THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

今こそ曲がり角に立っている

2020-10-13 13:42:36 | 仕事
正吉君はレースでのケガの痛みが抜けず、先の週末もモトクロスはお休みした。
昨日の再々診でも、やはり骨折などはないとのこと。何でもお医者さんで腕を引っ張られた時にポキッと音がして、その後痛みが引いてきたと言っている。ホンマかいな笑
で、今朝からチャリトレ再開した。
とりあえずラージホイール化のための部品は、1台分は入手した。元々は月末の関東選手権オフビに練習兼ねて出場、その後全日本オフビに出場という計画だったが、どうしたもんかな、というところ。

さてさて、いよいよコロナの影響がハッキリと仕事に出てきた。
俺の仕事は景気に直結、景気のバロメーターというべきものであり、景気が悪くなると真っ先に予算を削られてしまうもの。
ウチは街中のビルボードや、郊外の路面店の仕事が大きな収入源なので、こうなってしまうとマトモな仕事があるわけない。やることがあるだけでも幸せといったところかな。

しかし、これら全てがコロナだけに起因するものかというと、ノー。
2年ほど前にちょっと不運が重なり、それ以来、時代の流れから外れ始めたような感覚がある。
数百件に上るお客さんは全て創業者である俺が自分の努力で集めたものであり、「自分は仕事の引きが強い」という慢心もあった。
また、離婚してからはお客さんをフォローしきれない面があり、仕事を断ることも増えてしまった。

今思えばその2年前に、曲がらなきゃならない曲がり角を、そのまま通り過ぎてしまったのだろう。
そして現在、今回こそは絶対に逃してはならない曲がり角に立っているはず。

これではイカンと、いくつかの戦略を考えて、新たな種まきをしている。そろそろ第1段階終了。俺はこんなところで潰れるわけにはイカンのよ。

俺を直接知っている人は、「え、あの人が営業?」とか思うかもしれんけど笑、俺は昔から飛び込みの営業でもへっちゃらでやってきた。じゃなきゃ食っていけないもん。
ただの一職人でも、口下手でも、自分で自分を宣伝する方法くらいは持っている。今のところ、ほとんどの相手は興味を持ってくれている感じかな。

んなワケで、看板のご用命は是非弊社にお願いしますね笑
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Life is sweet

2009-12-13 15:01:15 | 仕事

早いもので、今年ももう12月半ばになっちまった。
我らが世界の代表・田中氏が馴染みのママの店をリザーブしたとの事なので、土曜日の晩に名駅辺りに忘年会に行ってきた。
しかし、相変わらずメンバーの皆さんは濃いですなあ。カラオケの王者・Jロウさんにはいつも脱帽。
久々のビール(最近は100%焼酎・・・芋派ですわ)、そこそこ飲んだ。
カメラを持っていかなかったので、写真は無いヨ。
 
さてさて、仕事はボチボチ忙しいのだが、やっぱり内容はあまり宜しくない。
まあ、ネガティヴな事ばかり言っててはイカンという事で、ここのところかなり頑張っている。
(ちなみに俺は『頑張る』という言葉もあまり好きではない・・・何故?それは頑張るのは当たり前だから)
 
ウチはBtoBの仕事が基本で8割くらい、2割が一般客。
自分で仕事を始めた頃は、結構営業にも周っていたのだが、最近は頼まれた仕事全てには手が回らないケースが多くて、特に新規客を取ろうとはしていなかった。
何というか、自分でそこそこ満足していたような状態。
ここ1~2ヶ月の頑張りによって新規を数件ゲットできた.
しかし、今後の世の中や自分の体力を考慮すると、ネットからの受注を全体の3割くらいまで引き上げたいなあ・・・と。
ちなみに現在はほんの数パーセント。話があっても成約しなかったり、成約しても少額だったり。(もちろんそれでもありがたい事です)
 
俺の仕事(看板屋)というのはネットビジネスがやりにくい業態で、材料とか無地の既成看板でも扱わなければ、「会社のホームページ」という存在は単なる「会社案内」としてしか機能しなくなってしまう。
だがらといって金の為とはいえ、既成の他社製品を売るのは嫌なんだよなあ。性に合わない。
 
で、とりあえず通信販売の基礎をつくるため、イベント数箇所で協賛品のステッカーとチラシを配ってみたり。
ちなみにこのブログには、その事は敢えて一切書かなかったので、スルーしてしまった方々もいるかな?
ヒーヒー言いながらステッカー用の専用ページを作り、宅配便業者と代引きの契約。
しかし、額の小さい商品は代引きだと高く付くんだよなあ・・・ということで、今度はネット銀行を契約中。
クレジットカード払いの採用については、いまのところ未定。(業態上、色々と問題があるので)
 
今までの仕事とは全く異なる事を手探りで始めているので、なかなか注意が行き渡らない。
全部自分でやってるんで、全然前に進まない。
周りの仕事関係の人たちは不思議そうな顔をしているが、今に見てろ~!
 
