直木賞受賞作「ホテルローヤル」を読んだ。
7つの短編集からなる。しかし、すべて、ラブホテルで
ある「ホテルローヤル」に関係したストーリーになっている。
正直言って、最初の2作品を読んだ時点では、あまり、
面白いと思えなかった。まるで、リアリティーに欠けるような
奇異な設定のような気がしたのだ。
ところが、3~7作品と読み進むうちに、ほほーとうなされる
ような面白みを感じるようになった。
まず、この連作は、時系列とは逆に並んでいるのだ。第一作が、
ホテルローヤルが廃墟と化した後の物語になる。
それ以降が、ホテルローヤルの物語で、第7作が、ホテルローヤルが
始まる前の話になっている。
実際に刊行されたのも、この順番とのことだ。その発想に驚いた。
好きな作品としては、4~6の作品、特に、6作品目の「星を見ていた」
は、秀作だと感じた。
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