地元に戻って来て鰻を食べる回数は激減した。理由は至って簡単である。蒸し工程が入る向こうの味には遠く及ばないためである。今から20年程前、私は北関東で暮らしていた。当時それなりの鰻屋に入り一杯ひっかけて重箱を頼めば勘定は2500円を軽く超えた。つまり蕎麦と違い鰻は贅沢品であった。
ただし例外もあった。西新宿・しょんべん横丁入口に店を構えていた「うな丸」は鰻丼などを安く食べさせるので野郎どもに人気だった。20代の私は海賊盤を買いに行く前にここで腹ごしらえしたものだが、女性客に出会ったことは一度もない。ほとんど待たなくてよいのでせっかちな人間にはありがたかった。
御世辞にも綺麗とは言い難い鰻のファストフード店は平成23年(2011)年5月惜しまれつつ閉店した。
ただし例外もあった。西新宿・しょんべん横丁入口に店を構えていた「うな丸」は鰻丼などを安く食べさせるので野郎どもに人気だった。20代の私は海賊盤を買いに行く前にここで腹ごしらえしたものだが、女性客に出会ったことは一度もない。ほとんど待たなくてよいのでせっかちな人間にはありがたかった。
御世辞にも綺麗とは言い難い鰻のファストフード店は平成23年(2011)年5月惜しまれつつ閉店した。