現在、商品を企画しながらせっせと買い物かごを作っているところ。
内容は・・・材料の端材を利用したオブジェ、既成のステッカー、不良在庫のアウトレットなど。オフロードバイク関係では、徳用大入りのゼッケンの数字とかも企画中。
まあ売れるかどうかは分からないが、仕事は楽しくやらなくては。

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エンジン・ウェルダー(発電機兼溶接機)の修理

2009-08-05 20:15:39 | 仕事

我社で使用しているエンジンウェルダー。新ダイワ(新ダイワ工業株式会社)製のEGW135。購入後かれこれ10年近くになる。
現場で鉄骨を被覆アーク溶接をしたり、また発電機としても使用できる。趣味のために溶接機を購入したいという人には、選択肢の一つになるのではないかな?
ちなみに196ccOHVエンジンはホンダ製。以前修理用の部品を注文したら、そのパーツは「ホンダ純正」の見慣れた箱に入ってきた。
このエンジンウェルダー、開業当初に、一人で持てる物を・・・と、フルカバーの静音タイプではなく、敢えて軽量なオープンタイプの物をチョイス。溶接機兼発電機としては、かなり小型の部類に入る。
仕事だけではなく、坂内2DAYSエンデューロでも毎年活躍してきた。実際にレース中に溶接をした事もあったな。
出来る限りメンテナンスしているが、オープンタイプの宿命であろうか、パッキンが劣化してきた最近では、燃料タンクに雨水が浸入してしまいがち。タンクに差し込まれているだけのフューエルゲージ部分から侵入するんだろう。いざ使おうとするとエンジンが掛からなかったりする。
燃料コックに錆が詰まっていたり、フロートチャンバーに水が溜まっていたり。
数ヶ月前にガソリンを抜いてメンテナンスした。

Img_3283

この時に燃料タンクに錆によるピンホールを発見したのでTIGにて修理。

Img_3284

Img_3285

暫くは調子が良かったのだが、長引いた梅雨によって再び不具合を生じ始めてしまった。
 
近所のバイク用品店に行って、定評のある「花咲かG」を購入した。

Img_4265

バイク用品とはいえ、ちゃんと会社の経費で計上されるのは不思議な感覚だ。
過去に2回ほど、バイクの燃料タンクの錆防止の為に「タンクライナー」と呼ばれる物を使用したことがある。こちらは、燃料タンク内部を予め樹脂でコーティングしてしまう物。
そのうち1回はVmaxに使用したのだが、現在も元気に錆を防いでくれている。
一方の「花咲かG」は、錆を除去すると同時にタンク内部を特殊な皮膜でコートするらしい。
 
何度か、あの「サンポール」で錆の除去を行った事があるものの、錆が取れてもまた直ぐに錆びてしまう。
錆の除去とコーティングが同時に出来る「花咲かG」は中性とのことで、安心して作業が可能だ。
 
さて、今まで俺がこの商品を敬遠してきたのは、価格のせいである。
たかだか、タダの液体1リットルに¥5250。

Img_4266

10倍から20倍に希釈して使用するとの事。今回は比較的錆が多目と判断し、10倍希釈にてタンクに投入。
温度管理も重要との事で、温度計とメスシリンダーを使用して、希釈率と温度ともキッチリ計ってやった。

Img_4279

この後様子を見ながら、12時間~1週間程度の間、漬け置きする事となる。
 
プラグも交換しておく。本来はBP6ESという抵抗無しのプラグが指定だが、バイク用品店には最近は抵抗無しは置いてないので、BPR6ESというSRなんかと同じ物を使う。

Img_4269

 
ところが、重大な事態が発生。
暫く使うことは無い筈だったエンジンウェルダーだが、急な仕事によって現場へ出動を余儀なくされる事となってしまったのだ。
燃料タンク無しでどうすんの?
 
そこで、280馬邪の燃料タンクが現場に出動。

Img_4275_2

 
田中代表のご尊顔は、どんなシチュエーションでも強烈な存在感を放つ。

Img_4270

 
使いっぱなしになりがちなエンジンウェルダーはこの後、完璧なメンテナンスとプチカスタムを施す予定。
“280馬邪の魂号”として、「HONDA」の刻印も消さなきゃ。
ウケケ

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ステンレスのパンチング板

2008-03-08 13:35:57 | 仕事

仕事で製作中の物。加工自体は難しくは無いのだが、メンドくせえ・・・。
パンチング板は鋼材メーカーが規格品として作っているのではなく、二次メーカーが独自に加工している場合が多い。アルミの押し出し材の存在に近いかな?
なので特注で作ってもらえる。

Epsn5113

コイツは50φの110Pゴバン目。ステンレス・ヘアラインの1.5t。板の外寸、穴位置等全てを指定して加工してもらった物だ。現在コレを箱型に加工中。
パンチング板はその名の通り打ち抜きで製作される。なので打ち抜いただけでは板が歪んでしまうのだが、穴加工後にローラーに掛けて修正するのだそうだ。
過去の経験上アルミのパンチングはペコペコに曲がっていたり、穴同士の位置関係が狂っている(直角が出ていない)印象があるが、コレはかなり納得の出来る仕上がりであった。

280馬邪の製作中のサイレンサーで使用しているパンチングパイプと比べてみる。
ほぼパイプ径=穴径。オモチャみたい。

Epsn5114

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スミマセン、忙しくて放置中。

2007-03-10 20:58:46 | 仕事

Epsn2920

左サイドバーにあるアクセスカウンターはFC2の物である。カウンターの上にマウスポインターを乗せると、本日を含めた過去8日間の一日当たりのHIT数が出るのだが・・・とんでもない数です。ありがとうございます。
にもかかわらず、仕事が忙しくて新しい記事を書いている時間が無い。
カウンターの数字は巨大な組織が俺を陥れようと仕掛けた罠だと思われるので、まさか新しい記事を期待して下さっている方がいらっしゃるとは思えませんが(コメントがほとんど来ないので解らない・・・コメントの少なさは、知人からも数回指摘された・・・苦)、とりあえず近況報告までに仕事っぷりを紹介します。

