一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」③ ……楽しいトークショーとパーティー……

2018年09月22日 | 映画


9月16日(日)
古湯映画祭の2日目。
この日のスケジュールは、このようになっている。


が、この日の午前中は、
町内行事の「彼岸の道づくり」(草刈り)に参加しなければならない。
9:30~11:30の『陽はまた昇る』は以前見たことがあるので、
12:30から始まる『六月燈の三姉妹』から見ることにする。
2014年5月31日に公開されたこの映画は、
当時、佐賀での上映がなく、まだ見たことがなかった作品。
家業の和菓子店再建を目指して奮闘する一家が繰り広げる人間模様を、
実在の店をモデルに描いたハートフルドラマ。



鹿児島県のとある寂れた商店街。
その一角にある家族経営の和菓子店「とら屋」も、
大型ショッピングセンターに客を奪われ赤字が続いていた。
そんな店を建て直すべく、
離婚した父(西田聖志郎)と、母(市毛良枝)や、


出戻りの長女(吉田羊)、
離婚調停中の次女(吹石一恵)、
結婚直前に婚約破棄した三女(徳永えり)、
さらに東京から次女を追ってきた夫(津田寛治)も加わり、
六月燈の夜に発売する新作和菓子「かるキャン」で逆転を狙うが……




笑わせて、泣かせて、感動させる、素晴らしい作品であった。
私の父は鹿児島県出身だったので、鹿児島県には親近感があり、
土地や言葉に懐かしさのようなものを感じた。
次女(吹石一恵)の夫は、宮崎県の都城市出身という設定で、
その夫を演じた津田寛治の都城弁も見所のひとつ。


特筆すべきは、吹石一恵と吉田羊の美しさ。


吹石一恵は、この後、福山雅治と結婚し、
吉田羊は、この後、大ブレークを果たしたので、
二人にとっても記念すべき作品になったのではないだろうか。



次に見たのは、
文音、草笛光子主演の映画『ばぁちゃんロード』。
施設で車椅子生活を送る祖母とおばあちゃんっ子の孫娘が、
一緒にバージンロードを歩くため奮闘する姿を描いた作品で、
『花戦さ』『起終点駅 ターミナル』の篠原哲雄監督がメガホンをとっている。
佐々部清監督の作品ではないが、
ゲストの文音が主演している映画で、
佐々部清監督(明治大学卒)の後輩・篠原哲雄監督の作品ということで、
特別に上映された。



夏海(文音)は、
幼い頃から両親が共働きだったため、
祖母のキヨ(草笛光子)に育てられた。


子供のころからキヨが大好きだった夏海だったが、
キヨが足を骨折して施設に入ってからは、
二人は疎遠になっていた。
父の跡を継いで漁師を目指す友人の大和(三浦貴大)からプロポーズされ、
結婚を決めた夏海は、
施設にキヨを訪ねて結婚の報告をする。


だが、歩けなくなって車椅子のキヨは、
孫娘の結婚を祝福するが、
自分は式には参列できないと顔を曇らせる。
すっかり元気をなくしているキヨを励ますべく、夏海は、
結婚式のバージンロードを一緒に歩くことを思いつく。
その夏海のひたむきな思いに心を動かされ、
キヨは希望を取り戻していく……




映画の中のキヨ(草笛光子)と夏海(文音)の関係性が良く、


互いのことを思いやる故にギクシャクする部分もあるが、
ばぁちゃんと孫娘の間には、何か特別なものが流れているような気がした。
私の配偶者と孫娘たちもとても仲が良く、
ばぁちゃん(とは言っても私の配偶者はまだ56歳であるが)と、
孫娘たち(7歳と4歳)の関係を見ていると、
私には(ジイジからすると)とても羨ましい気がする。
孫娘も持つばぁちゃん、
ばぁちゃんを持つ孫娘が見ると、感涙の作品ではあるまいか。


すでにご存じの方もおられるかもしれないが、
夏美を演じる文音の本当の両親は、長渕剛と志穂美悦子。
夏美の結婚相手・大和を演じている三浦貴大の本当の両親は、三浦友和と山口百恵。
これがもし本当の結婚ならば、
超豪華な結婚式になり、マスコミが放っておかないだろうと思った。(笑)

この映画で文音のウエディングドレス姿を見ることができ、


次に鑑賞した『八重子のハミング』で安倍萌生のウエディングドレス姿を見ることができ、


ゲストで来ているふたりの女優のウエディングドレス姿を、
一日で両方見ることができるという幸運に恵まれた。


次に鑑賞した映画は、『八重子のハミング』。


この映画に関しては、もうすでにレビューを書いているので、
コチラを見て頂きたい。
このレビューで、私は次のように記している。

介護の映画、シルバー映画というより、
素敵なラブストーリーに仕上がっており、
特に、ラストの高橋洋子の笑顔は、
本当に美しかった。
ラストの笑顔で思い出すのは、
『時をかける少女』での原田知世だが、
原田知世にも負けない高橋洋子の美しく可愛い笑顔であった。
あの笑顔を見るだけでも、
この映画を見る価値は十分にある……と断言しておこう。


それに加えて美人姉妹を演じた文音と安倍萌生の“美”も必見だ。



この後のトークショー(19:00~20:00)は、
佐々部清監督、井上順、文音、安倍萌生、田村三郎、西田聖志郎、
それに急遽参加が決まった升毅も駆けつけ、
大賑わいのトークショーとなった。


特に井上順と田村三郎のトークが面白く、
ずっと笑っていたような気がする。
それぞれの佐々部清監督作品への思いが伝わってくる好い催しであった。



この日は、最後に、ゲストを交えたパーティー(20:40~22:00)があった。


地元(富士町)で採れた食材を使った料理が並び、


こちらも大賑わいのパーティーとなった。
監督、俳優たちとも自由に話すことができ、とても楽しかった。
私は、佐々部清監督と、


文音さんと、


安倍萌生さんに、
色紙にサインしてもらった。


本当に、夢のような一日であった。
今日も「一日の王」になれました~


※文音さんが、古湯映画祭のことをブログに書かれています。
 素晴らしい文章です。コチラからご覧下さい。

※4回にわたって連載しました。
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」① ……3日間で9本の映画を鑑賞する……
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」② ……安倍萌生のデビュー作を鑑賞……
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」③ ……楽しいトークショーとパーティー……
第35回古湯映画祭「佐々部清監督特集」④ ……佐々部清監督の傑作3本上映……

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