THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

バイナル・その4

2007-02-28 21:44:50 | 仕事

Img041

↑写真の日付は1994年9月15日となっている。12年半前か。ライダーは俺。わわわ、若い・・・。お顔はトリムしときました(笑)。もうバトルスーツ着てる。それにカットオフ、恥ずかしい。何気に林道なのであります。しかも普通ならばVmaxでは行かない(行けない)様な所なのであります。結構Vmaxで林道に走りに行っていた。この話はいずれ・・・。
で、このVmaxは何故か茶色いのだが、塗装では無い。エアダクトを除く外装部品に全面木目調フィルムを貼ってあるのだ。実際にコレを貼ったのはこの日付より1年以上前だったと思う。この写真は木目調の末期の頃。で・・・。

Img043

Sidecover

↑1995年春頃(多分)にはこうなっていた。ベースからグラフィックまで全て手作業のカッティング。一箇所異常に凝りまくった部分があったのだが、拡大写真が残ってなかった。残念。
ちなみにどういう風に凝っていたのかというと、俺のトレードマークであるカブトムシ=MetalBeetle(カブトムシにVmaxのエンジンを組み合わせたイラスト)を手作業でカッティングした物なのであります。トレードマークの画像はこのブログの何処かにありやす。

フィルムの貼り方について。コリャステッカーなんかにも応用できるので、当ブログとしては珍しくパブリックな記事である・・・かも(爆)。
まず工法には二種類、ドライウエット
その名の通りドライは何も付けずに乾いた状態で施工する事であり、ウエットは粘着面に水分を与える事。「水貼り」とも呼ぶ。
まず真っ先に明記しておくが、基本はドライである。ウエットは、本来使わない筈の物を「便宜上」使う、と考えた方が良い。

手順の説明はウエットから。
ドライだと粘着面が被着体に触れた時に「ピチョッ!」とくっついてしまうので、この敏感な粘着力を鈍らせる為の方法である。
一般論としては、、、
霧吹きを用意し、水を入れる。中性洗剤を数滴たらし、粘着面と被着体にスプレー。水が付いているので位置を決めるのに何度もリトライ出来る・・・・位置を決めたらスクイジで水を押し出しつつ圧着。
この方法は実際に俺自身も仕事でやる事が多い。が、問題は中性洗剤を使う所である。不純物を粘着面に与える事になるのが問題なのである。この方法で施工するとしたら、可能な限り中性洗剤の量を減らさなければならない。
中性洗剤は「マ○レモン」等の「手に優しい」成分が多く含まれている物は避け、可能な限り純粋な洗剤を選ぶ。量の目安は、被着体や粘着面に吹き付けたときに弾かないギリギリの量。真水だと水滴は玉状になるが、洗剤を入れるとベターッと濡れる。ちょっとずつ洗剤を足して、弾かなくなった瞬間の量が良い。(洗剤のブランドにより、量にバラつきがある)洗剤を入れすぎると、FILM材料設計時の粘着力が得られないのである。
ウエットでの施工は、置いた後で位置調整が可能というのがメリットなのだが、その他「平均的な圧着力が得られる」というのも大きい。なので、ガラスFILMなんかはウエットの方が良いのである。
どんなに水を押し出そうとしても僅かには残ってしまうのだが、その水分は何処へ行ってしまうのか? 実はFILMはサランラップの様に呼吸しており、少しずつFLIMを通り抜けて蒸発するのである。洗剤入りの水を使用した場合、基本的に洗剤の成分は抜けないので、もしも洗剤を一定量以上混ぜたとすると粘着力に影響が出てしまう。なので、極力洗剤の量は減らさなければならない。場合によっては洗剤を入れずに単なる水を使う場合もある。
気をつけなければならない事がある。ミラータイプやヘアライン調のFILMは水分や空気を通さない。ウエットで貼ると水分が抜け切らずに残ってしまうので、ドライで貼らなければならない。加えて樹脂素材に貼る場合、樹脂は製造直後から暫くの間アウトガスを発生する素材がある為(素材にもよる)、最初にキレイに貼っても後で勝手にエアが入ってしまう事がある。経年後安定した状態ならば大丈夫であるが、ポリカーボネートだけは何年経ってもダメ。ミラータイプではない普通のFILMですら貼れない。(※中にはFILMを貼る為に表面処理した物もある)

ドライで貼る場合はウエットの時のように簡単に位置合わせをし直したり、一度くっつけた物を何度も剥がしたりくっつけたりの繰り返しができないので、不慣れな人がサイズの大きい物にいきなり挑むのは危険ではある。
ここでプロフェッショナルの俺が人に教える(新人教育等)時に伝授する秘技?を紹介。

1

↑この二枚のカット、何処が異なるのか?というと…。※判り難いかもそれないが、ガラスに貼り付けている。
右の写真では粘着面の中央付近が一番貼り進んでいるのに対し、左の写真では逆でフチの方が貼り進んでいる。

2

↑右は上手く貼れたが、左は最後に皺が入ってしまった。
右の場合は、自動的にシートを外側に引っ張りながら貼っている事になるが、左の場合は作業を進めるに連れて本来のシートの巾よりもどんどん狭くなっていく事になり、最終的に中央付近のシートが余ってしまう。余ったシートの逃げ場は既に無いので、皺が寄ってしまうのだ。※一応リカバリーする方法はある
コツはこれだけ。強制的に右の写真の状態を作り出してやればいい。※写真は解り易くするために、かなり極端にやっている。
コレが三次曲面であっても基本は変わらない。あとはその基本を如何に応用するかだけだ。話はまだまだ続くのだ・・・。

全然話は変わるが…。
先日「日本ブログ村」のLINKを本文に貼り付けたところ、ランキングが不自然に急上昇してしまいました(爆)。つっても大した順位では御座らん。興味のある人は見て下され。俺のブログよりも面白いのが結構ありますぜ。↓↓↓↓

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バイナル・その3

2007-02-26 21:30:19 | 仕事

Imga0928

Imga0925

↑「バイナル」と呼ぶにはちとキビシイですが…。カマロのGTライン。シルバーの部分をFILMで施工。一見平面に見えるが実は結構三次曲面。アメ車のバイナルはかなり施工経験があるが、何故???撮った記憶はあるのに写真が出て来ない。

