一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

天山・八幡岳・登吾留山 ……近くに山のあることの有り難さ……

2009年08月09日 | 天山・彦岳
今夏、北アルプスを縦走してみて、その雄大さ、美しさに感動した。
だが、不思議なことに、同時に、わが地元の山の素晴らしさにも感動している自分がいた。
飛騨山脈の3000m級の山々には高さこそ敵わないものの、地元の山にはそれ以上の優れた点がたくさんあることに改めて気づかされたのだ。
3000m級の山に行くには、日数がかかる。
まとまった休みを取得しなければならない。
費用もかかる。
登山口へのアプローチも長く、一旦山に入ると、そう簡単には下山できない。
危険度も、里山のそれとは比較にならない。
要するに、日本アルプスでは、「今日は午後から用事があるから、午前中だけ山に行ってこよう」というような気軽な登山はできないのだ。
その点、わが地元の天山や八幡岳は、こちらのどんな要望にも応えてくれる。
「ちょっと時間ができたので登ってこよう」とか、
「孫が遊びに来たので一緒に登ってこよう」とか、
思いのまま。
時間もかからず、
お金もかからず、
比較的安全に山を楽しむことができる。
年老いて遠くの山に出掛けられなくなっても、近くの山は老いた登山者を見捨てることはない。
いくつになっても楽しませてくれるのは地元の低山だ。
花の多さも高山に負けてはいない。
四季折々、いろんな花で我々を楽しませてくれる。

今日も、昼過ぎに用事があったので、早朝から行動開始。
天山・八幡岳・登吾留山で、山野草を楽しむことにした。
まず天山に向かう。
登山口に車を駐め、歩き出してすぐヤマホトトギスに出逢った。
形の良い、格好いいヤマホトトギスだった。


キンミズヒキも登山道の脇に咲いていた。


ねじれていない素直な性格のネジバナ。


優美なテリハアカショウマ。


繊細かつ可憐なシギンカラマツ。


曇ってはいるが、遠くまで見渡せた。
有明海の向こうに雲仙も見える。


ハンカイソウがまだ咲いている。


サイヨウシャジンがもう咲いている。


山頂に着き、稜線を散策する。
モウセンゴケは水分をたっぷり含んで嬉しそう。


ヤマハハコグサが可愛い。


オトギリソウ。


ホソバシュロソウ。


キュウシュウコゴメグサ。


そしてマツムシソウ。


この花を見ると、何故か私は嬉しい。


天山でたくさんの花を観賞できて大満足。
次の目的地・八幡岳に向かう。

池高原で目についたのはミソハギ。


よく目立つ花だ。


カワラナデシコも咲いていた。


オミナエシの黄色が眩しい。


山頂付近にはクルマバナが多かった。


オオキツネノカミソリは少しピークを過ぎていたが、まだまだ楽しめた。


今年も、多良岳・井原山・八幡岳と、オオキツネノカミソリ3大群生地で見ることができて幸せだ。


斜面のず~っとず~っと奥までオレンジ色に染まっている。


八幡岳からの展望も良かった。
蕨野の棚田が有名だが、反対側の武雄方面にも棚田が広がっている。
こちらも美しい。


八幡岳を離れ、登吾留山(とあるやま)に行く。
目的はこの花。
ノヒメユリ。


少ししか咲いていなかったが、今年も逢うことができて嬉しい。
本当に小さな花で、ピンポン玉より小さい。
私のケータイと一緒に撮ってみる。
花の小ささが把握できるだろう。


今日は、花との出逢いの他に、人との出会いもあった。
私のこのブログを見ているという人がいたので嬉しかった。
見てますか~

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