ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

大獄 ・西郷青嵐賦(葉室麟)

2023年06月26日 | 時代劇はミステリー

葉室麟の「大獄」を読んでみた。

西郷さんと言えば、維新前後の話が多いところだが、
そこまで行く前の若かりし頃の物語だ。

新将軍に一橋慶喜を推し、徳川慶福を推す井伊直弼一派
の暗躍に敗れ、月照とともに海に飛び込んで死んだことに
され、奄美大島に名前を変えて隠される。

井伊直弼は、安政の大獄の反動で、桜田門外の変で、暗殺
される。そういった時代の話だが、面白く読めた。

それにしても、島津斉彬という人物の先見の明と薩摩藩という
大名の藩主ながら、日本国という国を第一に考える姿には、
感銘した。

当時、外国に威圧されながら開国を迫られた日本のあるべき
姿を描けた数少ない人物だったのだろう。

 


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