スチロール椀に入った善哉。
音をたてて冷たい雨がふった、東京の雛の節句。
暖かさが染みてきます(微笑)。
小振りの臼は、毎回、湯をいれて、餅の名残をほとび、洗って。洗い湯を汲み出して、さらしで拭きあげて。
激しい雨のなか、テントの下、蒸篭で餅米を蒸しています。
最初は餅米を力を入れて、ねじるように、杵で捏ねていく。潰すのではなく、捏ねて塊にしていく技は、手慣れた大人の力仕事。
時間をかけると、食感が固くなるから、真剣になる顔達。手首のスナップを効かせるのだと、軽口を叩きながら、止まらず動く大人たち。
ついて、かえして。
最初に数回を大人が。失敗しないと見定めたら、小振りの杵を子供達に。
周りを囲んで、「ヨイショォ」と掛け声がかかる。
ふらついて笑われ、上手いぞっとオダテラレ(笑)。
ふわふわのお餅が、臼から抱き上げられて、女衆のまつ付け台に運ばれる。
熱々を丸めとり、つぶ餡に、黄粉砂糖に、善哉に。
「サァサァ、熱々をおあがり」
手が延びて、お盆が空になり、賑やかに笑う声がする。
その頃、背後では、杵と臼が湯で洗われ、次の準備がはじまっている。
男衆、女衆、若衆、こどもら。
皆に役割をわけて、祭りを共にする姿を教わっていたのかと、大人になって、しみじみ思いました。
ちびの頃、見ていたのは、杵を振り上げ、餅をかえす二人のコンビネーションの姿の面白さと、大人の背の大きさ。
見えているものが違うのが、成長なのだと思いたい(微笑)。
雨のなか、公園の開催を断念して、町会倉庫で、餅つきを整える。年長者がしゃんとして声をかけ、若衆と呼ばれる四十代が動いていく。たぶん、町会役員は六十代が下限です。(笑)
集まる子供達は、小学3~4年生位が上限でしょうか。
大人は子供に「体験」を贈っていくのです。いつか、その意味を「記憶」の中に見つけられるようにと、願って。
ここは東京23区(笑)。我が町では餅つきをするのです(ニッコリ)。
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