作業は一旦スペアエンジンに戻る。キーをセットして、旧フライホイールと左ケースカバーを仮組み。ダイヤルゲージをセットして上死点を出す。ヘッドを載せる前に、フライホイールのTマークがどれだけアテになるか確認したかったのである。この為に旧エンジンからフライホイールを外したのであります。
結果、殆どOK。微妙にTマークの方が遅いかとも思うが、フライホイール外周上で1mmが約1度である所、0.5ミリも違わない。ちなみに写真内で使っているマグネットベースはこの状態では当然マグネットとしては機能してない。オモリになってるだけ。
ところで、XRのフライホイールで「超軽量」と併せて良く話題となる「点火進角加工」なるもの。
俺はプロではなくて単なるアマチュア、プライベーターなので、単なるシロートのタワゴトと思ってさらりと流して下さいませ。
まず気になっている事がある。ナンか「進角」の意味が違って使われている様な気がしますが…? 4stのエンジンは(2stはこの場では全く除外)、一見ピストンが圧縮上死点に来た瞬間にプラグに火が飛んでいる様な気がしてしまうが、そりゃ中学校で教えられたパラパラマンガ程度のスピードでの話。実際にはエンジンはもっととんでもないスピードで回っているので、圧縮上死点で着火していたのでは手遅れ。
モグラ叩きみたいに、モグラが出てくるタイミングに合わせてハンマーを振り下ろす必要があるのと同様、圧縮された混合気に火が周るタイムロス等も加味して、エンジンの回転数の上昇に伴って点火タイミングが早くなる…一般論ではコレを「進角」というのではなかったでしょうか…? ちと俺自身、この言葉に騙されて若干の勘違いをしたもので…。まあいいけど。
XR250(MD30)のキャブにはスロットル・ポジション・センサー(以下TPS)なる物がついている。キャブを交換するとコレが付かなくなってしまうので「点火進角加工」をするという名目である。
さて、俺のXRは初期型である。シュラウドスタイルになってからメーターがアナログに変更されているので、電装の構成が異なると思われる為にここでは除外するが(というよりも実車を触った事が無いので分からない)、デジタルメーターのモデルではTPSの配線はそのままデジタルメーターに入っている。が、俺のXRは俺の手元に来た時点で既にメーターが付いていなかった(レース出場の為に外していた)。なのでTPSを外したのと同じ。
どのみちキャブは最初から換装するつもりだったし、メーターも取り付けるつもりは無いのでテスターを当てる等して調べてみたら、TPSは単なる可変抵抗のようである。なので初期型の場合は、同等のダミー抵抗を入れるか(3芯の内2線間はスロットル全開時に抵抗∞となるので、1本は切りっ放しでOK)、スロットル全開側でTPSをシリコンかなんかで固めてしまえばOK。
本来の点火マップ(回転域に応じての2次元状態)はCDIが司っているので、TPSを外しても全く進角しないというワケでは無い。だがやはり全体に点火時期が遅れているみたいで、俺のXRの場合はストレートミャフリャーにした結果、ミャフリャーから火ィ吹いていた!! カッチョイイ!!(要するに、点火時期が遅い為に未燃焼ガスがミャフリャーに出てしまう。PWKに換装した直後であり、未セッティングの状態だったので、他のXRでも同じ症状が出るとは限らない。ちなみに前オーナーのN造さんが乗っていた時点=全くのノーマルでメーターを取り外した状態で、ブリッピングすると黒煙を吐きつつ、たまにアフターファイヤを起こしていた気がする。この頃はTPSの事等全く知らないので、バルブフェイスにカーボン噛み込みしてるのでは?等と話していた)
なので本当はマッピング変更したCDIがあれば一番良いのだが、俺にゃそんなもんは作れねえ(※俺には他人が作った物を買うという発想があまり無い)。で、原付チューナーなんかにもお馴染みの姑息な手段、フライホイールの突起を削るという形で対応した(パルスジェネレータを移動させる方法の方が元に戻せるので良いのだが、XRの場合はスペースが無い)。某ショップのもフライホイールを加工するとの事なので、手法は同じと思われる。
ローターの突起がパルスジェネレータを通り過ぎた瞬間に点火する仕掛けになっているので、反時計回りするローター突起の後方側を削れば点火時期を早める事が出来る。数値的に何度点火タイミングを進めたのかについては企業秘密でヤンス。スミマセン。