我が地元である名古屋地区は非常に微妙な土地柄で、昔から「偉大なる田舎」等とバカにされてきた。コンサートツアーやイベントツアー等は名古屋は飛ばされる事もしばしば。GUNS N’ ROSESは来てくれるみたいだが・・・。
もう一昨年の事になるが、この文化不毛の地にて万博が行われたのは周知の通りである。セントレアも完成した。加えてトヨタ自動車の勢いもあってか、ここ数年「日本で一番景気が良い」などとまで言われている。実際にトヨタ自動車系列に勤める人口も多い訳であると思うので、この地区での個人消費は上昇しているのかもしれない。名古屋の繁華街である栄には次々とブランドショップが立ち並び、名古屋駅周辺にも高層ビル建設が連発(といっても現在3つ、4つ目を建設中)。新しいトヨタ自動車の海外向け本拠地として完成したミッドランドスクエア(ビルは東和不動産と毎日新聞、トヨタ自動車の共有の名義になっている)がオープンしてから、近隣地区には明らかな経済効果があったそうだ。
これを狙って他の地区から参入する企業が数多い。代表的な業種としては(俺の身近な中で)ハウスメーカーである。聞けばかなりの金額の叩き合いをしているらしい。

この景気上昇とも呼べる現象の裏で、実は苦しんでいる人たちもいる。仕事にあぶれてしまう人や会社が出始めているのだ。仕事がある所にはあるが、無いところには無い状態。材料の仕入先に聞くと、年度末の割りに材料が出ていないそうだ。建材屋さんは二ヶ月くらいずっと事務所の椅子に座っている(爆)と言っていた。
万博の反動も然ることながら、飲酒運転の取締りが厳しいので、アルコール類を出す飲食店の新規出店が激減している。小ぶりな店舗は大型ショッピングモール内に出店するばかりで路面店は少ない。

そんな中でとりあえず忙しいのはありがたい事である。

Epsn2907

↑見る人が見れば判る、インチキな構造。つってもちゃんと理由があるのだが。工作物申請が必要なくなる様に、全高4m未満になる設計。この後板金を巻くのだが、他の看板屋さんは鉄骨をこんなにしっかり塗装しない。我社はマジメなのだ。

Epsn2918

↑コッチはステンレス2B板をレーザーカットした物と、ヘアライン板を曲げ加工した一次加工品。TIGで組み立てる。

Epsn2915

↑木の板は「ヒバ」という材木。俺も木材にはあまり詳しい訳ではないが、ヒバ(檜葉)はヒノキの仲間で独特の臭気がある。耐水性や防虫性等に優れており、神社仏閣等の建築で使用される。当然FILMは貼れないので、絵や文字は塗料で手で描いてある。この木板は、緑青(ろくしょう=銅が酸化した物)をイメージした突き出しポールに取り付ける。

それと・・・。
ずっと咳が止まらない。過去の記事からすると最低二週間以上は咳き込んでいる事になる。
ふと考えた。毎年この時期に、熱は無いのに咳が止まらない事がある。過去何年もそう。今まで風邪だと思い込んできたのだが、コレ、もしかして花粉症では????
ググッてみると、確かに花粉症は鼻に対してだけではなくて、咳・・・つまり咽喉に対しても影響を与える事があるようだ。咳が出るだけで、身体は全くの正常。チョットだるいかな・・・?
CONTACを買って来て飲んだ。確かにそれなりに効く。が、眠いのです。ううう。PCの前に座るとついウトウト・・・。過去の事例では確か一ヶ月位この咳が続く。困ったもんだ。

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バイナル・その4

2007-02-28 21:44:50 | 仕事

Img041

↑写真の日付は1994年9月15日となっている。12年半前か。ライダーは俺。わわわ、若い・・・。お顔はトリムしときました(笑)。もうバトルスーツ着てる。それにカットオフ、恥ずかしい。何気に林道なのであります。しかも普通ならばVmaxでは行かない(行けない)様な所なのであります。結構Vmaxで林道に走りに行っていた。この話はいずれ・・・。
で、このVmaxは何故か茶色いのだが、塗装では無い。エアダクトを除く外装部品に全面木目調フィルムを貼ってあるのだ。実際にコレを貼ったのはこの日付より1年以上前だったと思う。この写真は木目調の末期の頃。で・・・。

Img043

Sidecover

↑1995年春頃(多分)にはこうなっていた。ベースからグラフィックまで全て手作業のカッティング。一箇所異常に凝りまくった部分があったのだが、拡大写真が残ってなかった。残念。
ちなみにどういう風に凝っていたのかというと、俺のトレードマークであるカブトムシ=MetalBeetle(カブトムシにVmaxのエンジンを組み合わせたイラスト)を手作業でカッティングした物なのであります。トレードマークの画像はこのブログの何処かにありやす。

フィルムの貼り方について。コリャステッカーなんかにも応用できるので、当ブログとしては珍しくパブリックな記事である・・・かも(爆)。
まず工法には二種類、ドライウエット
その名の通りドライは何も付けずに乾いた状態で施工する事であり、ウエットは粘着面に水分を与える事。「水貼り」とも呼ぶ。
まず真っ先に明記しておくが、基本はドライである。ウエットは、本来使わない筈の物を「便宜上」使う、と考えた方が良い。

