GITANESをため息と一緒に吐き出すと、
余計に気分が重くなる。
それとは無関係に・・・。
会社。
ちょっと汚れが気になるところがあったので、
掃除道具を手に事務所(2F)を出る。
階段を降り始めると、上がってくる人がいた。
スーツを着た二人組。銀行さん関係だろうか。
比較的若い人と年輩の二人だ。
関係ないが、どちらもメガネをかけている。
「いらっしゃいませ。」
会釈とともに声をかける。会社へのお客だから当然だ。
若い方の男は「こんにちは。」と会釈を返したが、
年輩の方、
ダラーッとした口調で、
「ウーッス。」
なんだそりゃ。
まあ関係ないし、いいか
と、会社の目と鼻の先の施設をちょっと清掃。
5分後、事務所へ戻るために階段をあがる。
さっきの二人組(関係ないけどメガネ)が降りてきた。
用事が終ったのだろう。
さっきは「ウーッス」とあいさつされたが、まあお客には
変わりないし、一応頭を下げてあいさつした。
ふたりはボソボソと小さい声で会話を続けながら階段を
降りていく。
会釈さえなかった。
年輩の方はあろうことか、ズボンのポケットに両手を突っ込んで
階段を降りていった。
なにか商談がこじれたのだろうか。
事務所に戻ると、総務の人が近づいてきた。
「今SGCさんにお客さんだったよ。」
え、あのメガネーズは私への客だったのか。
私「どこの人で何用でした?」
総「ええっと、名刺を預かってる・・・」
某金融機関の○○部長という人だった。
メガネーズ・シニアは部長さんだったのか。
私「用件、言ってましたか?」
総「ええっと、この地図のこの土地が競売に出ていて、
それをご存知でしょうか・興味はおありですか って。」
その金融機関がその土地の抵当権をもっているのは知っていた。
しかし、○○部長さんよ、
その情報は微妙に古い。よそからの情報では、
他所でその件についていろいろ画策している人がいるのだよ。
それと、階段ですれ違ったラフな風体の男を見て油断したの
だろうけど、「ウーッス」なんてあいさつをしていると、
ロクなことはないです。
もちろん私はそのような大型の案件の決裁権者ではないが、
窓口担当者であり、決裁権者(オーナー)に対して、具申はするのです。
ジーパンを履いていても。そのジーパンに穴が開いていても。
手にほうきを持っていても。
ロクなことはないと言っても、そのメガネーズ・シニアは部長にまで
上り詰めたのだから成功者ではあるのだろうけど。
甘いもんだ、○○信用金庫。
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