一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

犬山岳 ……いつも気になっていた山 一度は歩いて登ってみたかった山……

2009年10月08日 | その他・佐賀県の山
今日は、正午までに佐世保の実家に行くという約束になっている。
朝のちょっとした用事を済ませ、車で白石町に向かう。
午前中の短い時間を利用して、杵島山地の一峰・犬山岳に登るためだ。
犬山岳の山頂には、展望台として造られた犬山城があり、そこまで車道も延びているので、麓から歩いて登る人はほとんどいない。
多くの人は、車で山頂まで上がり、お城の展望台から眺めを楽しんで、また車で下りてくる。
地元の人も、犬山岳に関しては、山という感じがしないのではないだろうか?
実は、私も、そうだった。
山という認識は希薄だった。
車で一度だけお城の展望台まで行ったことはあるが、歩いて登ったことはなかった。
登ろうとも思わなかった。
だが、どういうわけか、この犬山岳は、どのガイドブックにも載っている。
『分県登山ガイド40 佐賀県の山』(山と溪谷社)にも、
『新・分県登山ガイド40 佐賀県の山』(山と溪谷社)にも、
『SAGAの山あるき。』(佐賀新聞社)にも……だ。
とにかく一度は歩いて登っておかないといけないだろう……と、いつも気になっていた山だった。
麓の工場の駐車場に車を駐めさせてもらい、いざ出発。
この分岐を右に登って行く。
この辺りが登山口と言えるかもしれない。


妻山神社の横を通る。
ずっと舗装された道で、面白味はない。


やがて歌垣公園に着く。
トイレのある駐車場の脇から階段が延びている。
その入口には門があり「登龍門」と書かれている。


階段には草が生い茂り、蜘蛛の巣だらけ。
蜘蛛の巣を手ではらいながら登って行く。
781段もあるというこの階段、昔はともかく、今はほとんど利用されていないのではないだろうか?
急坂の人工的な丸太階段、歩きにくいし、けっこう疲れる。


咲き始めたツワブキの花が唯一の慰め。


草に覆われた階段を登りつめると、やっとお城が見えた。


お城の前には広い駐車場があり、もし車がたくさん駐車していたら、歩いて登ってきた者はガックリするだろう。
今日は曇り空の平日だからか、駐車場には一台の車もなかった。


お城の展望台に上ってみると、案外眺めは良かった。
白石平野の広がりが美しい。
中央の島みたいに見える小高い丘には、かつて須古城があったそうだ。


左に目を転ずると、蛇行する六角川と、その向こうに両子山が見えた。


さらに左に目を転ずると、鬼ノ鼻山から聖岳にかけての稜線が見える。


さらに左に……「あっ、なにこれ?」
虹のようで、虹でないような……
水平環(環水平アーク)かな?
面白いものを見てしまった!


今日は犬山岳の山頂を究めに来たので、お城の裏側の高台で、三角点を探す。
そして見つけました。


「えっ、これって、一等三角点!」
もうビックリです。
立派だ~


三角点のある場所からは、武雄方面がよく見える。
御船山の向こうに見えるのは、黒髪山系の山々。
縦走した日のことを思い出し、懐かしかった。


下山は、あの階段は歩きたくなかったので、車道を歩いて下った。


ありふれた花でも、よく見ると美しい。


葉の色って、誰が決めるのだろう?




しばらく下ってくると、鬼ノ鼻山~聖岳がよく見える場所があった。
しばらく見惚れてしまった。


腕時計を見ると、約束の時間が迫っている。
慌てて下山し、急いで佐世保に向かった。
今日は、姉と相談し、車に母を乗せて「展海峰」までドライブ。
私はこの「展海峰」から見る九十九島が大好きだ。


愛宕山(相浦富士)も見える。
美しい~


「展海峰」には、コスモスも咲いていて、まだ6~7分咲きだが、この美しさ!
皆さんも、佐世保に行ったら、この「展海峰」へ、ぜひ~~~

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