一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

シリーズ「麓から登ろう!」⑯鬼ノ鼻山~聖岳 ……シュンランが咲いたよ……

2012年04月01日 | シリーズ「麓から登ろう!」
今日は、午後から用事があったので、午前中だけの山登り。
車で移動する時間も惜しいので、また裏山に登ることにする。
1週間前に蕾だったシュンランも、もう咲いている頃だ。
今日は、久しぶりに、多久聖廟から登ることにしよう。
思い起こせば1年前(2011年4月3日)、
シリーズ「麓から登ろう!」の第1回目を行ったのが、
この多久聖廟から登る鬼ノ鼻山だった。
あの時は、気軽な気持ちで始めた企画だったが、
1年経った今、このシリーズ「麓から登ろう!」は、
私の山歩きの大きな柱になりつつある。

1年前のブログで、
シリーズ「麓から登ろう!」を始めるにあたって、
私は次のようなことを述べている。

「佐賀県の山は、どの山もどうして山頂近くまで車道が通じているのですか?」と、
他県からやってきた登山者によく訊かれる。
なんと答えたらよいものかと苦慮していると、
「ようするに、県のお金が有り余っているんじゃないの?」
と皮肉られる始末。
いやはや、困ったことではある。

山頂まで、あるいは山頂直下まで車道が延びている佐賀県の山は、
背振山、天山、八幡岳、作礼山、九千部山、基山、鬼ノ鼻山、聖岳、犬山岳、金立山、鏡山、国見山、大平山、大野岳、日ノ隈山、柏岳……
と、数多い。
しかもガイドブックに載っているような主だった山のほとんどがそうだし、
背振山、九千部山、八幡岳、日ノ隈山などには電波塔、
作礼山の滑り台、
犬山岳のお城の展望台、
鬼ノ鼻山の鬼の展望台など、
山頂に人工物が多いのも佐賀県の山の特徴。(これも評判が良くない)

車道ができたせいで、昔からの登山道はほとんどが廃れてしまった。
ヤブ化したりしてほとんど通れなくなっている。
ガイドブックも山頂直下の駐車場から紹介しているものが多く、
佐賀県の山はどの山も短時間で登れる山に成り下がってしまった。
山と溪谷社の『新・分県登山ガイド40 佐賀県の山』でも、
作礼山のように中腹から登山道がある山でも、山頂直下の駐車場からしか紹介していない。
作礼山はたった20分で登れる(平行移動?)山になってしまっている。(笑)
佐賀県を代表する天山でさえ、天川駐車場か、上宮駐車場から登る人がほとんどで、15分~30分で登れる山になってしまった。
わが裏山・鬼ノ鼻山も例外ではなく、鬼ノ鼻山に登った登山者のHPやブログを見てみると、「15分で登った」「つまらなかった」という感想をよく見かける。

で、だ。
佐賀県の山に、もう一度「麓から」登り直してみようと思った。
これまでにも、
天山、作礼山、八幡岳、鬼ノ鼻山、聖岳など、
麓から登った山はけっこうある。
そういった山も含めて、これからもう一度きちんと麓から登り直してみようと思う。
GPS軌跡やコースタイムなどもブログに掲載し、
これから「麓から登ってみよう」と思っている人たち(いるのか?)に役に立つ資料になればいいな……と思っている。

麓から登ると、どんなイイことがあるか?
①低山でも山が大きく見える。
②不思議と山が美しく見える。
③低山でも山歩きがたっぷりできる。
④思いがけない植物や動物に遭遇する。
⑤つまらないと思っていた山が好きになる。
⑥山頂直下から登った時とは登頂した時の気分が段違い。達成感がある。
等々、メリットは数知れず。(ほんまかいな)


最近では、山頂近くの駐車場から山に登ると、罪悪感すら感じるようになった。(爆)
そういえば、1週間前に自宅から歩いて鬼ノ鼻山に登ったが、
これも、考えてみるに、「麓から登ろう!」であった。(笑)

さて、今日は、1年前のコースを逆廻りで歩き、
聖岳まで足を延ばそうかと思っている。
(植生保護の為、シュンラン立寄地はGPS軌跡を消去しています)


多久聖廟の駐車場に車を駐め、出発。


憩いの森公園駐車場までは、舗装道路歩き。


でも、いろいろな花が咲いていて、退屈することはない。



この分岐を右へ。
帰りは、左の道から戻ってくる。


この道から見る天山は美しい。


鬼の展望台が見えてきた。(山頂じゃないよ)


憩いの森公園駐車場も見えてきた。


ここから入って行く。


相変わらず美しい林。


尾根道の端にある展望所に寄る。


鬼の展望所に登り、先程までいた場所を見る。


鬼の展望所にはカップルがいたので、
邪魔をしては悪いと思い、早々に三角点にある鬼ノ鼻山山頂に移る。
今日の登山靴は、シャルモくん。


今日のザックは、カスケードくん。
こうして見ると、やはりデカイ。(笑)


山頂からは、素晴らしい眺め。


天山から彦岳へ続く美しき稜線。


六角川の向こうは有明海。


彼方に見えるのは、多良山系。
右側に見える黄色いものは……


菜の花でした~


聖岳に向かって縦走路を歩き出す。


センボンヤリがたくさん咲いている。


シハイスミレが美しい。


鬼の石像の周囲も木々が伐られている。


まあ、確かに眺めは良くなった。


ただ、今回、
縦走路の名物とも言えるサザンカの木がほとんど伐られている。
残念がる人も多いのでは……


聖岳へは、尾根にそって縦走路をまっすぐ歩いて行く。
分岐には、案内板がある。




二等三角点のある464.4mピークを過ぎて、


しばらく歩き、ここから右へ。


杉の植林帯を抜け、


クスノキ群生林が見えてきたら、林道が近い。


この林道を横切り、聖岳へと登って行く。


右はクヌギの群生林。
落葉している今は、明るくて気持ちがイイ。


聖岳山頂に到着。


ここからも素晴らしい眺め。


聖岳山頂からは、来た道を戻り、
縦走路途中にある「みはらしの丘」から右折する。
(写真・向こう側から歩いてきて、左へ下って行く)




フウロケマンなどを見ながら天ヶ瀬ダムの方へ下りて行く。




天ヶ瀬ダム周辺の桜は、まだ五分咲き程度だったが、


中には満開に近いものもあった。


天ヶ瀬ダムから見る天山は格別。


歩き始めて5時間半後、
多久聖廟に戻ってきた。


多久聖廟の桜は、七分咲きくらい。


みなさんも、ぜひ……


で、シュンランであるが、
1週間前に見た蕾のシュンランは、ほとんどがまだ咲いていなかった。
もう数日が必要なようだ。
少々ガッカリしつつも、
〈もしかしたらあそこに咲いているかも……〉
とかねてより思っていた場所があり、
そこへ行ってみると、はたしてシュンランが群生していて驚いた。


しかも、こちらは咲いている。


こんな色のシュンランもあった。


この山は、シュンランの山かもしれない。

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