佐賀県を拠点に活躍する洋画家、小木曽誠の初の本格的な回顧展が、
佐賀県立美術館にて、
2022年9月10日(土曜日)から10月23日(日曜日)まで開催されている。
【小木曽誠】(おぎそ・まこと)
1975年、奈良県に生まれる。
1995年、武蔵野美術大学造形学部油絵専攻入学。
1996年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学。
2000年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(首席)。
2000年、東京藝術大学大学院美術研究科油画技法材料研究室入学。
2005年、東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程油画技法材料研究室単位取得満期退学。
2006年、佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程講師(~2009年9月30日)。
佐賀大学准教授(2009年10月~2022年6月30日退職)。
受賞歴
2006年、第41回 昭和会昭和会賞(日動画廊)。
2010年、第9回 小磯良平大賞展(小磯良平記念館、上野の森美術館)。
2011年、第87回 白日会展 文部科学大臣賞。
2011年、第2回青木繁記念西日本美術展 特別賞わだつみ賞(石橋美術館)。
2013年、第1回 ホキ美術館大賞展 美術館長賞。
2014年、第90回記念 白日会展 内閣総理大臣賞。
2017年、第5回 青木繁記念西日本美術展 石橋文化財団賞。
小木曽誠は、
東京藝術大学美術学部絵画科を首席で卒業し、
受賞歴も数多く、
柳美里の文庫本の表紙を描くなど、
写実画家の俊英として画壇の注目を集めている存在で、
写実画が好きな私も、かねてより注目していた。
回顧展がスタートして以来、大盛況とのことで、
ゆっくり観たかった私は、
入場者も一段落したであろう10月初旬に、
ワクワクしながら佐賀県立美術館に向かったのだった。
佐賀県立美術館へは、
今年9月に、(大きな賞を受賞した)孫娘の書道展に行って以来なので、約1ヶ月ぶり。
観覧料1200円を払って入場する。
写実画を実際に観ると、
画集や図録では見えない細部まで観ることができるのが醍醐味。
例えば、「佐賀平野」と題されたこの絵では、
写真では虹がうっすら見える程度だが、
実際の絵に近寄って見ると、虹ははっきり描かれているし、
虹の輪の中心部には、バルーンも描かれている。
そうやって、ひとつひとつ、じっくり観ていく。
写真では限界があるが、
展示されていた作品をいくつか紹介しよう。
「静轍なものたち」
「森へ還るⅠ」
「桜と光の中」
「光と水が交差して」
「アムステルダム」
「流れとまる」
「フィレンツェ」
「交差する時間」
「水とともに」
佐賀を拠点にしている画家なので、
私の馴染みのある風景を描いたものも多く、
「蕨野の棚田」
「佐賀平野」
「武雄の大楠」
「有明海の夕日」などを楽しく観た。
個人的に好きだったのは、「すすきの道」。
阿蘇の山を取材しているときに出会った風景だそうだが、
この絵を観ると、極私的に、近くの山で遭遇するススキの原を思い出す。
カメラ撮影OKの絵もいくつかあったので、(フラッシュは禁止)
記念にパチリ。
帰りに図録(2000円)を購入すると、
「別室に先生がおられますので、サインしてもらえますよ」
とのことで、サインしてもらった。
開催中に、できればもう一度、観に行きたいと思っている。