手順の説明はウエットから。
ドライだと粘着面が被着体に触れた時に「ピチョッ!」とくっついてしまうので、この敏感な粘着力を鈍らせる為の方法である。
一般論としては、、、
霧吹きを用意し、水を入れる。中性洗剤を数滴たらし、粘着面と被着体にスプレー。水が付いているので位置を決めるのに何度もリトライ出来る・・・・位置を決めたらスクイジで水を押し出しつつ圧着。
この方法は実際に俺自身も仕事でやる事が多い。が、問題は中性洗剤を使う所である。不純物を粘着面に与える事になるのが問題なのである。この方法で施工するとしたら、可能な限り中性洗剤の量を減らさなければならない。
中性洗剤は「マ○レモン」等の「手に優しい」成分が多く含まれている物は避け、可能な限り純粋な洗剤を選ぶ。量の目安は、被着体や粘着面に吹き付けたときに弾かないギリギリの量。真水だと水滴は玉状になるが、洗剤を入れるとベターッと濡れる。ちょっとずつ洗剤を足して、弾かなくなった瞬間の量が良い。(洗剤のブランドにより、量にバラつきがある)洗剤を入れすぎると、FILM材料設計時の粘着力が得られないのである。
ウエットでの施工は、置いた後で位置調整が可能というのがメリットなのだが、その他「平均的な圧着力が得られる」というのも大きい。なので、ガラスFILMなんかはウエットの方が良いのである。
どんなに水を押し出そうとしても僅かには残ってしまうのだが、その水分は何処へ行ってしまうのか? 実はFILMはサランラップの様に呼吸しており、少しずつFLIMを通り抜けて蒸発するのである。洗剤入りの水を使用した場合、基本的に洗剤の成分は抜けないので、もしも洗剤を一定量以上混ぜたとすると粘着力に影響が出てしまう。なので、極力洗剤の量は減らさなければならない。場合によっては洗剤を入れずに単なる水を使う場合もある。
気をつけなければならない事がある。ミラータイプやヘアライン調のFILMは水分や空気を通さない。ウエットで貼ると水分が抜け切らずに残ってしまうので、ドライで貼らなければならない。加えて樹脂素材に貼る場合、樹脂は製造直後から暫くの間アウトガスを発生する素材がある為(素材にもよる)、最初にキレイに貼っても後で勝手にエアが入ってしまう事がある。経年後安定した状態ならば大丈夫であるが、ポリカーボネートだけは何年経ってもダメ。ミラータイプではない普通のFILMですら貼れない。(※中にはFILMを貼る為に表面処理した物もある)

ドライで貼る場合はウエットの時のように簡単に位置合わせをし直したり、一度くっつけた物を何度も剥がしたりくっつけたりの繰り返しができないので、不慣れな人がサイズの大きい物にいきなり挑むのは危険ではある。
ここでプロフェッショナルの俺が人に教える(新人教育等)時に伝授する秘技?を紹介。

1

↑この二枚のカット、何処が異なるのか?というと…。※判り難いかもそれないが、ガラスに貼り付けている。
右の写真では粘着面の中央付近が一番貼り進んでいるのに対し、左の写真では逆でフチの方が貼り進んでいる。

2

↑右は上手く貼れたが、左は最後に皺が入ってしまった。
右の場合は、自動的にシートを外側に引っ張りながら貼っている事になるが、左の場合は作業を進めるに連れて本来のシートの巾よりもどんどん狭くなっていく事になり、最終的に中央付近のシートが余ってしまう。余ったシートの逃げ場は既に無いので、皺が寄ってしまうのだ。※一応リカバリーする方法はある
コツはこれだけ。強制的に右の写真の状態を作り出してやればいい。※写真は解り易くするために、かなり極端にやっている。
コレが三次曲面であっても基本は変わらない。あとはその基本を如何に応用するかだけだ。話はまだまだ続くのだ・・・。

全然話は変わるが…。
先日「日本ブログ村」のLINKを本文に貼り付けたところ、ランキングが不自然に急上昇してしまいました(爆)。つっても大した順位では御座らん。興味のある人は見て下され。俺のブログよりも面白いのが結構ありますぜ。↓↓↓↓

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バイナル・その3

2007-02-26 21:30:19 | 仕事

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↑「バイナル」と呼ぶにはちとキビシイですが…。カマロのGTライン。シルバーの部分をFILMで施工。一見平面に見えるが実は結構三次曲面。アメ車のバイナルはかなり施工経験があるが、何故???撮った記憶はあるのに写真が出て来ない。

正直言って看板業界というのはテクノロジーの進化が遅い
その理由の一つに「単品製作である」という事があると思われる。
「○○商店」とか「ラーメン○○」といったそれぞれに異なる屋号を入れなければならないので、それに対応する為には小回りの利く業者がそれなりの数だけ必要になる。勿論現場の状況も個々によって異なる。つまり施工方法や製作する物、それに対する金額、クオリティやサービス等の一元化や明確化を計るのが著しく困難なのである。従って、各仕事内容を直接比較する事が不可能であり、悪徳業者(笑)の存在も否めない。
現実に一言で「看板屋」と言っても、筆で文字を書くだけで収入を得ている看板屋さんから(最近はほとんど皆無)、最新機器をどんどん導入して目新しさで勝負する看板屋さん、電飾等の一種類に特化してしまう看板屋さん、我社のように何でも屋の様な看板屋さんまで多者多様である。

で、最新機器を導入すると安くて良い仕事ができるのかというと、そうでもない所が問題なのである。規模の大きい物件を全てカッティングで施工したとすると、当然材料代も多く掛かるので見積も高くなる。
例えばその見積が100万円だったとする。お客さんとしてはそこまで予算を掛けられない・・・「何とか50万円でできない物か?」・・・材料はランクを落としてギリギリの所なのでもう無理。ところが我社では50万円でできてしまうのである(金額はあくまで例えばの話)。どうやるのかというと、最も基本的な技術に立ち返り、筆を使った手作業で文字を書くのだ。塗料代などはシート代に比べれば僅かな物だし、事前準備が不要なので工期もかなり短くて済む。業界が不毛化している原因の、典型的な例の一つである。
あくまでこれは単なる一例に過ぎない。他にも、必ずしも新しい物が受け入れられる訳では無い事が数多く存在する。

俺は設備投資には積極的な方なので、最近カッティングに替わってスタンダードになりつつある、溶剤インクの大型インクジェットプリンターも当然のように使っている。
が、正直この機械は「看板屋を堕落させる機械」だ。機械に頼る事によって本来の技術も失いかねないし、これを使ったところで必ずしも質の高い仕事が出来るわけでもない。
当然手作業やカッティングでは表現できない事がいとも簡単にできてしまうので、手法の一つとしては必要なシステムであるが、あくまで本来の技術やセンスを備えた上で機械を稼動させるべきである。街中でもレイアウトやデザインの悪い看板を良く見掛ける。機械があっても技術やセンスがなければ良い仕事はできない。

