ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

おもかげ (浅田次郎)

2021年12月21日 | 国内ミステリー

浅田次郎の「おもかげ」を読んだ。

著者会心の傑作という背表紙につられて読んだのだが、
なるほどと思った。

定年を迎え、送別会の帰りの地下鉄で倒れ意識を失った
エリート会社員の物語だ。

それだけなら、物語にするのが難しいくらいの物語だが、
知らず知らず、引き込まれていく。

年代などが近いせいもあるのかも知れない。

死に瀕すると三途の川があるという。私の父も若い時、
経験したことがあるという。

経験したということは、戻ってきたから言えることだ。

私は、経験があったとしても、赤ん坊の時だったのか、記憶がない。

死に瀕するとき、いろいろなおもかげを追いかける
ことになるのだろうか。

本書は、ネタバレになるので、あまり言えないが、至高の最終章を
読む価値はあると思う。

浅田次郎は、鉄道や地下鉄を舞台とした傑作を描いているが、他の
作品も読んでみたいと思った。

 


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