正直言って看板業界というのはテクノロジーの進化が遅い
その理由の一つに「単品製作である」という事があると思われる。
「○○商店」とか「ラーメン○○」といったそれぞれに異なる屋号を入れなければならないので、それに対応する為には小回りの利く業者がそれなりの数だけ必要になる。勿論現場の状況も個々によって異なる。つまり施工方法や製作する物、それに対する金額、クオリティやサービス等の一元化や明確化を計るのが著しく困難なのである。従って、各仕事内容を直接比較する事が不可能であり、悪徳業者(笑)の存在も否めない。
現実に一言で「看板屋」と言っても、筆で文字を書くだけで収入を得ている看板屋さんから(最近はほとんど皆無)、最新機器をどんどん導入して目新しさで勝負する看板屋さん、電飾等の一種類に特化してしまう看板屋さん、我社のように何でも屋の様な看板屋さんまで多者多様である。

で、最新機器を導入すると安くて良い仕事ができるのかというと、そうでもない所が問題なのである。規模の大きい物件を全てカッティングで施工したとすると、当然材料代も多く掛かるので見積も高くなる。
例えばその見積が100万円だったとする。お客さんとしてはそこまで予算を掛けられない・・・「何とか50万円でできない物か?」・・・材料はランクを落としてギリギリの所なのでもう無理。ところが我社では50万円でできてしまうのである(金額はあくまで例えばの話)。どうやるのかというと、最も基本的な技術に立ち返り、筆を使った手作業で文字を書くのだ。塗料代などはシート代に比べれば僅かな物だし、事前準備が不要なので工期もかなり短くて済む。業界が不毛化している原因の、典型的な例の一つである。
あくまでこれは単なる一例に過ぎない。他にも、必ずしも新しい物が受け入れられる訳では無い事が数多く存在する。

俺は設備投資には積極的な方なので、最近カッティングに替わってスタンダードになりつつある、溶剤インクの大型インクジェットプリンターも当然のように使っている。
が、正直この機械は「看板屋を堕落させる機械」だ。機械に頼る事によって本来の技術も失いかねないし、これを使ったところで必ずしも質の高い仕事が出来るわけでもない。
当然手作業やカッティングでは表現できない事がいとも簡単にできてしまうので、手法の一つとしては必要なシステムであるが、あくまで本来の技術やセンスを備えた上で機械を稼動させるべきである。街中でもレイアウトやデザインの悪い看板を良く見掛ける。機械があっても技術やセンスがなければ良い仕事はできない。

スミマセン、相変わらず前置きが長い。
さて、俺も随分悪者扱いしているインクジェット(以下IJ)だが、バイクではなんだかんだ言って結構使っている。
オンロードバイクの場合、特にカウルの付いた物では、一部の小僧等を除けば(スミマセン)塗装(ベース塗装)が施されるので、タイヤメーカーやオイルメーカーとか、スポンサーや好きなブランドのステッカーを貼る場合、その殆どの場合はカッティングステッカーの方が向いていると思われる。
オフロードバイクの場合は樹脂部品に直接貼り、装飾としての機能に加えて外装部品のプロテクトを兼ねるケースが多いと言える。故にカッティングタイプよりも、FILMに直接グラフィックが印刷された物の方が向いていると言えるのである。

Shroud

↑俺のXR250のシュラウドのグラフィックの変遷(笑)。上から古い順で現在は一番下。最初からモノクロっぽいのをイメージしただけに、上の二つが気に入っている。嫁さんが「目立たない」というので、ポリシーを曲げてカラフルにしている。

Other

↑その他のグラフィック。「DUNLOP」だけはカッティングで施工。サイドカバーのカーボン調シールもIJで表現してある。一番上のはバーパッド。コレを製作しているバイナル屋さんは少ないだろうと思われる。ターポリン(厚手のビニール生地)に出力後に縫製している。テスト段階であるが、あまり良い結果は出していない。一定以上安ければ売ってもいいかな…。

近年では普及型大型インクジェットの導入が一般化しており、いわば一頃のカッティングマシンの様な存在。バイナルの専門ショップも数多く見受けられる。近所のバイク用品店にも在庫されているが、手にとって見た物は恐らく我社の機械と同じ機械で出力している。グラフィックを印刷する場合、IJではグラデーションや写真の表現が容易であり、物的な版下が存在しない(データが版下となる)ので少量生産が可能というメリットがある。
対して昔からグラフィックキットとして店頭にならんでいる輸入品は、シルク印刷かそれに類する製法にて作られているようだ。シルク印刷は簡単に言えば「プリントごっこ」。(※PCの普及で完全に廃れたと思われる) 一色ずつ別の版下が必要で、グラデーションを必要とする場合はドットによる表現となる。だが、IJに比べると発色が鮮やかで、耐久性に於いてもメリットが大きい。

前出の、近所のバイク用品店に在庫されていた物は、その他の対応車種ラインナップを見ると全てトレールの様だ。で、包装の上からジックリと見た限りでは、一般的なフィルムに出力してある様に見受けられる。
俺のXR250は既にシュラウドのデカールは4セット目、リヤフェンダーのデカールは2枚目。毎回マテリアルを変更してテストしてきた。少なくとも俺がテストした限りでは、我社が仕事で使っているフィルムでは耐久性が今ひとつであった。粘着力と曲面追従性において疑問が残る形となった。一応企業秘密(笑)なのでマテリアルの明言は避けるが、現在使用中の物はそれなりの結果を出している。

