純正シートはシートベース裏に回りこむ部分に関しては糸で縫ってあるが、色分け部分は高周波ウェルダー(たぶん)でつなげてある。 ※高周波ウェルダー加工:高周波で分子を振動させて、ビニール生地などを融着する加工。
ウェルダーでやってある理由はたぶん内部への水の浸入防止のためであろうが、どうして全てをウェルダーでやってないのかは判らない。仕事の外注先(テント屋さん)に3軒ばかり高周波ウェルダーを使っているところがあるので聞いてみたのだが、テントなどの裏表とも塩ビの物は加工できるもののビニールレザーは裏面が布地になっているので、やってみないと加工可能かどうかわからないとのこと。仮に可能だとしても、当然ビニール面同士を合わせなければならないはずだ。一応そのテストもゆくゆくやってみたかったので、ビニールレザーを余分に入手したのである。青・黒共に2Mずつ(約1m20cm巾)購入して¥8000弱であったが、東急ハンズでは10㎝単位で購入できる様だったので、50㎝づつ注文すれば充分製作可能。単純計算では、手間を除けば¥2000未満でシート生地を製作可能な訳だ。
前回の記事に書いたとおり、今回は縫製を嫁さんに頼むことにした。
ウチの嫁さんは元々俺が以前勤めていた看板屋で知り合ったくらいなので(職場結婚)、物を作る事に関してはそれなりに喜んでやってくれる。
型紙くらいは俺が自分で作ればよかったのだが、丸ごと頼んだらちょっと型採りに困っているようだった。そこで「ノーマルのシートレザーを切っちゃっていいよ」と言ったら、見事にジョキジョキ。
縫い代を見込んで裁断して、待ち針で仮固定してミシンで縫うだけ。それでも結構時間は掛かっていた。子供たちは興味津々。「何これ、バイクの? まだお面付いてる?」とか聞いてくる。
縫い方をちょっと間違っているが、あまりウルサク言うと二度とやってくれなくなるので、まあガマンしよう。
縫い合わせの耳の部分から水が浸入するのを防ぐ為、シリコン系のボンドで接着。内部にビニールシートを張るという手もあるが、ノーマルはウレタンに直接レザーが被せてあるので、縫い目そのものを防水した方が良かろうという判断。
コレは全くの我流なので効果に責任は持ちません。
あと、張りこんだ時に縫い目の耳が内側で蛇行するのを防ぐ為に、片側に折り曲げて仮接着してしまった。それぞれ前者には「SU」を、後者には「Gクリヤー」を使用。俺はコニシ党なのだ。
張りこみはガンタッカーを使う。コレは商売道具。長手方向(前後)に引張り気味に仮留めして、横方向に張り伸ばし、弛んできたら長手方向を引っ張り直す・・・。
まあコツも何もないと思うけど、一番最初の仮留めの時に微妙にズレてたりすると上手く行かないので、ダメだと思ったら早目にやり直す事。
タッカーはマイナスドライバーやペンチで簡単に外せるので、上手く行ってないと思ったらすぐに外してやり直す。俺の仕事でも、作業経験の浅い人は上手くできてないのにそのまま作業を進めてしまい、後で何ともならなくなってしまう事が多い。自分の過去の失敗を思い返しても、大体は「あの時こうしてればなあ」という事が多いのだ。今でもビール飲みながら仕事してたりすると(笑)気が大きくなって、同じような失敗をする事がある(爆)。
言ってるそばから完成したシートの横には不審な缶が・・・。
オフロードバイクのシートの場合は逆「へ」の字になっているので、シートを外した状態ではキチンと張れていても、車体に取り付けたときに中央部にシワが寄ってしまう場合がある。コレを見越して引張り気味に張った方が良いかと思う。
何となくミシン糸の張力が弱いようで、その内千切れてしまうような予感が・・・。
とりあえず仮組み。ますますホンダ車には見えなくなってきた!! いいぞいいぞ!!!
形を変えている訳ではないのに、正にカラーリングマジック。一発でベースがXRであると判る人は少なかろう。