一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『わたしを離さないで』 …過酷な運命を受け入れた3人の若者を描く傑作…

2011年04月07日 | 映画
星野道夫の『旅をする木』(文春文庫)を読んでいるときだった。 昔、電車から夕暮れの町をぼんやり眺めているとき、開けはなたれた家の窓から、夕食の時間なのか、ふっと家族の団欒が目に入ることがあった。そんなとき、窓の明かりが過ぎ去ってゆくまで見つめたものだった。そして胸が締めつけられるような思いがこみ上げてくるのである。あれはいったい何だったのだろう。見知らぬ人々が、ぼくの知らない人生を送っている不思 . . . 本文を読む