今回から、宇都宮から見ると北東方面に位置する喜連川町(現・さくら市)へ入る。その最初の訪問地は、かつての喜連川藩主の菩提寺である臨済宗龍光院さん。特に、歴代足利藩主の墓域には沢山の碑文塔が存在する。調査および手拓のお願いを快諾していただき、まずは最も手拓作業の楽な、境内にある上記写真の碑から本日の作業開始。続いて、当地の名家である大草氏の碑文調査に入るが、その高さが340センチもある大きな碑。この碑文書体は、中島慶による書丹となっているので、書丹で記された銘文に興味ある私としては是非とも拓本が欲しかったもの。しかし、あまりにも大きすぎて本文のみでさえ最上段の文字列まで手が届かない。諦めるしかない。しかも、銘文書体は隷書で書かれているだけに、そんな文字形に興味のある者にとっては余計に手拓したいもの。今回は、ささっと銘文を読みいくつかの気になる箇所だけを手写しただけで、本気になって読むのは次回以降に繰り越す。そして本日のメインである喜連川公歴代墓地へ閂のある門を開けて入る。その墓域には、どれから先に手拓したら良いかと迷うほどの墓碑が並んでいる。どうせ、一日では終わるはずも無いと腹をくくって来ただけに、まずは手前にある廣羣鶴刻字から始める。1基目を終了して、早くも昼食時間。しかし、時間の経過とともに高原山から吹き降ろす北西の風がうなりをあげて吹いてくる。そこで、せめてもう1基とここは昼食抜きで手拓作業を継続。もちろん、廣羣鶴刻字の墓碑銘と決めて。戒名を入れて4面の手拓作業も、風の比較的当たらない、また風と同じ向きの西面の2面だけを採った段階で、あとはどうあがいても画仙紙さえ張ることも出来ない状態となる。時刻は午後の2時半。まだまだ帰宅するには早い時間ながら、本日の龍光院さんを諦めて後にする。
途中、荒川沿いに咲く桜を愛でながら、土手で休息たかがた遅い昼食となる。そしてその後は、次回以降の喜連川石碑調査の下調べとして幾つかの神社等を覗きながら石碑の所在地調査をしてから宇都宮へ戻った。
いずれにせよ、次回以降も喜連川方面の石碑調査となるだろう。
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