風野真知雄氏の、「四十郎化け物始末」3巻を読んだ。
著者は、自分と等身大とも思える主人公、四十郎が好きで、
続編を書きたいようだが、どれだけ、この3巻が売れるかに
かかっているようだ。
気がるに読める時代劇のミステリーとして、このシリーズは、
「妻はくの一」や、「姫は三十一」に負けないと思えるのだが。
特に四十郎のキャラクターだけでなく、奥方や娘のキャラクターは、
捨てがたい。
病床ながら、書物が大好きで、四十郎の疑問に貴重な意見を
与える奥方。
おおざっぱで、借金ばかり作ってしまう娘。こんな娘だったら、自分だったら、
見捨てたくなるだろう。
でも、夫の前妻の義理の子供たち3人を一生懸命育てるのだから、
真似のできない良いところもあるのだろう。
ストーリーとしては、借金を返すべく、用心棒より割のいい、
化け物退治をしていくのだが、ナント、本当の化け物は出てこない
のである。
すべては、人間の心の闇から出てくるという。ちょっと、教訓的な
ところもある。そして、一つ一つ謎を解いていく中で、瓦版でも
評判になり、江戸でも有名なゴーストバスターズになっていくという
のである。
剣豪なのだが、そんなに綺麗な剣ではなく、勝てば良いという実践的な
剣であるのも、魅力の一つである。
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