ちなみにIJにてデカールを製作する場合や、カッティングでも比較的大きな面積を貼る場合は、事前に型を取って正確な形状に加工する方法と、大き目のフィルムを貼った後にフチをカットする方法とある。
型を取る場合は、俺は透明タイプのリタックシートを貼り、マジックでアタリを付ける。データ化する場合はソレをスキャニングしている。紙で型取りする事も可能だが、透明タイプのリタックシートの方が圧倒的に作業は楽だ。
貼った後でフチをカットする場合、心配になるのはカッターキズである。俺はサラリーマンの頃から「人間カッティングマシン」と呼ばれる程の人間だったので、割りと躊躇無くカッターを入れる。で、全く傷を付ける事無く切れるのかというと、必ずしもそうでもない(爆)。が、実際にはほぼ問題にならないレベル。コツは練習して掴むしかないが、ポイントになるのはカッターの刃をコマメに交換する事。デザインカッターの刃は非常にデリケートで、鈍るのが結構早い。自分では切れ味が良いつもりでも、実は結構切れなくなっている事が多い。良く切れる刃で軽―く切ってやった方が、下地を傷付ける事が少ない。

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脱力

2007-02-24 23:35:57 | チョイ毒エッセイのようなもの

某プロカメラマンN氏が「暖冬のために封鎖されていない坂内に行ってみる」・・・との事だったので、坂内オーソリティ(笑)の俺としては是非とも行ってみたい。

んな訳で、バラしたまま放りっぱなしのエンジンを、とりあえずノーマルピストンで組もうかと思って夜9時半頃作業開始。丁数を照合しつつMD30のミッションをME08のクロスミッションに入れ替える。
15分位作業したら携帯にTEL。21時49分。某プロカメラマンから。
「明日行きます? 行きます? 行きます?
既にこんな時間だし、今始めたばっかりだし、しかも実は風邪をひいている。
「行けるかどうか分かんが、とりあえずやってみる」
と答えるも、なかなか電話を切らしてくれねえ(怒)。

チョイ長電話が終わって作業再開。
22時39分。丁度クランクケースを合体させようとした所で携帯にTEL。またも某プロカメラマンから。
「急な仕事が入り、行けなくなりました。」

Epsn2877

・・・・作業オワリ。
二基のエンジンの部品がゴチャ混ぜ。最近は悲しいかな、ネジ一本目の前に置かれても、何処のネジか判る様になってしまった。アンチホンダな俺は何処へ行ったのか。
だが、サスガにXR系にはかなりの想い入れが出来てしまっている。あんなに嫌いだったのだが・・・。
XRイジリで狂ってしまったのか、俺はまた別の嫌いなバイクを物色している。どうなるか判らないので当分はヒミツ。

風邪ひいてるので、一人で坂内には行く気にはならん。明日は娘たちと「Yesプリキュア5」(ツマラン)と「おねがいマイメロディ」(大人が見ても何故か不可解、オススメです)を見て、その後仕事します。

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バイナル・その2

2007-02-24 11:36:58 | 仕事

Imga0983

↑N目君のXLRで初めて坂内2DAYS EDに出た時のグラフィック。本人が目の前にいないのをいい事に暴走。勝手にフレームの不要なブラケットを切断して黄色に塗り、ノーマルマフラーは無断で爆音に改造。仕上げにタンクを塗り替えたかったのだが、さすがにココで良心が咎めて、純正のロゴが丁度隠れる様にマーキングFILM貼り。現在の俺のXR250にも継承される事となる「馬邪」(バハ、と読む)はここで産まれたネーミング。N目君が仕上がったXLRを初めて目の当たりにした時、余りの変わり果てた姿に文句も言えなかった様だ(爆)。

前回はザッと手作業の方法と材料について触れたが、今回はPCでの作業。
デザインとかグラフィックのソフト(動画ではなく静止画用)は大別して二種類。
ドローソフトペイントソフトである。結論から言えばカッティング用のデータを作成する為にはドローソフトが必要になる。

ドローソフトというのは線を引いて作画するためのソフトである。例えば正方形。コレは各角となる四つの点を、線が結んでいる。ペンや鉛筆でコレを書くと、点にも線にも巾が発生するが、ドローソフトの場合は少なくともデータ上では巾は「0」である。画面上では見えなくては意味が無いので、ちゃんと巾がある状態で表現されている。点と線、その位置関係やサイズがハッキリとしており、所謂「図面」と言う物はこの形式である。「ベクトル画像」とも呼ばれたりする。

それに対してペイントソフトは点(厳密には四角)、というかドットの集合体がデータになる。要するに写真の事である。カメラで撮影した写真ではなくイラスト等でも、データ的には写真と同じ物もある。Web上で見掛けるイラストは、ほぼ全てがコレだ。※ベクトル画像がPDFファイルに貼り付けられている事もある。
・ ・・そんな事みんな知ってるか。スミマセン。

参考ついでに言えば、このブログでは時々Illustratorで制作したイラストを使用しているが、アレは全てドローデータとして制作した物を画像(ペイント形式)に変換した物である。※解り易い表現をすれば、画面をデジカメで撮影した様な物。Illustratorのファイルのタブには「Web用に保存」という項目があり、制作したデータを一発でHPやブログ向きに変換可能。

俺が看板屋に就職した時はまだ普及型のWINDOWSが無かった(と、歳がバレる…)。クリエイティヴ関連の仕事ではMacの独壇場。そんな時代背景であったので、使用するソフトは業務用に開発されたカッティング専用ソフト。なのでデザイナーがMacを使って制作したデザインをプリントしてもらい、制作時はもう一度社内のPCでデータを作り直すという、なんとも効率の悪い事をやる事もあった。偶然他社でも同じソフトを使用していない限りは、データの受け渡しという事が事実上不可能だったのだ。
WINDOWS95が発売されてから、国産のPCを取り巻く環境も変わり始めた。業務用ソフトにも改良が加えられ、Macのフォーマットを読み込む為のソフトを入れれば、Macのデータも使える環境が出来始めたのだ。
この頃のWinはMacユーザーからエラくバカにされていた。Adobe(アドビ) Illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)がバージョンアップしても、Win版はMac版よりもかなり遅れてリリースされていたのと、「クリエイティヴワークにはMac」という図式(呪文?)がかなり根強く、「Winは性能が悪いからMacのデータが読めない」という程の言われ方をされていた。世の中も随分変わったモンだ。
WinとMacの優劣については触れないが、俺は合理主義なので完全にWin派である。

