自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

高熱の効用

2013年02月03日 | 健康のための心の波動

 

風邪と熱 ~ 自然治癒力の不思議:(1) 平成25年 2月3日

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昨今、インフルエンザが流行っていて、学級閉鎖も

多くあると聞いています。

熱が出たりする場合も多いでしょう。

今日から、すでにブログにご紹介した意見など

重複するかもしれませんが、再度、こうした熱

などの、症状の効用について、まとめたいと思います。

 

日頃、私たちが経験する 肉体の不調和感、熱や 

下痢、 痛みなどが 自然治癒力 とどう関係

があるのかということです。

 

内科医の内田久子医師の現場体験をもとにした、

手記(*1)をもとに、連載していきます。

 

内田医師は、昭和25年現在の関西医大卒業。 

その後、大阪大学付属病院、池田市立病院、

国立療養所、私立病院内科部長を経て、講演活動にも

従事された。

 

”私たちの 大学研修時代には、”発熱”に対して、

何でもかんでも、解熱剤 を使用することは 強く禁じられて

いました。 


熱は、細菌感染時や病巣(びょうそう)吸収といった 

治癒現象の働いた ときにおこる体の反応熱であって、

一つの 症状 であり、発熱が病気の原因ではないのです。

 

高熱が出ると、抗生物質や抗結核剤でも、完全に撲滅

(ぼくめつ)されなかった菌が、によって、陰性 

になることを日常よく、経験します。

 

一般に、無熱の肺炎は 予後不良であると 言われている

通り、抗生物質や対症療法、輸液などを行っても、経過は

思わしくありません。


これに反して、発熱を伴った肺炎の場合、若年者はもちろん

のこと、90歳を越した高齢者の肺炎でも、高熱が数日続いた

あとは、階段状に 解熱して、やがて完治された例もある

ほどです。

 

病原菌はいずれも、熱には弱いので、結核患者の寝具の

日光消毒などは、みなさんも 衆知のとおりです。

ある国立療養所で、数年前に全国的な ウイルス性感冒が 

蔓延(まんえん)したときに入院結核患者の4割(400名)

が罹患(りかん)したことがありました。

 

38度以上の発熱を伴った300名の患者さんを それ以後 

6か月間 追跡調査したところ、それまで化学療法を行って

いても、喀痰(かくたん)結核菌が 長く 陽性であった人が、

この数日間の発熱後はいずれも、菌が陰性になっていたことが

判りました。

 

そのうえ、結核が増悪したり、肺炎を誘発した人は一例も

ないどころか、かえって、結核病変が良くなってきている

のです。


この300名の患者さんの6か月間の胸部レントゲン所見と喀痰

(かくたん)結核菌、血清化学検査の推移の統計を、医学会に

発表しましたところ、

 

”今までの概念では、結核患者が ウイルス性感冒にかかって、

高熱を出すようなことがあると、結核は増悪するものだ、と 

当然のように、考えていたが、このたびのたくさんの貴重な

統計発表で我々の考えを改めなければならない。”

と、会場の多くの医師から反響をいただきました。

 

入院中の患者さんですから 当然適切な、治療と看護の中での 

出来事であったことは申すまでもありません。

 

また、私が、敗血症になったときも、発熱について、自ら、

貴重な体験をしました。


40度の高熱が続き、往診の医師が、毎回解熱剤の注射

されましたが、注射のたびに、多量の汗とともに、35度に

下がりますが、間もなく、悪寒旋律(おかんせんりつ)

の後に40度まで上がるといった繰り返しのうちに、

とうとう、ショック状態になって、緊急入院しました。

 

この時、院長先生の声が、意識もうろうとなっていた私に、

強く聞こえたのです。


”熱は出しっぱなしにするのがよいのだ。 

解熱剤で一時は下がっても、原病 が治っていないから

また上がる。そのために 心臓衰弱 を強めるばかりである。 

熱型 を崩すな。!”

 

と、どなっていられたのです。

このような、”発熱の考えかた”を体得した私は、その後の

受け持ち患者さんに、応用して、全例、好結果を得ています

ので、”発熱”は、生体の、不可思議なる 自然治癒力の 

大切な要素であると確信し断言できるのです。

 

とかく、一般の方は、熱 そのものへの 恐怖心と発熱に

よって、病気が悪くなるのでは、との心配がさきに立ちます。 


本人はもとより、その周囲の人たちも恐れたり、慌てたりして、

心を動揺させるので、かえって、長引かせる結果となるようです。

 

発熱に対する恐怖感というものは、一般には まだまだ根強く、

ことに、子供の発熱の場合は 心配のあまり、母親のほう

から、

”早く熱を下げてほしい” と熱望されるために、仕方なく

解熱剤の注射を強いられて、困っている小児科医の話を

よく耳にします。

 

発熱は、細菌の菌力によって、一日で解熱する場合もあり

ますが、普通の感冒では、2日間、ウイルス性感冒や肺炎

などでは、数日間持続したあと、階段状に 上下しながら、

下降していきます。

 

肝硬変の患者さんが、ウイルス性感冒を併発して、高熱が

2週間続いたことがありました。


発熱の意味を良く理解していただき、心を落ち着けて、

2週間(摂氏39~40度)を過ごされました

 

そうしますと、解熱後、長年の 肝臓機能障害が良くなり、

ほとんど、正常値に復したので、おたがいびっくりしました。

病気への恐怖感や、家族観の精神的葛藤が発熱を助長する

場合もあります。

 

医療担当者は、心と体の関係を良く理解したうえで、患者、

家族に良く、説得し理解させ 安心されるように指導することが

必要だと思います ”


私が20代の前半に、39度から40度の熱をひと月

経験したことは、数日前のブログで書いた。


インド時代は、幼い息子が熱病にかかり、やはり、

40度前後の高熱を2週間だしたけれども、私自身の体験

から、熱の効用は十分に理解できたので、心安く、

この時期を経過することができた。


 

*1 ”生命医療を求めて” 内科医 内田久子著 

平成7年11月1日18刷発行 発行所 日本教文社

 

内田医師について: 

昭和2年大阪生まれ・昭和25年

大阪女子高等医学専門学校(現在関西医大)を卒業。

その後 大阪大学附属病院、池田市立病院、国立療養所、

私立病院内科部長を経て講演活動も行った。


 

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