一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

上福根山・岩宇土山 ……貸切のフクジュソウ群生地で遊んだ奇跡の一日……

2010年02月14日 | その他・佐賀県外の山
1月下旬頃からフクジュソウの話題が聞こえてくるようになった。
ここ数年、毎年フクジュソウに逢いに行っているが、
「今年も見に行きたいね~」
とテツさんと話していた。
からつ労山の2月の月例山行は第一日曜日と第三日曜日に予定されているので、第二日曜日の14日に行くことに決定。
メンバーは、テツさん、K一郎さん、アキさん、タクの4人。
(+3Kさんも参加予定であったが、直前のアクシデントで参加できなくなった)
テツさんの8人乗りの車で行くので、まだ少し席が空いている。
そこで、長崎のそよかぜさんとクラッカーさんに声をかけてみた。
そよかぜさんから、「14日はある山域での縦走の予定が入っていたけど中止になったので参加できます」との嬉しい返事。
そよかぜさん、クラッカーさん、カリンさんの長崎組3名が加わり、計7名での賑やかな山行になった。
早朝5時に唐津を出発した車は、途中多久ICで私と長崎組の3名を乗せ、一路熊本県へ。
行き先は、「上福根山・岩宇土山」か「仰烏帽子山」。
雨が降らなければ「上福根山・岩宇土山」。
雨が降るようであれば(それでも登るんかい?)「仰烏帽子山」。
今日の天気予報は、一週間前から傘マーク。
当日の天気予報も午後からくずれる見込みとのことで、判断を迷っていた。
車内で、長崎組の要望も聞き、決定しようと思った。
で、最終的に、要望の多かった「上福根山・岩宇土山」に決定。
午後からの天気のくずれを考慮し、岩宇土山からではなく、オコバ谷から登ることにした。

8:45
登山口の久連子に到着。
車は2台しか駐まっておらず、驚く。
仰烏帽子山の登山口の車の連なりを想像すると、「ラッキー」って感じだ。
観光地と化した仰烏帽子山と違って、やはりここは秘境なのだ。
すぐに準備とストレッチ。


この登山口周辺には、もうフクジュソウが見られる。


9:00
出発。
ここからとりつく。


9:13
「九州マウンテンガイドサービス・山下健夫ガイド事務所」の車を発見。


沢を横切ろうとしていたら、
「そこは違うよ~」
との声。


声の主は、なんと、『Green Walk』誌でお馴染みの、あの山下健夫氏であった。
ガイドの下見に来られていたのであろうか、親切にアドバイスを頂いた。
優しい方であった。


2年前に来た時とは、随分と変わっていた。
かつての道は崩壊し、新しい道ができていた。


崩落した箇所が多いので、注意しながら進んで行く。
途中、道迷いしそうな所が多々あった。


9:55
ドリーネの広場・フクジュソウの群生地に到着。
まったく誰もいない。
我々の貸切状態。
仰烏帽子山の喧騒を考えると、笑いが止まらない。


ここの群生地は、まったく自然のまま。
仰烏帽子山のようなロープでの囲いは一切ない。


広場は一面フクジュソウの花園。
だから、注意しながら歩かなければならない。


この時期のフクジュソウの特色は、まだ葉が出ていないものが多いということ。
まるで地面から花だけが生まれてきたような感じだ。


曇り空だったので花が開いていないのではないかと心配していたが、杞憂であった。


大きく開いている花もイイが、私としては、どちらかと言うと、このくらいの開きかけの花が好もしい。


我々以外誰もいない「神々の遊ぶ庭」で、心ゆくまで春の妖精を堪能した。


これほどの贅沢が他にあろうか……いや、ある筈がない。


10:23
名残を惜しみつつ、広場を出発。
その後もフクジュソウはたくさん咲いていた。
11:09
鞍部(オコバ谷分岐)を通過。
11:32
林道に出る。
ここで昼食。
朝早く家を出てきたので、皆さんお腹ペコペコ状態であった。


私は今日も「具だくさんチャンポン」。
けっこう寒かったので、温まりました。


こんな風景を見ながらの贅沢ランチだった。
そよかぜさん、クラッカーさんから、バレンタインデーだからと、チョコやクッキーを頂いた。
そよかぜさん、クラッカーさん、ありがとうございました。


12:07
上福根山に向けて出発。


上福根山の標高は1645.3m。
実は、大崩山や傾山などよりも高いのだ。
山頂直下からの眺めは抜群。
市房山の堂々とした山容。


白髪山や国見山も見える。


12:41
上福根山山頂に到着。
達成感に満たされる。


山頂では、マンサクの花がほころびかけていた。


12:52
山頂を出発。
ここからは素晴らしい展望を楽しみながら、ひたすら下って行く。

途中、ツチグリを発見。
K一郎さんから「よく見つけたね~」と褒めてもらった。


13:47
岩宇土山山頂を通過。
本当に通過点といった感じの場所だ。


13:58
雪のように見える石灰岩のガレ場を下る。
女性陣のカラフルな服やザックの色が映える。


この辺りにもフクジュソウが咲いていた。


地元名で「岩宇土」と呼ばれている1068mのピーク。
K一郎さんのたっての希望で立ち寄る。
自然が創り出した展望台。


素晴らしい眺めである。
久連子の里が見える。


オニシバリや、


倒木のツララや、


フクジュソウを楽しみながら軽快に下って行く。




14:44
アカマツ林を通過。
ここを通るとき、必ず誰かが「松茸ないかな~」と言う。(笑)


素敵な尾根道。


15:24
登山口に戻ってきた。
ここまで雨はまったく降らなかった。
山の神様に感謝!


下山後、長崎組の皆さんが見たことがないという久連子鶏を見に行く。
熊本県の天然記念物。


その後、温泉で疲れを癒し、帰路についた。
温泉を出発すると、それを待っていたかのように雨が降り出した。
山行中はまったく雨が降らなかったし、美しいフクジュソウをたっぷり堪能することができた。
4人の女性陣との会話も楽しかった。
本当に奇跡のような一日。
皆さん、ありがとうございました。

この記事についてブログを書く
« 唐泉山 ……セリバオウレンに逢... | トップ | 映画『おとうと』 ……この世で... »