Win版のIllustratorが一般化した事で、カッティングシステムに価格破壊が起こり始めた。カッティング専用ソフトが30万円から100万円位の価格帯の中で50万円程度の物が主流であるところを、最近ではカッティングプロッタを買うと、Illustratorにプラグインするソフトが標準添付されてくるのである。IllustratorはCAD的な数値入力に弱いという欠点があるので、我社では業務用ソフトも併用している。だが今現在どんどんカッティングの仕事量は減っているので、いずれは使わなくなる気がしている。

カッティングは「切り抜く」という物理的加工のみなので、一定以上の品質の材料を用いて、セオリー通りの施工をすれば、誰がやっても変わらぬ仕上げが望める(下手な人間がやっても赤いシートが青くなってしまうとかの極端なトラブルは無い)。印刷物に比べてカチッとした見栄えも魅力である。

カッティングマシンでフィルムをカットする場合、ドローソフトのデータにより点と点を結ぶ線の部分を切り抜く事になる。
ステッカー屋さんに切文字(カッティング)ステッカーの製作を依頼する場合はドローのデータがあれば手っ取り早いのだが、ペイントのデータしかない場合はそれをトレースしてドローデータ化する作業が増える事になる。(紙焼きの写真や手書きのデザイン図しかない場合は、スキャニングして画像データ化してから同じ作業をする事になる)

ドローソフトの代表格であるAdobe Illustrator(アドビ イラストレーター)やCorel Draw(コーレルドロー)は、全くの個人がステッカーを作る為に買うのは高い。他に安いドローソフトが無いかと思ってザッと調べてみた(真剣には探してない…スミマセン)。結果、2000円程度のドローソフトやフリーのドローソフトは数点見つかったが、残念ながらIllustratorにコンバート出来るソフトは無い様だ。
強いて言えばJW-CAD。コレは工務店等で好んで使用されるフリーのCADソフトだが、DXFで保存すればIllustratorでも開く事が出来る。ただ、コレで切文字のデザインをするのは至難の業だなあ(爆)。仮に作れたとしても、DXFとIllustratorは完全互換では無い(曲線の形式が異なる)ので、あまり現実的ではない。

もしもステッカー屋さんに切文字ステッカーの製作を依頼時にドローデータの用意が出来ないならば…
第一の手段。ロゴタイプではなく、既成のフォントから製作する場合は、トゥルータイプフォント(TTF)からチョイスし、フォントデータも一緒に手渡しすれば一発である。フォントデータは、Windows系であればコントロールパネル内の「フォント」の項目から引っ張り出せる。
次に、自分で清刷り(きよずり)を作る方法。但しハッキリ言わせて貰うならば、素人がゼロから制作した文字は、まず使い物にならない(スミマセン)。自分ではきれいにできた様に見えても、文字をデザインするにはレタリングの知識と経験が必要である。一発で素人仕事である事はバレバレ。だが、依頼人が書いたデザインというのは、それがいくらヘタクソであっても最も参考になる資料である(表現がひどくてスミマセン)。それに加えて、自分のイメージに近い既存の資料を添付すればバッチリである。

現在主流のカッティングプロッタは、セットしたシートをローラーが前後に動かしながら、その上を刃をセットしたヘッドが左右に移動して動作する。※以前はドラフターの様な形式の物もあったと記憶している。動作スピードは初めて見る殆どの人が驚く位に速く、一般的な大きさ&デザインのステッカー1枚切るのにものの数秒。刃はレーザーとかではなくて、本当に刃物。当然専用の刃であり、1本約3000円。昔はもっと高かった。

Epsn2873

↑手で持っているのは刃のホルダーで、筒状のホルダーのセンターに直径1mm位の刃が入っている。

Epsn2874

剥離紙(セパレーター)は残してシートのみカットするように刃の圧力を調整してある。
コレをリタックシートで拾って、貼りたい面に施工する。コレはトイレのピクトサイン。

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バイナル・その1

2007-02-21 20:49:19 | 仕事

我社は看板屋である。
なので当然カッティングプロッタがある。また、近年になってほぼスタンダードと呼べる存在になってきたと言える大型のインクジェットプリンターもある。
ステッカー屋ではないので平常はあまりホイホイとは受注しないのだが、時々は作る事もある。
この辺に関して能書きをタレてみる。

Img040

俺が昔乗っていたDT200WR。この頃はまだ会社員であったが、少しずつシートを貰って帰り、コツコツと殆ど全てを手切りで加工した物。

そもそも俺が看板屋に就職したのは、実はバイクがキッカケであった。バブル期に普及型のカッティングマシンが発売されて(それ以前にもあったのだが、極端に高価であった)、それまで文字を手で書いていた看板屋さんに途轍もない変化が訪れた。なにせ機械に入っている書体を使用すれば、全くの素人でもきれいな文字を製作できてしまうのだ。カッティングシステムは一般向け雑誌等のメディアにも紹介され、高い注目を浴びる事になった。で、脱サラしてカッティングシステムを購入、ステッカー屋や看板屋を始める人が急増。俺が若かりし頃(今でも若い)に看板屋に就職したのは、そんな時代であった。ちなみにこの頃のカッティングシステムはミニマム構成(プロッタの巾が狭く、PCも最低限の物)で200万円程度だったと記憶している。

Imga2422

↑話は逸れるが、手書きの寿司屋の札。最近ではこんな事をやっている看板屋はかなり少数派。

その当時、カッティングマシンを使用しての一般向け商売としては、もちろん車やバイク業界が最大のターゲットの一つであったと思う。実際にバイク雑誌でもカッティングマシンなる物が紹介されており、俺も看板屋に就職する前からカッティングマシンの存在を知っていた。
勿論看板屋に就職しようと思った位なので、物を作るのが好きであり、それまでもクリエイティヴな道を歩んで来ていた。
ホームセンター等で「カッティングシート」が売られており、手作業でステッカーを作っていた。方法は・・・
①原稿を用意。コピー機で資料を拡大縮小するのが楽。手で書いた物でも良い。※追記:肝心な方法を忘れてた。PCでデザインしてプリントアウトした物が一番良いですな。
②デザインボンド(原稿用のスプレーボンド。昔はミツワのペーパーセメントなんてのも使っていたが、若い看板屋さんは知らねえだろうな)で原稿をカッティングシートに貼る。
デザインカッター(アートナイフ)で剥離紙は切らないように、原稿諸共カッティングシートを切る。
⑤不要な部分をめくる。
④アプリケーションシート(リタックシート。幅広の紙テープでも良い)で文字を拾い、施工面に貼る。

