2月27日(火)
今日は、七曲峠からのルートを歩きたいと思っていた。
ところが、家を出て、天山を見上げると、稜線がうっすら白くなっている。
普通の人なら見逃してしまうほどの薄い色であったが、
毎日天山を見ている私は、それを見逃さなかった。
〈もしかして霧氷……?〉
と思ってしまったのだ。
現在の気温は11℃。
一般的に、標高が100m上がると、気温が0.6℃下がると言われているので、
標高1046mの天山山頂は、平地よりも約6℃気温が低い計算になる。
となると、現在の天山山頂の気温は約5℃の筈。
霧氷なんかできる筈がないのだ。
ところが山の天気は計算通りにはいかない。
行ってみないと分からないのだ。
〈もし霧氷ならば、早くに消えてしまう恐れがある……〉
幸い、今日は曇っていて、太陽が出ていなかった。
早く山頂に辿り着きたい私は、七曲ルートではなく、最短で登れる天川ルートを選択。
車を天川登山口へ走らせたのだった。
天川登山口駐車場に到着。
幸い(予想はしていたけれど)駐車場に一台の車もなかった。
嬉しい。
今日も天山を独り占めできそうだ。
出発。
うっすら雪が積もっていて、
登るに従って少しずつ雪の量も増えていった。
あめ山分岐を通過。
いつもの場所でパチリ。
この辺りからうっすら霧氷も見られるようになってきた。
〈わが家から見えたのは、やはり霧氷だったのだ……〉
そう思うと無性に嬉しかった。
標高が上がるにしたがって、霧氷の氷の幅も広くなっていく。
正面に北斜面が見えてきたのだが、それが霧氷で白くなっていて美しかった。
霧氷の氷の幅が更に広くなっていく。
霧氷らしい霧氷になっていく。
振り返り、遠くの山を背景に霧氷をパチリ。
天山でこんな風景を見ることができるなんて……なんと幸せなことだろう。
その後も、霧氷を楽しみながら登って行く。
楽しくて仕方がない。
もうすぐ山頂。
天山山頂に到着。
石碑は凍てついており、
小さな“エビの尻尾”がたくさんできていた。
道標や、
標識にも、
小さな“エビの尻尾”がたくさんできていた。
下界に雪はなく、天山山頂は別世界だ。
南側に少し下りてみると、
そこにも霧氷ができていた。
北側に霧氷ができていても南側にはできていないことが多いので、嬉しい。
佐賀平野をバックに霧氷をパチリ。
いいね~
風が強かったが、少しだけ稜線散歩へ。
稜線に木は少ないのだが、葉を落とした灌木に霧氷が付いている。
ミヤマキリシマの木だが、今は白い花を咲かせている。
背の高い木の霧氷は迫力がある。
天山で霧氷を見ることができる幸せをかみしめる。
もう少し先まで行ってみる。
稜線には松の木が多く、
その松の葉にも霧氷が付いている。
そのどれもが美しい。
草原の枯草にも霧氷が付いている。
山頂に戻り、
温度計を見ると、マイナス2℃。
平地の気温は11℃なので、その差13℃。
標高1046mの天山山頂は、計算では平地よりも約6℃気温が低い筈なのだが、
計算より倍以上低い気温になっていて、
山は実際に登ってみないと分からない……ということを実感させる。
そこが面白いところであるし、楽しいところだ。
山頂に別れを告げ、
霧氷や、
プチ氷瀑や、
霜柱などを楽しみながら下って行く。
登山口周辺では、フキノトウも見ることができた。
今日も「一日の王」になれました~