過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

つけそばは旨味と香りを絡めて食す! 神田三崎町の勝本

2019-03-09 23:45:00 | 日いづる国の伝統食
上等な支那蕎麦と呼びたい、美しい醤油ラーメンが神田三崎町の勝本さんにあります(記事はコチラ)。飯田橋や後楽園、神保町界隈に立ち寄る昼の、お楽しみです。

陽射しの明るい日、気温も17度に上がった昼に、思い立って、つけ麺を注文しました。ラーメン三種類の他に、つけ麺がある理由は、何故か? 考えてみたくなったのです。(ニッコリ)



■濃厚煮干し つけそば (一日30食限定)
おぅ、麺が太い! ムッチリした見ためです。無理に冷やしてはいないが、滑りを洗いきった、蕎麦を思わせる、品のある盛り付け。
熱々のつけ汁から、香りたつ煮干し! 以前いただいた豚骨と合わせたラーメンのスープに近いけれど、魚らしい香りが勝っていると感じました。



煮干しの姿はないのだけれど、煮干しの皆さんが鰹節の湯に浸かっているイメージがわきます(笑)。ふくふくと薫る。
驚きは、その濃度! どろっ…といえば、伝わるでしょうか。重さを感じる液体です。
れんげですくって味見……おぅ、煮干し粉を鰹節出汁に、限界を越えて同化させるために、何かコラーゲン質を加えただろう……粘性の篭のなかに、風味がある。これだけを、味わう液体ではない、とわかります。

と、なれば、麺を四~五本、浸しつける。れんげに巻き上げれば、麺は茶色を引き付けている。
ズゾっ…うん、香りとほろ苦さが、麺の小麦の香と共に、口に拡がります。噛むごとに、ムッチリ麺が歯切れて甘さを拡げ、そこに煮干しと醤油味が重なる。
あぁ、これは、日本の味の組み立て。ご飯の香気を、小麦に置き換えて生れたアジアに拡げる風味のひとつ。

香りと味の篭のようなつけ汁を、麺で手繰り寄せて、合わせて、咀嚼する仕組み。それが、中華のつけそば、の根底にあるのだな、と思う。
日本のざるやせいろは、蕎麦を活かすために、辛みをもたせた汁を使う。それとは違う、組み立てがある。
面白い!

半分ほど食べ進めてから、別に注文した、すだちを絞る。
爽やかな香気が覆う。少し重くなった舌に嬉しい。岡山の酢橘蕎麦から、全国区に拡がった知恵(微笑)。
……もしかすると、すだちは、麺に絞ると良いかもしれない、次は? とも思う。



つけ汁が冷めてきて、スープ割をお願いする。柚子を加えますか?と尋ねてくれて、お願いする。
刻み柚子をあしらって、香りがきれい。つけ汁がスープの様相をみせる。
そうか、これは麺を食べ終わってからするものだと、学びました(笑)。
この段階では、麺の強さが見えるけれど、ここで叉焼でくるむと、優しい汁そばに、表情をかえてくれる。

三たび、表情をかえて、楽しませてくれた、つけそば。ラーメンとは違う力で、何故、人を引き付けるか、瞬間見えた時間でした。

■中華そば 勝本、東京都千代田区神田三崎町2丁目




この日は、器・千鳥さんにて、艶やかな萌葱色に出合った帰りの、一食でした。
丁寧な仕事をなさる方にあった後は、やはり丁寧な食、大事と思います(微笑)。


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コメント
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