Epsn2867

この手順は決まりという訳ではないので、アレンジも可。何ともアナログな方法だが、未だに我社でもやる場合がある。極端に急いでいる時や外現場で製作せねばならない時などはこの方法だ。

ちなみに「カッティングシート」というのは中川ケミカルというメーカーがリリースしている商品名であり、一般的にはこの呼び方が定着してしまったようだが、我々プロが「カッティングシート」と呼ぶと直接「中川ケミカルのカッティングシート」を指す。何故かというとこの商品は「屋内装飾用」だからなのである。
では我々が何と呼んでいるのかというと、単に「シート」とか「マーキングフィルム」、「フィルム」等等・・・。人によっても異なるし、各会社や地域性もあろう。
シートには大別して二種類。屋外用屋内用だ。この二種類が最も異なるのは糊。屋外用は感圧型粘着フィルム等と呼ばれる事もあるのだが、その名の通り圧力を加えなければしっかりと接着しない。屋内用は救急絆創膏の様な糊で、被着体に触れた程度で接着してしまう。だが夏場で気温や表面温度が上がると糊がダラダラになってしまい、貼っておいた文字がズリ落ちてくる(ホント)。
よく言われる「褪色性(色アセ)」だが、屋内装飾用フィルムでも良質の商品であれば1~2年程度は屋外でもそれなりに使用できる。※車のボンネットとかの条件の悪いところではキビシイ。

もう一つ良く言われるフィルムの厚み。「薄い方が良い」と思われている節があるが、必ずしもそうではない。あくまで「必ずしも」ですゾ。
マーキングフィルムは一層の物、二層の物、三層の物とあり、層が増えれば当然厚みも増す。一層品で大体0.08mm、三層品で0.12~0.18mm(目安値)。薄い方が上からクリヤーを掛ける場合に有利。また、人間の目は非常によくできていて、細かい文字を分厚いシートで製作すると凸文字に見えてしまうのだ。当然分厚いとワックス等が残りやすいし、汚れも溜まる。爪なんかで引っ掛けて痛めてしまう可能性もある。フォーミュラーカー等ではステッカーの厚みも空気抵抗になるのだそうな。ところが、分厚い方が有利な事もあるのだ。例えば下地の隠ぺい力。又は色の深み。この為に三層品なんて物があるのである。
「分厚いと曲面に貼り難いのでは・・・」という声も聞こえてきそうだが、コレはハッキリ言えば「ノー」だ。誤解無きように書き添えれば、全く同質だが厚みのみ異なるフィルムを比べれば、ある意味では薄い方が良いと言える。が、曲面追従性の良否は実はフィルムの製造法の違いに因るところが大きいと言えるのだ。代表的な製造法には二種類あり、キャスト方式カレンダー方式である。この場では製造法の解説は避けるが、この二種類を比べると圧倒的にキャスト方式で製造されたフィルムの方が柔軟性に富んでいる。コスト高なのはキャスト。我々も一定以上のクオリティが求められる仕事ではキャスト製品を使用するが、近年のカレンダー製品の品質がかなり向上している事もあり、一般的な内容の仕事ではカレンダー製品を使用するのが普通だ。ちなみにキャストはどちらかと言えば薄目の場合が多く、カレンダーは厚目の場合が多いと言える。

マーキングフィルムはその殆どが塩ビ(ポリ塩化ビニール)で製造されている。焼却すると塩素ガスを発生するので、近年は「オレフィン」という素材が使われつつあるが、マーキングフィルムとして使用するには根本的な欠点がある為、本当の意味で素材が入れ替わるのは当分先であろう。
一般的に使用されているマーキングフィルムでも、ミラータイプの物に限っては、一部の例外を除いてポリエステル・アクリル樹脂である。ちなみに絶対という訳ではないが、ミラーやヘアラインのフィルムは樹脂素材には貼れない。物理的には施工可能なのだが、後々問題を生じるケースが多い。マトモな三次曲面にも施工は困難である。それとよく言う「水貼り」は水分が抜けないので基本的には不可。
またウインドウガラスに貼るスモーク等のフィルムは、その殆どがPETである為に曲面追従性が低い。リヤガラスに貼るときに熱線に沿ってカットしてジョイントするが、もしも塩ビであるならば1枚貼りが可能である。

メジャーなマーキングフィルムメーカー・()内は代表的商品。各説明は俺の個人的な意見。
3M(スコッチカルFILM)
・・・最右翼ブランド品。性能は確かでニーズに合わせた商品が魅力なのだが、独特の販売体系によって価格が高く、コストパフォーマンスに劣る。
中川ケミカル(タフカル)
・・・国産ブランドの古参。あまり進化していないイメージがある。カラーチャートによるラインナップは非常に便利。
セキスイ(タックペイント)
・・・建築や設計サイドから現場に参入し、今や完全なスタンダード。環境対策にも熱心。
桜井(ビューカル)
・・・昔は結構な勢いだったが、時代に合わせるのを失敗した感がある。品質は高いが「スターメタル」という商品以外は特に使う理由が無い。
東洋インキ(ダイナカル)
・・・正に不景気のお陰でのし上がったと言える。以前は評判が悪かったが、現在は人気が高い。
ニチエ(ニチエカル)
・・・ここ数年で知名度が一気に上がった。感覚的に東洋インキに近い物を感じる。
IKC(ルミカル)
・・・プアマンズ3M? アイデア商品が豊富。結構好きだが、突然廃盤にするのは如何な物か。
ニチバン(ニチカラー)
・・・非常に発色の良いフィルムが多く、根強いファンが多い。