スミマセン、相変わらず前置きが長い。
さて、俺も随分悪者扱いしているインクジェット(以下IJ)だが、バイクではなんだかんだ言って結構使っている。
オンロードバイクの場合、特にカウルの付いた物では、一部の小僧等を除けば(スミマセン)塗装(ベース塗装)が施されるので、タイヤメーカーやオイルメーカーとか、スポンサーや好きなブランドのステッカーを貼る場合、その殆どの場合はカッティングステッカーの方が向いていると思われる。
オフロードバイクの場合は樹脂部品に直接貼り、装飾としての機能に加えて外装部品のプロテクトを兼ねるケースが多いと言える。故にカッティングタイプよりも、FILMに直接グラフィックが印刷された物の方が向いていると言えるのである。

Shroud

↑俺のXR250のシュラウドのグラフィックの変遷(笑)。上から古い順で現在は一番下。最初からモノクロっぽいのをイメージしただけに、上の二つが気に入っている。嫁さんが「目立たない」というので、ポリシーを曲げてカラフルにしている。

Other

↑その他のグラフィック。「DUNLOP」だけはカッティングで施工。サイドカバーのカーボン調シールもIJで表現してある。一番上のはバーパッド。コレを製作しているバイナル屋さんは少ないだろうと思われる。ターポリン(厚手のビニール生地)に出力後に縫製している。テスト段階であるが、あまり良い結果は出していない。一定以上安ければ売ってもいいかな…。

近年では普及型大型インクジェットの導入が一般化しており、いわば一頃のカッティングマシンの様な存在。バイナルの専門ショップも数多く見受けられる。近所のバイク用品店にも在庫されているが、手にとって見た物は恐らく我社の機械と同じ機械で出力している。グラフィックを印刷する場合、IJではグラデーションや写真の表現が容易であり、物的な版下が存在しない(データが版下となる)ので少量生産が可能というメリットがある。
対して昔からグラフィックキットとして店頭にならんでいる輸入品は、シルク印刷かそれに類する製法にて作られているようだ。シルク印刷は簡単に言えば「プリントごっこ」。(※PCの普及で完全に廃れたと思われる) 一色ずつ別の版下が必要で、グラデーションを必要とする場合はドットによる表現となる。だが、IJに比べると発色が鮮やかで、耐久性に於いてもメリットが大きい。

前出の、近所のバイク用品店に在庫されていた物は、その他の対応車種ラインナップを見ると全てトレールの様だ。で、包装の上からジックリと見た限りでは、一般的なフィルムに出力してある様に見受けられる。
俺のXR250は既にシュラウドのデカールは4セット目、リヤフェンダーのデカールは2枚目。毎回マテリアルを変更してテストしてきた。少なくとも俺がテストした限りでは、我社が仕事で使っているフィルムでは耐久性が今ひとつであった。粘着力と曲面追従性において疑問が残る形となった。一応企業秘密(笑)なのでマテリアルの明言は避けるが、現在使用中の物はそれなりの結果を出している。

ちなみにIJにてデカールを製作する場合や、カッティングでも比較的大きな面積を貼る場合は、事前に型を取って正確な形状に加工する方法と、大き目のフィルムを貼った後にフチをカットする方法とある。
型を取る場合は、俺は透明タイプのリタックシートを貼り、マジックでアタリを付ける。データ化する場合はソレをスキャニングしている。紙で型取りする事も可能だが、透明タイプのリタックシートの方が圧倒的に作業は楽だ。
貼った後でフチをカットする場合、心配になるのはカッターキズである。俺はサラリーマンの頃から「人間カッティングマシン」と呼ばれる程の人間だったので、割りと躊躇無くカッターを入れる。で、全く傷を付ける事無く切れるのかというと、必ずしもそうでもない(爆)。が、実際にはほぼ問題にならないレベル。コツは練習して掴むしかないが、ポイントになるのはカッターの刃をコマメに交換する事。デザインカッターの刃は非常にデリケートで、鈍るのが結構早い。自分では切れ味が良いつもりでも、実は結構切れなくなっている事が多い。良く切れる刃で軽―く切ってやった方が、下地を傷付ける事が少ない。

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バイナル・その2

2007-02-24 11:36:58 | 仕事

Imga0983

↑N目君のXLRで初めて坂内2DAYS EDに出た時のグラフィック。本人が目の前にいないのをいい事に暴走。勝手にフレームの不要なブラケットを切断して黄色に塗り、ノーマルマフラーは無断で爆音に改造。仕上げにタンクを塗り替えたかったのだが、さすがにココで良心が咎めて、純正のロゴが丁度隠れる様にマーキングFILM貼り。現在の俺のXR250にも継承される事となる「馬邪」(バハ、と読む)はここで産まれたネーミング。N目君が仕上がったXLRを初めて目の当たりにした時、余りの変わり果てた姿に文句も言えなかった様だ(爆)。

前回はザッと手作業の方法と材料について触れたが、今回はPCでの作業。
デザインとかグラフィックのソフト(動画ではなく静止画用)は大別して二種類。
ドローソフトペイントソフトである。結論から言えばカッティング用のデータを作成する為にはドローソフトが必要になる。

ドローソフトというのは線を引いて作画するためのソフトである。例えば正方形。コレは各角となる四つの点を、線が結んでいる。ペンや鉛筆でコレを書くと、点にも線にも巾が発生するが、ドローソフトの場合は少なくともデータ上では巾は「0」である。画面上では見えなくては意味が無いので、ちゃんと巾がある状態で表現されている。点と線、その位置関係やサイズがハッキリとしており、所謂「図面」と言う物はこの形式である。「ベクトル画像」とも呼ばれたりする。

