一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

「ウソだろッ⁉ 天山」……雪と、霧氷と、エビの尻尾と、霜柱と、フキノトウ……

2024年02月28日 | 天山・彦岳


2月27日(火)

今日は、七曲峠からのルートを歩きたいと思っていた。
ところが、家を出て、天山を見上げると、稜線がうっすら白くなっている。
普通の人なら見逃してしまうほどの薄い色であったが、
毎日天山を見ている私は、それを見逃さなかった。
〈もしかして霧氷……?〉
と思ってしまったのだ。
現在の気温は11℃。
一般的に、標高が100m上がると、気温が0.6℃下がると言われているので、
標高1046mの天山山頂は、平地よりも約6℃気温が低い計算になる。
となると、現在の天山山頂の気温は約5℃の筈。
霧氷なんかできる筈がないのだ。
ところが山の天気は計算通りにはいかない。
行ってみないと分からないのだ。
〈もし霧氷ならば、早くに消えてしまう恐れがある……〉
幸い、今日は曇っていて、太陽が出ていなかった。
早く山頂に辿り着きたい私は、七曲ルートではなく、最短で登れる天川ルートを選択。
車を天川登山口へ走らせたのだった。

天川登山口駐車場に到着。
幸い(予想はしていたけれど)駐車場に一台の車もなかった。
嬉しい。
今日も天山を独り占めできそうだ。


出発。


うっすら雪が積もっていて、


登るに従って少しずつ雪の量も増えていった。


あめ山分岐を通過。


いつもの場所でパチリ。


この辺りからうっすら霧氷も見られるようになってきた。


〈わが家から見えたのは、やはり霧氷だったのだ……〉
そう思うと無性に嬉しかった。


標高が上がるにしたがって、霧氷の氷の幅も広くなっていく。




正面に北斜面が見えてきたのだが、それが霧氷で白くなっていて美しかった。




霧氷の氷の幅が更に広くなっていく。




霧氷らしい霧氷になっていく。




振り返り、遠くの山を背景に霧氷をパチリ。


天山でこんな風景を見ることができるなんて……なんと幸せなことだろう。




その後も、霧氷を楽しみながら登って行く。






楽しくて仕方がない。






もうすぐ山頂。


天山山頂に到着。


石碑は凍てついており、


小さな“エビの尻尾”がたくさんできていた。


道標や、


標識にも、
小さな“エビの尻尾”がたくさんできていた。


下界に雪はなく、天山山頂は別世界だ。


南側に少し下りてみると、


そこにも霧氷ができていた。


北側に霧氷ができていても南側にはできていないことが多いので、嬉しい。




佐賀平野をバックに霧氷をパチリ。




いいね~


風が強かったが、少しだけ稜線散歩へ。


稜線に木は少ないのだが、葉を落とした灌木に霧氷が付いている。


ミヤマキリシマの木だが、今は白い花を咲かせている。




背の高い木の霧氷は迫力がある。






天山で霧氷を見ることができる幸せをかみしめる。




もう少し先まで行ってみる。




稜線には松の木が多く、


その松の葉にも霧氷が付いている。


そのどれもが美しい。




草原の枯草にも霧氷が付いている。


山頂に戻り、


温度計を見ると、マイナス2℃。
平地の気温は11℃なので、その差13℃。
標高1046mの天山山頂は、計算では平地よりも約6℃気温が低い筈なのだが、
計算より倍以上低い気温になっていて、
山は実際に登ってみないと分からない……ということを実感させる。
そこが面白いところであるし、楽しいところだ。


山頂に別れを告げ、


霧氷や、




プチ氷瀑や、




霜柱などを楽しみながら下って行く。




登山口周辺では、フキノトウも見ることができた。




今日も「一日の王」になれました~


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