レースと言っても本格的なものじゃなくて、ユルいローカルレースね。
桑名にあるGONZOPARKで行われる「中部カップ」というレースで、中部BMX協会が主催するナイターレース。ストライダーなどのキックバイクから大人の初心者までおり、エントリーは当日のみ。とてもユルいイベントである。正吉君は過去に何度か出場したことがある。
GONZOPARKは正吉君が育った場所で、年中さんの頃から毎週のように通っていた。
正吉君は2年半ほど自転車には乗っていないし、所有する16インチのREDLINE PITBOSSもそろそろいい加減小さすぎる。レースは完全にオチャラケのつもり。
でも何かしらヒントになることもあるだろうし、BMXライダーのシャカリキぶりを見て、何かを感じ取ってほしいなあというのが狙いなのである。
全くのぶっつけ本番では厳しいだろうという事で、17時からの受付の所、14時くらいに現地に乗り込んだ。正吉君よ、3時間でコツをマスターするのだ!!(笑)
プッシュ(ブランコのような動作でペダルを漕がずに下り坂で加速する、BMXの基本中の基本)を忘れてしまったようで、最初のうちはまるで話にならず。
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モトクロスの場合は似たような動きや同様の効果を狙うテクニックはあるけど、プッシュという概念は無いし、やらなきゃやらないで走ることはできるからね。
KYな正吉君だが、しばらくして自分が場違いなところに来たという事は薄々感じ始めたようだ(笑)。
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さて、レースである。
レース用のBMXは、一部の例外を除いて「子供から大人までホイール径が20インチである事」が基本となる。
これは元々、子供がモトクロスを真似して子供用の20インチ自転車でレーストラックを走ったことが原点になっているため。
20インチは大人にとっては小さく、自転車に乗り始めたばかりの小さな子にとっては大きい・・・ここがBMXレースの最大のポイントの一つね。
16インチや12インチのBMXは、大人が20インチに乗るのと同様の感覚を子供向けにサイズダウンした自転車で味わおうとするようなもの。レース以外のシーンではこちらが主流となる。
正吉君のREDLINE PITBOSSは16インチ。16インチBMXはフリースタイル向けが多い中、これだけはレーサー的な構成となっている。今回出場できるレースは、16・18インチクラスとなる。16インチは正吉君一人だけで、他の子は全員が18インチだった。もちろんホイールが大きい方が有利。
なんと3本の予選と1本の決勝、合計4回も走らなければならない(驚)。
走る前は「ビリに決まっとるわ」とか「ビリでもいいから頑張って走れ」とか言っていたのだが、4本全て1位で総合優勝という結果になった。
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「スゲェじゃん!!」と言いそうになるけど、実は全然スゴくない(笑)。
種明かしをすると…。
他の子全員が乗っていた18インチBMXというのは、「マイクロミニ」という特殊なもの。20インチレーサーに乗ることができない小さな子が乗るためにHAROというメーカーだけがリリースしている特殊なサイズのレーサーである。
正吉君だけが3年生で、他の子は推定1年生以下。いくら不利な16インチとはいえ、インチキのようなものになってしまった。
以前は中部カップにもレース派ではない16インチライダーが出場していたので、今回もいるだろうと思ったのだが、他はレーサーに乗っているライダーばかりだった。
うーん、さすがにBMXまではお金が回らないから、ギヤチェンジ付きで普段使いもできるようなダートジャンプMTBでも買ってやろう。
すぐにはムリだけど(笑)。
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かなりのショートギヤで、ずっと鬼漕ぎをしていたので足が攣って泣きべそをかいていた。
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GONZOPARKは「スポーツマジック桑名」という集合施設内にあり、ナイター設備がある。
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MCは中部地区のBMX界を牽引する塚原選手。
本業は保険屋さんなのだが、ウチの会社の保険屋さんと仲がいいらしい。
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暗い中で動くものを撮影するのは、本当に難しい。失敗作ばかりだった。