それに対してペイントソフトは点(厳密には四角)、というかドットの集合体がデータになる。要するに写真の事である。カメラで撮影した写真ではなくイラスト等でも、データ的には写真と同じ物もある。Web上で見掛けるイラストは、ほぼ全てがコレだ。※ベクトル画像がPDFファイルに貼り付けられている事もある。
・ ・・そんな事みんな知ってるか。スミマセン。

参考ついでに言えば、このブログでは時々Illustratorで制作したイラストを使用しているが、アレは全てドローデータとして制作した物を画像(ペイント形式)に変換した物である。※解り易い表現をすれば、画面をデジカメで撮影した様な物。Illustratorのファイルのタブには「Web用に保存」という項目があり、制作したデータを一発でHPやブログ向きに変換可能。

俺が看板屋に就職した時はまだ普及型のWINDOWSが無かった(と、歳がバレる…)。クリエイティヴ関連の仕事ではMacの独壇場。そんな時代背景であったので、使用するソフトは業務用に開発されたカッティング専用ソフト。なのでデザイナーがMacを使って制作したデザインをプリントしてもらい、制作時はもう一度社内のPCでデータを作り直すという、なんとも効率の悪い事をやる事もあった。偶然他社でも同じソフトを使用していない限りは、データの受け渡しという事が事実上不可能だったのだ。
WINDOWS95が発売されてから、国産のPCを取り巻く環境も変わり始めた。業務用ソフトにも改良が加えられ、Macのフォーマットを読み込む為のソフトを入れれば、Macのデータも使える環境が出来始めたのだ。
この頃のWinはMacユーザーからエラくバカにされていた。Adobe(アドビ) Illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)がバージョンアップしても、Win版はMac版よりもかなり遅れてリリースされていたのと、「クリエイティヴワークにはMac」という図式(呪文?)がかなり根強く、「Winは性能が悪いからMacのデータが読めない」という程の言われ方をされていた。世の中も随分変わったモンだ。
WinとMacの優劣については触れないが、俺は合理主義なので完全にWin派である。

Win版のIllustratorが一般化した事で、カッティングシステムに価格破壊が起こり始めた。カッティング専用ソフトが30万円から100万円位の価格帯の中で50万円程度の物が主流であるところを、最近ではカッティングプロッタを買うと、Illustratorにプラグインするソフトが標準添付されてくるのである。IllustratorはCAD的な数値入力に弱いという欠点があるので、我社では業務用ソフトも併用している。だが今現在どんどんカッティングの仕事量は減っているので、いずれは使わなくなる気がしている。

カッティングは「切り抜く」という物理的加工のみなので、一定以上の品質の材料を用いて、セオリー通りの施工をすれば、誰がやっても変わらぬ仕上げが望める(下手な人間がやっても赤いシートが青くなってしまうとかの極端なトラブルは無い)。印刷物に比べてカチッとした見栄えも魅力である。

カッティングマシンでフィルムをカットする場合、ドローソフトのデータにより点と点を結ぶ線の部分を切り抜く事になる。
ステッカー屋さんに切文字(カッティング)ステッカーの製作を依頼する場合はドローのデータがあれば手っ取り早いのだが、ペイントのデータしかない場合はそれをトレースしてドローデータ化する作業が増える事になる。(紙焼きの写真や手書きのデザイン図しかない場合は、スキャニングして画像データ化してから同じ作業をする事になる)

ドローソフトの代表格であるAdobe Illustrator(アドビ イラストレーター)やCorel Draw(コーレルドロー)は、全くの個人がステッカーを作る為に買うのは高い。他に安いドローソフトが無いかと思ってザッと調べてみた(真剣には探してない…スミマセン)。結果、2000円程度のドローソフトやフリーのドローソフトは数点見つかったが、残念ながらIllustratorにコンバート出来るソフトは無い様だ。
強いて言えばJW-CAD。コレは工務店等で好んで使用されるフリーのCADソフトだが、DXFで保存すればIllustratorでも開く事が出来る。ただ、コレで切文字のデザインをするのは至難の業だなあ(爆)。仮に作れたとしても、DXFとIllustratorは完全互換では無い(曲線の形式が異なる)ので、あまり現実的ではない。

もしもステッカー屋さんに切文字ステッカーの製作を依頼時にドローデータの用意が出来ないならば…
第一の手段。ロゴタイプではなく、既成のフォントから製作する場合は、トゥルータイプフォント(TTF)からチョイスし、フォントデータも一緒に手渡しすれば一発である。フォントデータは、Windows系であればコントロールパネル内の「フォント」の項目から引っ張り出せる。
次に、自分で清刷り(きよずり)を作る方法。但しハッキリ言わせて貰うならば、素人がゼロから制作した文字は、まず使い物にならない(スミマセン)。自分ではきれいにできた様に見えても、文字をデザインするにはレタリングの知識と経験が必要である。一発で素人仕事である事はバレバレ。だが、依頼人が書いたデザインというのは、それがいくらヘタクソであっても最も参考になる資料である(表現がひどくてスミマセン)。それに加えて、自分のイメージに近い既存の資料を添付すればバッチリである。

現在主流のカッティングプロッタは、セットしたシートをローラーが前後に動かしながら、その上を刃をセットしたヘッドが左右に移動して動作する。※以前はドラフターの様な形式の物もあったと記憶している。動作スピードは初めて見る殆どの人が驚く位に速く、一般的な大きさ&デザインのステッカー1枚切るのにものの数秒。刃はレーザーとかではなくて、本当に刃物。当然専用の刃であり、1本約3000円。昔はもっと高かった。

Epsn2873

↑手で持っているのは刃のホルダーで、筒状のホルダーのセンターに直径1mm位の刃が入っている。

Epsn2874

剥離紙(セパレーター)は残してシートのみカットするように刃の圧力を調整してある。
コレをリタックシートで拾って、貼りたい面に施工する。コレはトイレのピクトサイン。