この話、かなり長く続きそうだな・・・。一応要点だけ掻い摘んでるつもりなのだが。

ブログをやる以上はより多くの人に見ていただきたいと考えて「にほんブログ村」に登録しているのだが、今まで完全に放置プレイ(爆)。俺としてはランキングなんぞはどーでもイイのだ。面倒臭くて致し方ないが、初めてテスト的に本文にLINKを貼ってみる。

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ハイブリッド

2007-02-20 23:03:55 | チョイ毒エッセイのようなもの

今年は気味が悪い程の暖冬だ。

去年は暖冬宣言が途中で撤回され、かなり厳しい寒さだったと記憶している。それが打って変わってこの暖かさ。やはり異常気象なのか?
極端な寒がりの俺としては、少々の暖冬ならばむしろ歓迎であるのだが、あんまり異常気象が続くと車やバイクに対しての規制が厳しくなり、バイク趣味なんぞと言ってる場合ではなくなってしまう事を懸念してしまう。事実、我社は過去にディーゼル規制のお陰で車を二台も新車に替える事を余儀なくされたのだ。結構コレが取引先や同業でも悩みの種になっているようで、規制の掛かってない地域で登録しなおしたりして(要するに車庫○○○)、全く別の問題を引き起こしてしまいかねない事態である。どうせ規制を掛けるならば、全国一律の規制を掛けた方がいいんじゃないの?…とすら思えてくる。このあたりは法律と条例、法案と条例案の関係に因る物であり、一国民の俺程度では気軽に口を挟める問題でも無いのかもしれないが…??? 国土の広いアメリカ合衆国などと異なり、幼少の頃より義務教育によって島国根性を植えつけられてしまった俺には、各自治体によって条例が異なるというのは理解の範疇を超えている…のか?

企業家のハシクレである俺としては、我社に於ける二台のディーゼル車買い替え時、もしも実用に耐えうるハイブリッド車があるならば、少々価格が高くてもそれを選びたかった。だが現実には一般民間零細企業のニーズに適う商用ハイブリッド車はまだ無い(商用ハイブリッドが全く存在しないという訳では無い)。

それでも四つ輪はまだいい。ポジティヴに問題を根本から解決しようと各メーカーは取り組んでいるし、現実にある程度は結果に現れてきているというイメージもある。
だがバイクは違う。2ストロークへの規制やデバイスによる対策等、法律面に於いても対策方法に於いても、その手法は非常にネガティヴだ。
駐車監視員制度等は角度を変えてみれば車の絶対量を減らすのに効果があるのかもしれない・・・とは感じるのだが、駐車場がほとんど無いバイクに対してまで同様の規制が掛かっているのは如何な物か。市街地に於ける移動では環境面でも四つ輪よりもメリットが高いと思われるのだが、もしかしてバイクは全て嗜好品的な存在でしかないと思われているのだろうか? 駐車違反キップ切られるのがイヤならばバイクに乗るなって事か。

もしも国家公務員等の中枢の方が本ブログを閲覧していらっしゃるならば、他人事とは思わずにコメント欄に意見していただきたい。ご自身の行動に自信がおありならば、凡人である俺の意見等はお釈迦様の掌の中の出来事でございましょう。

先日仕事でお巡りさんが常駐している某施設(警察署ではない)に行ったら、お巡りさんは1BOXのエンジンをアイドリングさせっ放しで車の中で待機していた。そりゃイカンぜ、お巡りさん。あんた達は我々国民の模範にならねばならんのだ。ベーロイ。つまりは彼らには自身が当事者であるとの認識が教育されておらんのだ。
直接注意してやろうかと思ったのだが、この時俺は搬入の為に路肩に車を停めていた(爆)。スミマセン。

そんな訳で俺のハイエースを手軽で安価な手段を用いてハイブリッド車に改造する。と言ってもハイブリッドのシールを作って貼るだけだ(爆)。
ふざけている様に見られるかもしれないが、先ずは心ありき・・・なのである。ふざけているのも間違いないが(爆)。
地球の未来の為に、ホントはハイブリッドにしたいのさ・・・という気持ちを込めての行動なのである。

Epsn2849

Epsn2850

事前に知人の乗るプリウスのエンブレムをデジカメで撮ってあった。コレをAdobeIllustratorでトレース、色付けをする。ちなみにこういうのはチョットインチキ臭い位の方が良いのだ。リアル過ぎると写真を貼ったように見えてしまう。
溶剤インクジェットプリンターで大量生産、ラミネートを掛けて、フチをカットしたら出来上がり。

Epsn2851

Epsn2865

非売品です(爆)。

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元N造さんエンジンの中身

2007-02-20 17:46:30 | XR250

推定で15000~18000kmの走行と思われる、元N造さんエンジンの状態を紹介。

Epsn2853

Epsn2854 ピストンピンは寿命。

Epsn2855

バラした時にも触れたが、エンジンの中が非常にキレイで驚いた。俺自身が過去に見てきたエンジンは、何となくエンジンオイルがガソリン臭かったり、何処かに必ず茶色い焼け跡が残っていたりした。ピストンの裏はほんの少し茶色いが、「焼けていない」と表現しても良いレベルだ。ピストンスカートの縦傷は少なめで、それよりもマットになっているのに目が付く。

Epsn2866

280エンジンは元々焼きついており、MD30ノーマルピストンの重量を量る事ができなかったので今回量ってみた。リング、ピストンピン、ピンクリップ及びカーボン付き(爆)で273g。ピストンピン抜きで217gなので、同条件で232gのXLR、247gのタケガワ・ワイセコと比べるとブッチギリに軽い。
※タケガワ・ワイセコの280ピストンはリング、ピストンピン、ピンクリップ含めて303g。XLRのピストンピンを持っていないので、全て同条件で量る事が出来ない。スミマセン。ちなみにRFピストンは全て含めた状態でタケガワ・ワイセコよりも重いらしい。

Epsn2861

Epsn2860

燃焼室はカーボンに覆われている。だが、俺のホームコースの坂内には川渡りがあり、晴天時でも周回を重ねるとエアクリーナーが水を吸うので、常にベストな燃焼をしているとは限らないから、この堆積量は参考までに。
各ポートに灯油を注いでみたが、特に燃焼室側には漏れが無い。バルブは外さなかったが(スミマセン)密閉に問題が生じているレベルではないと思われる。

