「ドラえもん」を批判する記事を一斉に掲載したところ、中国ユーザーから批判と抗議の集中砲火をあびたということである。・・・その批判に対して、中国のネット上では、「『ドラえもん』と政治を一緒にする神経がわからない」「偏向したナショナリズムそのもの!」・・・・といった批判コメントが集中したということである。
当局が組織的に日本批判を展開しようとしても、中国の庶民のほうが賢いということなのだろう。アニメ文化とともに、日本の文化が少しずつでも浸透している。中国政府にはウィルスより悲しいことかもしれない。
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いよいよ日本の時代がやってきた 日下公人(ワック㈱ 2014/12発行)
ロンドンでもパリでもニューヨークでも、屈強の警官が交通整理をしている。屈強の男が言わなければ言うことを聞かないらしいが、日本では工事現場などで交通整理をしているのは、ヘルメットをかぶっているが白髪のおばあさんである。彼女たちの「あっちへ回れ、こっちへ来るな」の指示に、みんな従っている。
そんな些細なことを見ても、日本の方が文明が進んでいることがわかる。
だから、サミットの雑談で、「パリ、ロンドン、ニューヨークがそうなるまで何年かかりますか」と日本の首相は聞いてみればいい。彼らは「20年でも自信がない」と言うだろう。日本はもう出来ているのだから「こちらは20年先進国である。このサミットは私が仕切る」と言えばいいのである。
奇矯な発言と思う人は、欧米は先進国という宣伝に洗脳されているのである。(p29)
アメリカの企業は、すでにどんどん中国から撤退を始めている。ゼネラル・エレクトリック(GE)は、家電の製造拠点を中国からケンタッキー州に戻している。アメリカでは、中国に製造拠点を持つ37%の企業が中国から製造拠点の移転を計画、または積極的に検討していると答えている。・・・・・
それでも、日本ではまだまだ生産拠点を中国に移転する企業はあとを絶たないようである。結局のところ、日本企業の工場は全部中国に没収されてしまうことになるだろう。
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当然ことながら、中国は技術などすべてを盗もうとしているのだから、何の手も打たずに丸腰のまま出ていく日本企業は何を考えて出ていくのかと思う。
私が監査役をしている三谷産業は、中国には30年前から絶対投資しないということでベトナムに出て行っている。
中国の共産党一党支配はいずれ崩壊する。中国の経済発展は、日本が中国とのつきあいを止めたら止まる。資金も技術も中国に渡さないことにすれば、共産党の支配が壊れるのは早まる。(P34)
従軍慰安婦について私の考えをいってしまえば、日本人の朝鮮人理解には二つのことが欠けている。第一に、戦前の朝鮮は非常に貧しかった。それは想像を絶していた。第二に、住所を聞けばすぐにわかってしまうすごい差別があった。従軍慰安婦になった女性は、大抵はそういった被差別の出身である。
そういう被差別にいって「いい儲け話があるぞ」と言って女性を募集して歩けるのは、現地の人以外にはありえない。そこに入っていって「うまい話があるよ、お嬢さん、どう?」などと言える日本人はいるわけがない。また、実際は現地人がやってくれるから行くまでもない。だから、強制性の有無などというのは何を言っているのかと思う。・・・・
韓国が慰安婦問題にこだわるのは、それ以外に日本を脅すカードがないからであろう。(P49)
奥州の平泉の金がなくなっても、石見の銀山がなくなっても、また日本は金持ちになった。
それはなぜかと言えば、国民がきちんと働いたからである。だからGDPはすぐ回復する。・・・「日本政府や官僚などは馬鹿で、国富を守る気がまったくないからすぐに外国に騙し取られてします。しかし、国民は喧嘩するよりも働いたほうが早い、と働くから、また元にもどる」と思う。
こういう国は、世界を見渡しても日本以外には存在しない。大体が略奪精神の国だから戦争が絶えない。日本人は戦争して得るよりも働いたほうが簡単だ、と自分が働く。(P131)
日本のアニメが広がるということは、日本文化が広がるということである。アニメの中に日本文化が入っているからである。・・・・・・
実際、中国での「ドラえもん」の人気はすごいものである。・・中国で一番人気のあるアニメキャラクターは「ドラえもん」で知名度は92.8%もあった。ちなみに、二位には中国産の人気アニメ「喜羊羊与灰太狼」(知名度81.2%)・・・2014年8月16日から、四川省成都市で「ドラえもんの秘密道具展示会」が開催されていた。それに関連して、成都市の地方紙数社が日本のアニメの「ドラえもん」を批判する記事を一斉に掲載したところ、中国ユーザーから批判と抗議の集中砲火をあびたということである。・・・その批判に対して、中国のネット上では、「『ドラえもん』と政治を一緒にする神経がわからない」「偏向したナショナリズムそのもの!」・・・・といった批判コメントが集中したということである。
当局が組織的に日本批判を展開しようとしても、中国の庶民のほうが賢いということなのだろう。アニメ文化とともに、日本の文化が少しずつでも浸透している。中国政府にはウィルスより悲しいことかもしれない。