浅田次郎の「お腹めしませ」を読んでみた。
浅田次郎の時代劇は、ドラマでは「一路」を見て、
面白かったが、本を読んだのは初めてかも知れない。
6篇からなる短編集なのだが、どれも、一風、変わっている。
各物語の初めに、現代の自分の周りの出来事や、
祖父からの昔話などの記憶から、この物語を書いたきっかけ
のようなものが書かれ、終わりには、ちょっとしたピリッとした
コメントが書かれている。
何とも、不思議な構成なのだ。浅田次郎氏から、直接、
話しかけられているような気にさえなってくる。
また、各物語の終わり方も、気持ちよく終わるのもあれば、
少し、どうなるか、わからないと曖昧な終わり方をしている
ものもある。
表題作の「お腹めしませ」など、最後に、この物語は、
自分の創作であると白状している。あたかも、事実の
ように話していて、劇的な終わり方は、気恥ずかしかったと
いうのだ。
何とも、正直な方だ。ただ、底に流れる、人生というか、
人間性を感じざるおえない。
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