Epsn2858

シリンダーはサスガに終わっている。上死点と下死点にくっきりとピストンリングの跡が残っているのに加え、クロスハッチは消えかかっている。俺のショボイ経験では、2stはこんな感じになっている事が多いが、4stではもう少しマシ。もしかして予想しているよりももっと走行距離が多いのかもしれない。N造さん、メーターを外したままで林道にも行っていた気がするからなあ…イケマセンゾ。

ちなみにMD30で有名(?)なカムチェーンテンショナーの固着だが、俺がバラした二基では正常だった。某所では3型以降で確立がかなり高いと紹介されている。個人でXR250(MD30)のエンジンをバラした人のHPやブログを探していたら、「3型よりも前の型でも殆どが固着」との記事も見掛けた。俺のは、それどころか二基ともテンションを掛ける方向に押し切っており、そのままではプライヤーなどで抓めなかったほど。4~50000km走行で初OHであったN目君のXLR(MD22)では全く普通に抓めた記憶がある。

コンロッド大端の横ガタも小さく、普通であれば腰下をOHする必要は無いレベルと思われる。但しミッションは焼けがキツイ。こんなモンなんでしょうか?

ちなみにクランクケースブリーザーは、俺がこのXR250に乗り初めて暫く(結構長い間)、純正のブローバイ還元装置を全て取り外して、直ホースのみで乗っていた。処理している暇が無かったのである。もちろんホースの取り回しには気を遣い、出来る限り逆に侵入しないようには努力していたのだが、内部には全く影響が見られなかった。※屋内保管

ウーム、このエンジンをベースにしていればあまり苦労しなかったと思う。

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左側フレームガード

2007-02-19 21:01:05 | XR250

ME08のミッションと一緒に注文したのがコレ。
左側のフレームガード(正式にはフレームプロテクタという商品名)。

Epsn2846

結構前から純正オプションで設定があるのは知っていたのだが、元々自分で作ろうと思っていたので買わなかったのだ。
何故に今回買ったのか?・・・というと、作るのが面倒くさくなっちまったのだ、スミマセン。

右側には元々標準でついているのだが(最近のXRやXR-Motardにはついてないと記憶していたが、メーカーのサイトで写真をチェックしたら付いてますな・・・?記憶違いか)、左側には付いてない。ここは直ぐにブーツで擦れて塗装が剥げてしまうので、フレームを再塗装した以上は即刻取り付けなければならない。
自分で作るに当たって、各メーカーからリリースされている物を参考のためにチェックしたのだが、殆どの物は汎用機で折り曲げた様な形状で今ひとつ気に入らない。最も理想に近かったのが純正オプションの物であった。ワークスコネクションの物はフチがアールに曲げられているので、恐らくオスメス型を使用してプレスされていると思われるが、直線的なデザインの為に、純正オプションに比べてもゴツい。

Epsn2813

ところが、この純正オプションのフレームガードは既に廃盤らしい。買う人いないんですかね?
たまたまお店が在庫として持っていた物があったのだそうだ。包装がエラく年季が入っている(笑)。

固定はリヤフレーム取付ボルトと共締めする他にメインフレームにインシュロックで固定と、些かインチキ臭い(スミマセン)。社外品だとチェーンスライダーと共締めというのが多かったかな?

Epsn2848

このフレームガードにはリヤフレームのボルトとセッティングカラー、インシュロックが同梱されてくる。社外品だとアルミ板を直接共締めしてしまうケースが多そうだが、肉薄のセッティングカラーを介して取り付ける。リヤフレームのボルトが何故わざわざ添付されてくるのだろう?…と思って暫く何が違うのか見比べたら、ナンとフレームガードにセットされてきたボルトは、ノーマルに比べてシャフト部分が0.5mm程度長い事が判明。セットプレートの厚み分という意味だろう。さすが純正オプション。ん~~~???個体差か? 考えすぎ? シャフト部分の形状も違うが、変更する理由にはならないと思うし。
※右がフレームガードの付属品、左がノーマル

スイングアームピボットシャフトを隠してしまうので、取付は暫くオアズケ。
※一番上の写真は仮付け状態。

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ミッション入荷

2007-02-16 21:50:06 | XR250

ココのところ昼間は職人さんと一緒に外現場に出ているので、帰ってきてからやらなければならない仕事も多く、XR250の作業は進んでない。スミマセン。
それでも一応、純正部品は火曜日(13日)の閉店間際に注文してあった。水曜日が定休日なので、事実上15日発注で16日入荷。
エンジン屋さんには、まだシリンダーを持って行ってない。ウーム、いつ行けるかなあ・・・。アホ臭いが、一旦ノーマルピストンで組んでみるのもいいかも? XR250はアフターの部品が豊富。ノーマル補修用のスリーブがリリースされている(社外品)ので、破壊してしまったシリンダーのスリーブと入れ替える手もあるなあ。一気にモディファイしてしまうと、どのファクターがどういう効果を齎したのかが判別し難いので、研究の一環としてその方法にも興味があるのだ。

まあそれはともかく部品が揃ったとの連絡を貰い、お店に引き取りに行って、目玉が飛び出した。
金額である。
今回はミッション以外の物も注文しているのだが、判りやすい様にミッションのみでまとめてみた。

Gear

「gear.pdf」をダウンロード(←上の表のPDF形式をダウンロード)

「KCZ」というのはMD30の車種番号で、「KCE」というのはどうやらME08の車種番号であるようだ。事実国内XR250=S-XR=MD30のPLと照合すると、上記の部品の中で「KCZ」の物は全て国内XR250(MD30)と共通の様だ。
俺は、ME08の部品については以前の記事で紹介した「ダートクール’95春号」か、海外のサイトにて照合している。またはいつも純正部品を注文しているお店にME08(国内限定レーサー)のPLがあるので見せてもらっている。新車発表から既に10年以上が経過しているので、他の車種の部品に統合されている物もあるようだ。中でも気が付いたのはインレットダクト(エアクリーナーBOXの吸入口)。「17240-KCE-670」を注文した筈だが「17240-KCY-670」が来た。つっても全く同じ物だと思われるが。「KCY」が何の車種番号なのかは知らない・・・興味のある方は調べてください。※タイピングミスの可能性もあるので、正確性については保障しません。
今回は全て指定した品番その物が来ているが、袋から出してみるとKCEの物にはポツポツと微妙に錆が・・・(笑)。長期在庫品ですかね?