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バイナル・その1

2007-02-21 20:49:19 | 仕事

我社は看板屋である。
なので当然カッティングプロッタがある。また、近年になってほぼスタンダードと呼べる存在になってきたと言える大型のインクジェットプリンターもある。
ステッカー屋ではないので平常はあまりホイホイとは受注しないのだが、時々は作る事もある。
この辺に関して能書きをタレてみる。

Img040

俺が昔乗っていたDT200WR。この頃はまだ会社員であったが、少しずつシートを貰って帰り、コツコツと殆ど全てを手切りで加工した物。

そもそも俺が看板屋に就職したのは、実はバイクがキッカケであった。バブル期に普及型のカッティングマシンが発売されて(それ以前にもあったのだが、極端に高価であった)、それまで文字を手で書いていた看板屋さんに途轍もない変化が訪れた。なにせ機械に入っている書体を使用すれば、全くの素人でもきれいな文字を製作できてしまうのだ。カッティングシステムは一般向け雑誌等のメディアにも紹介され、高い注目を浴びる事になった。で、脱サラしてカッティングシステムを購入、ステッカー屋や看板屋を始める人が急増。俺が若かりし頃(今でも若い)に看板屋に就職したのは、そんな時代であった。ちなみにこの頃のカッティングシステムはミニマム構成(プロッタの巾が狭く、PCも最低限の物)で200万円程度だったと記憶している。

Imga2422

↑話は逸れるが、手書きの寿司屋の札。最近ではこんな事をやっている看板屋はかなり少数派。

その当時、カッティングマシンを使用しての一般向け商売としては、もちろん車やバイク業界が最大のターゲットの一つであったと思う。実際にバイク雑誌でもカッティングマシンなる物が紹介されており、俺も看板屋に就職する前からカッティングマシンの存在を知っていた。
勿論看板屋に就職しようと思った位なので、物を作るのが好きであり、それまでもクリエイティヴな道を歩んで来ていた。
ホームセンター等で「カッティングシート」が売られており、手作業でステッカーを作っていた。方法は・・・
①原稿を用意。コピー機で資料を拡大縮小するのが楽。手で書いた物でも良い。※追記:肝心な方法を忘れてた。PCでデザインしてプリントアウトした物が一番良いですな。
②デザインボンド(原稿用のスプレーボンド。昔はミツワのペーパーセメントなんてのも使っていたが、若い看板屋さんは知らねえだろうな)で原稿をカッティングシートに貼る。
デザインカッター(アートナイフ)で剥離紙は切らないように、原稿諸共カッティングシートを切る。
⑤不要な部分をめくる。
④アプリケーションシート(リタックシート。幅広の紙テープでも良い)で文字を拾い、施工面に貼る。

Epsn2867

この手順は決まりという訳ではないので、アレンジも可。何ともアナログな方法だが、未だに我社でもやる場合がある。極端に急いでいる時や外現場で製作せねばならない時などはこの方法だ。

ちなみに「カッティングシート」というのは中川ケミカルというメーカーがリリースしている商品名であり、一般的にはこの呼び方が定着してしまったようだが、我々プロが「カッティングシート」と呼ぶと直接「中川ケミカルのカッティングシート」を指す。何故かというとこの商品は「屋内装飾用」だからなのである。
では我々が何と呼んでいるのかというと、単に「シート」とか「マーキングフィルム」、「フィルム」等等・・・。人によっても異なるし、各会社や地域性もあろう。
シートには大別して二種類。屋外用屋内用だ。この二種類が最も異なるのは糊。屋外用は感圧型粘着フィルム等と呼ばれる事もあるのだが、その名の通り圧力を加えなければしっかりと接着しない。屋内用は救急絆創膏の様な糊で、被着体に触れた程度で接着してしまう。だが夏場で気温や表面温度が上がると糊がダラダラになってしまい、貼っておいた文字がズリ落ちてくる(ホント)。
よく言われる「褪色性(色アセ)」だが、屋内装飾用フィルムでも良質の商品であれば1~2年程度は屋外でもそれなりに使用できる。※車のボンネットとかの条件の悪いところではキビシイ。

もう一つ良く言われるフィルムの厚み。「薄い方が良い」と思われている節があるが、必ずしもそうではない。あくまで「必ずしも」ですゾ。
マーキングフィルムは一層の物、二層の物、三層の物とあり、層が増えれば当然厚みも増す。一層品で大体0.08mm、三層品で0.12~0.18mm(目安値)。薄い方が上からクリヤーを掛ける場合に有利。また、人間の目は非常によくできていて、細かい文字を分厚いシートで製作すると凸文字に見えてしまうのだ。当然分厚いとワックス等が残りやすいし、汚れも溜まる。爪なんかで引っ掛けて痛めてしまう可能性もある。フォーミュラーカー等ではステッカーの厚みも空気抵抗になるのだそうな。ところが、分厚い方が有利な事もあるのだ。例えば下地の隠ぺい力。又は色の深み。この為に三層品なんて物があるのである。
「分厚いと曲面に貼り難いのでは・・・」という声も聞こえてきそうだが、コレはハッキリ言えば「ノー」だ。誤解無きように書き添えれば、全く同質だが厚みのみ異なるフィルムを比べれば、ある意味では薄い方が良いと言える。が、曲面追従性の良否は実はフィルムの製造法の違いに因るところが大きいと言えるのだ。代表的な製造法には二種類あり、キャスト方式カレンダー方式である。この場では製造法の解説は避けるが、この二種類を比べると圧倒的にキャスト方式で製造されたフィルムの方が柔軟性に富んでいる。コスト高なのはキャスト。我々も一定以上のクオリティが求められる仕事ではキャスト製品を使用するが、近年のカレンダー製品の品質がかなり向上している事もあり、一般的な内容の仕事ではカレンダー製品を使用するのが普通だ。ちなみにキャストはどちらかと言えば薄目の場合が多く、カレンダーは厚目の場合が多いと言える。

