★時代に対するエッセイです。
★食に関わる記事ではありません
コロナ禍において、引き篭もる大人、家族介護の問題がクローズアップされる中、『ヤングケアラー』という言葉に、急激に関心が集まっている。
海外では2000年始め頃から、日本では2014年位から、折々取り上げられてきた、解決し難い課題といえる。
様々な、取り上げられ方があるが、私は、家庭内労働搾取の対象であった女性を、教育の場にだし、社会を変えようと、80年ほど前に設立された財団の、まとめ定義を、引用する。
ヤングケアラー(young carer)
病気や障害のある親、祖父母、兄弟等家族を介護する若年者。介護が長期にわたったり、年齢や成長段階に比して負担や責任が重すぎると、介護者自身の心身の発達や友人等との人間関係の構築、学業との両立に支障をきたしたり、進路選択に制約をもたらす場合がある。英国では18歳未満をヤングケアラーと定義し、20年前から民間団体が支援に取り組んでいる。一方わが国では、家族介護を担う15~29歳の若者が17万人を超えることが昨年初めて明らかになり(「平成24年就業構造基本調査」総務省)、その存在がようやく認知され始めたばかりだ。ソーシャルワーカー等の3人に1人が「子どもが家族のケアをしていると感じた経験」を持ち、孤立無援の状態にいる例も報告されている(「ヤングケアラーに対する医療福祉専門職の認識」澁谷智子、2014)。若年者に特化した支援システムの整備のためにも、実態把握が喫緊の課題だ。(2014.10)
■公益財団法人 日本女性学習財団のwebから完全引用させていただきました。(20210801当日の掲載内容)
自らが保護され、成長と教育を保障されるべき立場にあり、選択の自由をもつ未成年者が、労働搾取されていること、と、まとめるだけでは足りない。
家族に対する愛や責任、という無言の圧力で、正当化されて、疑問を持てなくなることが、『思考の奴隷化』という最悪の結果をまねくと、私は考える。
そして、かつて『女性』も同じように搾取されてきた、長い歴史がある。ゆっくりとだが、資本主義国の多くでは解決の途上にあることをみれば、young carer課題も又、解決への歩みを始められると願う。
(昭和の大家族を支える、大鍋に、見覚えはありませんか)
この課題が取り上げられると、必ず、反論が寄せられる。
『日本の美しい伝統では、ずっと多世代同居が当たり前で、自分も爺さん婆さんの世話をしたけど、ちゃんと大人になっている。気にしすぎだ。』
この反論には、簡単な答えがある。
何人の大人と子供がいたか?だ。
young carerは、一対一、ないしば、多数の大人と一人の子供に対して、生じる課題である。
不利益、搾取されていると、子供が気付けない環境に置かれていることが、虐待の構図と変わらない。
それでは、家庭の外にいる第三者は、何ができるか?
①搾取対象の未成年者を、家庭の外に引き出すことが、始まりである。
②未成年者の代わりに、どれほど拒否されても、プロフェッショナルな介護者を家庭に、追加する。ないしは、要介護者を病院や施設に保護措置をとる。費用負担は行政が負う。
③未成年者に、他の生活、選択肢を体験させる。言われなき罪悪感を取り除くために、傾聴を経て、心理カウンセリングにつなげる必要もある。
④搾取主に対する意識改革(難しい)が成功しなければ、未成年者と隔離する。
⑤young carerであった未成年者同士による、ピア・サポート・ミーティングを定期的に、繰り返し実施する。→罪悪感や孤立感を共有し、自己許容への橋渡しを企画する
●子供の気持ちにたてば……。
自分が、家族に期待される役割を果たす、良い子だったはずなのに。
そこから引き離されて、別なことをしろ、学校に行け、遊べと言われても、訳わからない。お婆ちゃんは、弟は、私がいなくて、どうしてるだろう?
みんな困ってるよ! 私は酷い奴だ!ごめんなさい。役立たずだよ。
ここから、未成年者を解放しなくてはならないのです。
児童の労働搾取だけでは無い。奴隷化した思考を変えていく手助けが、大人がしなくてはならぬことです。人は、生まれながらに、自ら決める権利を持つ個人、だと、わかってもらう教育が大切です。
敵を見る目で、保護団体の大人を睨む子供を、受け止めて、一人で居ても、したいことをして居ても良いのだと、分かってもらう。子供も大人も大変な一歩。
しかし、社会が、大人が解決しなくてはならない課題なのです。
皆さん、ちょっとだけ、お節介な隣人になりましょう。嫌われる事、間違いなし!(笑)
ご近所に、出歩かなくなった誰かは居ませんか? そのお家の子供は、集団登校にいますか? 昼間、その子を見かけますか?
親一人子一人の暮らしのおうちは、子供が地域の子供会にでてきていますか?
もし、あれっと思ったら?
しばらく注意して見ていてください。
一月たっても、様子が変わらないなら、次の段階に。
地域の町会、子供会の集まりに、話題にしてください。学校でも良い。地域の話題の場所にあげる事で、子供を保護しやすくなります。
(親御さんには、家庭の事情だから、放っておいて。迷惑。勝手なことしないで、等、言われるのは覚悟して。)
誰かに気づかれると、転居していく親は、残念ながら、搾取と虐待の確信犯です。この場合、個人の努力だけでは解決は難しい。ですが、どうか、地域の見守りを、あきらめないで、いきましょう。
流行り言葉として忘れてしまわないでください。これは解決が難しいけれど、身近にある課題なのです。
20210801 過労死予備群、記。