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モトクロス界とBMX界は、似ているようでかなり異なる。
俺がこの2つの世界の最大の差と感じている事、それはBMX界は「縦割り」であるということだ。
世代を問わず交流があり、成人で全国レベルだとかレジェンドと言われる存在であっても、小さな子たちにすら友達のように接する。
競技人口が少ないので、全員と仲良くしなければ自分の走るステージすら無くなってしまうし、バイクのような排気量差もないから年上の方が速いとは限らない。
バイクの場合はマシンを整備するふりをして他人と話をしないという作戦も取れるけど(笑)、自転車だと施設内で整備をすることは稀だし、音がしないので誰かと話をしないと間が持たない。
逆に整備ばかりしていると、他の人が心配してくれて、寄ってたかって助けてくれるような世界なのだ。
期待通り、正吉君がBMXをやっていた頃の同じ名前&同じ歳のライバルの子も来ていた。
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彼はずっとBMXをやっているのでその差が歴然なのは当たり前だが、それ以上に彼には強いセンスがある。現在全日本ランキング3位、過去にはランキング1位で表彰を受けたこともあるほど。必ずや今後、日本を代表する選手になるだろう。
しかし、久しぶりに会ったら、コケた時のリアクションとか、キャラが全く変わっていないのには驚いた(笑)。
今回戸惑ったのは、モトクロスのレースとは、あまりにもリズム感が異なる事。
BMXのレースは1本走行当たり1分未満で終わってしまうほど短い。今回は全6クラスのレースなので、多少のタイムロスがあったとしても10分くらいで次の順番が回ってくる。1回走り終わったらすぐにスターティングエリアに戻ってきて、列の後ろに並んで待っていなければならない。4本の走行は1時間くらいで終わってしまうのだ。2回ほど呼ばれていたのに気が付かなかった(笑)。
レース前にしばらく「溜め」があり、午前1回午後1回しか走らないモトクロスとは勝手が違うね。
自転車界のレジェンドカメラマン、dsk24氏。
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カメラマンといってもアマチュアね。彼のスゴいところは、自身もBMXライダーでありレースに出場しながら、自分が走る以外のプログラムの全てを写真に収めるところ。そしてBMXというカテゴリーには縛られず、ロードやクロスバイク、ダウンヒルなど行ける限り全てのイベントに赴いて写真を撮り、ネット上に無料で掲載しているところにある。
写真の腕どうこうではなく、写真を見るだけでも「俺は自転車が好きなんだ!!」という想いがとても伝わってくる。今の俺はある意味では彼を手本にしているのだが、レベル的には彼の足元にも及ばない。彼はきっと暇なのだろう(ウソです、ゴメンチャイ笑)。
寝そべる事が多いようなので、間違って踏まないようにだけは気をつけていただきたい(笑)。
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そういえば彼は以前、馬小屋のレースにも写真撮影に来たことがあったはず。(この時は我が家はいなかった)撮影中にバイクに突っ込まれるという伝説を残している(笑)。
表彰式のジャンケン大会での景品がスゴすぎる。なんと新車の自転車!!
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この日はこの後で風呂に入り、モトクロスランド多度へ移動して車中泊。
翌日早朝は多度大社へお参りに。
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珍しく正吉君が、自分のライディングの感想を口にした。
「昨日自転車に乗っておいて良かった!」だそうだ。
確かに全体的に腰を引いて乗るようになっていた。
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この日は荷物の関係で50ccの練習車1台しか持って行かなかったのだが、練習車は本番車と比べて個体差で調子が悪い。本番車と全く同じセッティングにしても、濃いようでボコボコ言って走らない。
何故かやたらペースが遅いと思ったら、バキッと音がして停止。
なんとリヤホイールのディスタンスカラーの取り付け忘れで、ベアリングが粉砕していた。
TT-Rのホイールベアリングは嵌め合いクリアランスがスカスカで、ホイールを取り外すと落っこちる。一緒にカラーが抜け落ちたのに気が付かなかったのだろう。
それにしてもいつからだ?
前回の馬小屋の前日練習の後か、この日のスプロケット交換時か・・・。