一撃で津波の底のその今際思うは無念無念ぞ夫よ
巡礼のごとく老父は残骸に黙祷しつつわが子尋ねる
月経てば生きておらぬと思えども逢うて抱きしめ含ませ乳房
一波二波波にもまれて断たるとも幸の海より幸祈るらん
大往生させず今際に苦しみを与えし胸に渦巻く津波
一撃で津波の底のその今際思うは無念無念ぞ夫よ
巡礼のごとく老父は残骸に黙祷しつつわが子尋ねる
月経てば生きておらぬと思えども逢うて抱きしめ含ませ乳房
一波二波波にもまれて断たるとも幸の海より幸祈るらん
大往生させず今際に苦しみを与えし胸に渦巻く津波
中央道の中間地点、竹林と雑木林、針葉樹林の交わるところにマキの木がある。以前は孟宗竹に埋もれていた木なのだが、今は周囲の緩斜面は開けて、森の中の空き地に一本あるという風情なのだ。
私有地だった頃の境界に植えられた木の一本で、他のものは発育も木姿も悪いから除伐した残りである。ただこの木がある事で下の地表面の草勢が悪く、思い切って除伐した。胸高直径30cmに足らなかったが、年輪を数えると50本はある。マキの木は硬いと思っていたが、割合用意に切断できた。
この木がなくなったことで、森の中にポッカリと空間が開いた。付近や遊歩道が明るくなったのは勿論だが、この空間が森への空からの進入口になるのを期待している。切断した幹に腰掛けて周囲を見渡すと、これはこれで気持ちがいい。目を閉じると木々のそよぎは聞こえなかったものの、シジュウカラのさえずりが心地よかった。