マーキングフィルムはその殆どが塩ビ(ポリ塩化ビニール)で製造されている。焼却すると塩素ガスを発生するので、近年は「オレフィン」という素材が使われつつあるが、マーキングフィルムとして使用するには根本的な欠点がある為、本当の意味で素材が入れ替わるのは当分先であろう。
一般的に使用されているマーキングフィルムでも、ミラータイプの物に限っては、一部の例外を除いてポリエステル・アクリル樹脂である。ちなみに絶対という訳ではないが、ミラーやヘアラインのフィルムは樹脂素材には貼れない。物理的には施工可能なのだが、後々問題を生じるケースが多い。マトモな三次曲面にも施工は困難である。それとよく言う「水貼り」は水分が抜けないので基本的には不可。
またウインドウガラスに貼るスモーク等のフィルムは、その殆どがPETである為に曲面追従性が低い。リヤガラスに貼るときに熱線に沿ってカットしてジョイントするが、もしも塩ビであるならば1枚貼りが可能である。

メジャーなマーキングフィルムメーカー・()内は代表的商品。各説明は俺の個人的な意見。
3M(スコッチカルFILM)
・・・最右翼ブランド品。性能は確かでニーズに合わせた商品が魅力なのだが、独特の販売体系によって価格が高く、コストパフォーマンスに劣る。
中川ケミカル(タフカル)
・・・国産ブランドの古参。あまり進化していないイメージがある。カラーチャートによるラインナップは非常に便利。
セキスイ(タックペイント)
・・・建築や設計サイドから現場に参入し、今や完全なスタンダード。環境対策にも熱心。
桜井(ビューカル)
・・・昔は結構な勢いだったが、時代に合わせるのを失敗した感がある。品質は高いが「スターメタル」という商品以外は特に使う理由が無い。
東洋インキ(ダイナカル)
・・・正に不景気のお陰でのし上がったと言える。以前は評判が悪かったが、現在は人気が高い。
ニチエ(ニチエカル)
・・・ここ数年で知名度が一気に上がった。感覚的に東洋インキに近い物を感じる。
IKC(ルミカル)
・・・プアマンズ3M? アイデア商品が豊富。結構好きだが、突然廃盤にするのは如何な物か。
ニチバン(ニチカラー)
・・・非常に発色の良いフィルムが多く、根強いファンが多い。

この話、かなり長く続きそうだな・・・。一応要点だけ掻い摘んでるつもりなのだが。

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ペーパーレス化に取り組んでいます

2007-01-23 11:26:20 | 仕事

どんな仕事でもそうだと思うが、どうしても書類が必要になる。
例えば経理書類、コレは法律でデータでの保存は認められていないので、PCで書類作成した場合でも必ずプリントアウトしなければならない。
お客様にお渡しする資料もそう。最近はメールでのやりとりも多いが、直接会って話しをする場合は資料を紙面で作成せなばならない。
FAXも紙の無駄遣いの一因になり得る。仕事上の連絡・・・特に材料の発注等の場合は、証拠を残す必要もあるので比較的小額の場合は(契約書が不要な金額という意味)FAXが主流だ。
我社は看板屋なので、デザイン図面の紙が多い。PCで作成したデザイン図面をプリントした際に色等が意図したものと違ってしまっている場合は調整して再印刷となるので、ここでも無駄を生じる。
実製作でも紙を使う。例えば原寸。加工の下書きとして1m巾*100mのロールペーパーをかなりの量使うし、粘着FILMのセパレータ(剥離紙)もとんでもない量がゴミとなる。またFILMのロールの芯が紙製である。しかも10m巻きの製品は個々に段ボール箱に入ってくる。

地球のために・・・とまで御大層な事は言わないが、コレでは精神衛生上宜しくない。大体からして管理する自分も大変だ。

ダンボール箱やロール芯に使われる紙管は当然リサイクルである。
その他の雑紙はどうしたら良いのか? たまたま我社は地元優良企業の資源リサイクル業の会社と取引があるので、分別や処理について問い合わせてみたところ、直接リサイクルできない紙でも火力発電の固形燃料の原料として活用できるらしい。

勿論、問題の紙を使わないのが一番の解決策である。
インターネットの接続がまだダイヤルアップだった頃は、FAXはPCからモデムで直接送っていたが、その後ブロードバンド化で使えなくなった。
その頃ソースネクストから「いきなりPDF」というアプリケーションが発売された。たまたま雑誌の紹介記事を目にして、その日の内に入手。印刷機能のあるソフトのファイル(例えばWordやExcelも)であれば全てPDFに変換できる。
元々商売柄アドビ製品を使っているので、その便利さは良く知っていた。
コレで見積書などはメールで送る事ができる。※Excelでパスワードを掛けて送るという人も身近にいる。また、メールに添付する形ではなく、本文に金額を書き込んでくる人もいるが(メール本文としては改ざんできないので)そのままデータとして保存できないので不便。

だが、頻繁にメールをチェックしない人もいる。時間制限のある連絡の場合は未だFAXの方が主流だ。
で、先日ブラザーの複合機を買った。USB接続により、FAXは受信も発信もPCから行える。受信した物はデータとして保存できるのだ。

コレはありがたい。

で、本日初めてFAXをPCから発信してみた。お客様の所に見積書を送った。心配だったので電話して確認・・・A4を1枚送っただけだったのに、レイアウトが紙からはみ出して4枚届いているらしい。我社は紙の節約をできたが、先方は損をした事になる。トホホ・・・。

仕事では塩ビを使う。ディーゼル車2台使っているし、デカいバイク、2st車にも乗る。オマケに用もないのに走り回る。そうやって考えると、俺は相当環境に悪い男だぞ。なんとかしなきゃ。

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