ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

THE INNOCENT MAN(JOHN GRISHAM)

2008年07月02日 | 海外ミステリー(洋書)
ペーパーバックを読み始めて7年にして、ようやく50冊
に達しました。

50冊目は、JOHN GRISHAMのTHE INNOCENT MANでした。

こちらは、JOHN GRISHAMの作品には珍しい、NON-FICTION
です。


①THE INNOCENT MAN

実話の冤罪を描いた作品だ。

それも、大昔ではない。

米国で、ちょっと前まで、このような冤罪で、12年も
牢獄につながれていた人間がいたのに驚くばかりだ。

この主人公となるRONは、かっては、野球の地元のヒーロー
で、ヤンキースに入ったが、プロ野球では力が出なかった。

夢破れて、離婚し、酒浸りになるRONに、更に、人生を
台無しにする事件が起こる。

何のかかわりもない殺人事件の犯人にでっち上げられて
しまうのだ。

そして、証拠としては確実性のない髪の毛の分析であったり、
同じ牢獄に入っていた囚人のでっち上げの密告により、
死刑判決が下りてしまうのだ。

絶望の中で、姉妹や、公正な裁判ではないとする裁判官や
弁護士の力により、また、DNAによる鑑定により、無罪が
立証される。

おそらく、通常のミステリー小説であれば、無罪判決の
おりたところで、ハッピーエンドになるのかも知れない。

しかし、この作品は、それからのRONについても2004年に
肝硬変で亡くなるまで、描かれ続けるのだ。

墓碑には、下記刻まれたのが印象的だ。

Strong Survivor
Wrongly Convicted in 1988
Exonerated April 15,1999

今までのJOHN GRISHAMの作品と比べると、面白みに
かけたり、スピード感のない部分もある。

しかし、やはり、実話でしか味わえない重みや、
小説以上に不思議な人生の物語に感動しざるおえない。



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