Epsn2811

↑左の5個がME08専用部品、右の二個はMD30と共通

もう一つ気が付いた事がある。HONDAのHPでMD30とME08の各スペックを調べると、ギヤ比が記載されているのだが・・・。
MD30の1速のギヤ比は「2.769」とあるが、ME08の1速のギヤ比は「2.796」とある。(平成19年2月16日現在・・・その後訂正される可能性があるので、PDF形式の物をアップしておきます↓)

「MD30spec.pdf」をダウンロード←MD30のスペック

「ME08spec.pdf」をダウンロード←ME08のスペック

だが、コレ、共通部品の様であります。13/36は2.76923・・・ME08の方が間違えてますぞ、ホンダさん。まあいいか、所詮は人間のやる事なので。そんな事はどーでもいい。揚げ足取りとは女々しいぞ、俺。

今回、面白かったのがお店の人のセリフ。
「何でこんなに高いの? 間違えたかな??? イヤ、合ってる。」
今回俺は、MD30と共通のギヤでも、組みになっているものはMD30共通でも組みで交換する事にしたのだ。1速と6速はMD30とME08では共通である。少なくともコース走行では6速は使わない。1速はクラッチの負担低減の為に、練習走行でスタートする時は使用するが、負荷を掛けて走る事は無いと思われる。なので1速と6速は元N造エンジンから移植する事とした。
もしも既存のMD30のミッションが痛んでいないならば、共通ではないギヤのみ交換する手もある・・・が、判断基準は人により異なると思われるのでココでは触れない。

この後の記事の予告
●元N造エンジンの状態の紹介
●280エンジンの状態の紹介
●今回注文した純正部品の、ミッション以外の部品
などなど・・・順不同。

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たまには、自転車・・・。

2007-02-15 00:13:05 | チョイ毒エッセイのようなもの

Epsn2810

仕事で使っているトラックの窓ガラスを閉めようとして、パワーウィンドウのスイッチを操作したら、
「バキッボキボキ」
と音がしてガラスが動かなくなった。
新車で購入後3年。普通に・・・というよりも、むしろかなり大事に使っているのだが・・・。

自分で直そうかとも思ったのだが、部品手配の問題とかを考えると経費で直してしまったほうが手っ取り早いので、ディーラーに持っていった。
「大事に使っているのに壊れたよ」という俺の言い方が悪かったのか、サービス受付の人の滑舌が悪くて少々イラついた。クレーム修理しろ、と言ってるように聞こえてしまったのかな?
部品だけくれればいいや・・・と言いたいのは堪えたのだが、「直して下さいと言っているのに、何か問題があるんですか?」と若干声を荒げてしまった。イカン、カウンターの中の人がちょっとこっちを見てる。

このトラックを新車で購入した時と、ハイエースを新車で購入した時。二回とも忙しくて1ヶ月点検に行く事がままならず(予約が必要との説明を受けていた…ちなみにこの二件は違う店)、お店に相談の電話をしたところ、二回とも言われてかなり頭に来た言葉がある。
「今オイル交換や点検をしなくても、直ぐに壊れると言う訳ではありませんから。」
そんな事は判っている。だが、俺はオイル交換を直ぐにしたいから電話したのだ。俺が自分でエンジンの組みバラしをする人間であるかどうか以前の問題で、客のニーズの問題であるのだ。ニーズに応えられるかどうかではない、客のニーズに応える努力をするかどうかの問題である。
たまたま今日は雨が降っている。このままでは車内が濡れてしまうし、防犯上の問題もある。その場でオマカセしてクルマを置いて帰ろうと思って荷台に自転車を載せていったのに、何故にそんなにネガティヴな表現ばかりするのか。

部品は最寄の部品会社に在庫があるので、本日中に入荷して修理も本日中に可能らしい。バイクの部品は最短でも翌日入荷(地域的な物もあると思われる)なので、対応の早さには感心した。だが、もしかして「今日中に直せ」と言っているように聞こえてしまったのだろうか?

荷台から自転車を降ろして走り出す。
地球温暖化を俺なりに阻止する為に、近距離の移動であれば極力自転車を使っている。自転車に乗ると、車やバイクで走っている時には判らない事に気が付いたりもする。鼻歌まじりで走っていると突然脇道から出てきた車に進路を塞がれたり、歩道が予告無く無くなってしまったり。歩道の無いところで路肩一杯に寄って気をつけて漕いでいるのに、大型ダンプが異常な音量のクラクションを鳴らす。
客商売も同じだね。俺も気を付けよう。

我が愛車、GIANTのWARP-DS1。
バイクを手放してしまった頃に、気を紛らす為に購入した。自転車屋に行った時に5万円位のMTBを見つけ、嫁さんに「買っていい?」と確認の電話をしたら、強烈に怒っていた為にその時点では購入を止めて帰った。その後ネットショップにてコレを見つけて購入。10万円位だった。なので嫁さんは今でもこの自転車を5万円だと思い込んでいるはずである。
一応コイツは入門ダウンヒラー的位置付けらしい。前後サス(フロントはマルゾッキ)、前後ディスクブレーキ。自転車はママチャリ以来で、バイクと比較して極端に軽い事から、バイクに比べても途轍もなくトリッキーな乗り物とのイメージがあったのだが、必ずしもそうでもない(ウデの問題か)。ただ、コレに乗っているとオフロードバイクの練習になる様な気はする。オフロードの基本は自転車の立ち漕ぎだ。また、バイクを走らせるときに如何にアクセルで誤魔化しているのかが露呈する。タイヤのグリップに頼りすぎている事も判る。

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