今回は、先週の手拓作業の続きとして龍光寺さんへ直行。なにしろ、今日も手拓は午前中が勝負とみているので急がねばと住職さんに挨拶もそこそこに早速手拓に取り組む。最初は、先週に碑陰の手拓を残したまま帰った、上記写真からである。それにしても、今日は朝からいやな風が吹いている。水張りさえままならぬ風に画仙紙が煽られてバタバタしている。そこで仕方なしと、画仙紙の長さを半分に裁断して水張りして素早く墨入れ。これで今日の予定の三基の内の1基が終了。相変わらず風があるので、ここで一休み方々、他の二基の手拓サイズを計測して画仙紙の用意等をしつつ、もう少し風の収まるのを待つことにする。そして10時近くになると空気が暖められたとみえて、風が幾分穏やかになる。「ソレッ!」とばかりに急いで水張りするのは文政十一年紀年銘の「文孝院殿義山勇公大禅定門」(所謂、梅千代君碑)。三面を手拓しなければならないので、大忙しである。チョッとした画仙紙の間から風が潜り込んで来るので、念には念を入れて、左右の端はマスキングテープでしっかりと固定する。この作業を三度繰り返して、何とか二基目が終了。と同時に、これで廣羣鶴刻字の3基が終了したことになる。
ここで、早くもお昼近くになってしまったが、それではとのんびり食事をしていたら大変な目に遭うので、龍光寺さん最後の手拓碑となる、「玄徳院殿恭山懿公大禅定門」へと入る。これは明和四年の銘があるもので、ここへ来たときから是非とも手拓が欲しかったもの。丁寧に手拓したいが、やはりこの頃から風がまた強く吹くようになってきた。慎重に慎重に、且つ風の吹く休みを見つけながらの素早い水張り作業で何とか乗り切り、どうにか午後の2時半には全ての手拓作業を終えることが出来た。龍光寺さんで、手拓した半切画仙紙の数は全部で14枚。一箇所での手拓数としては暫くぶりの大豊作である。と、喜んでいられないのは、先週途中で諦めた「大草鴻堆先生之碑」の石碑。何しろ高さが340センチとあるので、上部の文字にいたっては望遠鏡がないと正確な文字形がわからない所か文字そのものも読めない始末。前回の言い加減な読みを元に、1行43文字×23行の升目原稿用紙を持参したので、その升目を間違いなく1字づつ埋めなくてはならない作業が待っている。撰文は亀田英、そして書は中島慶とあらば、その手写する作業はもう大変。こういう碑文こそ拓本が欲しいものだが、そう行かないところが憎い。住職さんの話では、今までに1人だけ足場を組んで手拓した方がいたそうである。私にはそこまでの根性はないので、仕方無しに碑面とニラメッコ。いつの日か、その全文を清書したものをお目にかけますが、多分2~3文字の写し間違いがあるだろうと覚悟している。その為には、本気になって読み下して意味を正確に把握しなければならず、またまたこれも私にとっては大変な作業である。
そんなこんなで、結局は今日一日を龍光寺さんだけで過ごしてしまったことになる。庫裏に出向き、ここのところの二日間にわたるお邪魔を詫びつつ、お陰さまで納得の行く調査が出来た感謝の礼を述べて離れる。そして、とてつもなく遅い昼食をお円山公園へ行って取る。さて、次回からは5月のゴールデン連休の中となる。喜連川町に新たな石碑を求めて出かけるか、それともその手前の氏家町へ行こうか、はたまた佐野市や田沼町へ一度戻ろうかと思案中。いずれにしても、ここの所の石碑拓本がまたしても沢山溜まってしまった。それらを清書しなければならず、やはり連休があるとは言え、私には少なすぎる休日である。誰か、暇な方は「日」を下さい。といった現況である。
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