the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 





GITANESを始めるころよりずっとずっと昔。
それとは無関係に・・・。

先日オフィス近くを歩いているとき、左前方
から流れてきた匂い。
いつもなら右前方から焼き鳥かウナギの匂いが
漂ってくるのだが、この日は違っていた。

あれ、プールの匂い?

プールの匂いが具体的に何で構成されているのか
知らない。いろいろ交じり合った「プールの匂い」
だ。それも「学校のプールの匂い」だ。
匂いが最も「記憶を呼び起こす装置」だと言うが
全面的に賛成する。数分間タイムスリップした。
小学生の頃に記憶が飛ぶ。

」」」」」」」」」」」」」」」」」
プールに入る前に浴びせられたシャワーの水が
冷たかった。
コンクリートが焼けてプールサイドを歩くのに
大騒ぎだった。そしてその上で入念に準備運動
させられた。でもしばらく泳いでから
プールサイドに寝転がるときには温かくて
気持ちよかった気もする。

塩素だろうか、消毒の匂いはきつかった。
数日に一度入れ替えられた水は透き通っていて
潜ってもずっと先まで見通せた。
蜂が飛んでくるたびに大騒ぎになる。
でも、蜂は飛んできただけですぐわかるから
対処できたが、虻の方が厄介だった。
油断していたらいつのまにか身体に止まり
チクッとやられた。

泳ぐのは苦手ではなかったが持久力があまり
なかったので、距離を泳がされるのはきつかった。
スピードでは負けなかった。潜水競争も
楽しかった。

夏休みには地区ごとに時間が割り当てられていた。
週に4~5日、一回2時間だっただろうか、
可能な限りプールに行った。
低学年のころはその2時間で疲れ切ってしまい、
家に帰るとすぐに眠ってしまった。
クーラーなんかない部屋の、開け放たれた
窓際で寝た。目隠しのためのスダレが風で
いったりきたりしていた。
それを目で追いながら気絶するように
寝てしまっていた。

当然すぐに回復する。
翌日は元気満タンだ。
またプールに行く。
9月に入っても数回は授業で水泳の時間が
あったと思う。
そのころには、飛んでいるトンボの種類が
だんだん変わってきており、
「あ、もうプールの時期も終わりだな」
と、なんとなく寂しくもあった。

水泳でどれだけ消耗していても、夕方には
少年野球の練習が始まる。
水泳に参加した日に野球の練習を休んだり
すると、これ以上ないほど指導者が怒る。
だからイヤでも行く。
泥だらけ、汗だくになる。
野球をやっている間は水を飲むな!
という、今では考えられない時代だった。
だから全身が汚れ、水も飲めない状態で
ボールを追いかけ(させされ)、
グラウンドのすぐ横にあるプールを
恨めしくチラチラ見ていた。
午前中はあそこでイヤと言うほど
水遊びしていたのになあ。

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 やっぱりこの匂いはプールだな。
いろいろ入り混じってトータルでプールの
匂いだ。ジリジリする匂いだ。
短い短いタイムスリップから我に返る。


しかしもちろんオフィス近く、その場面の
左前方にはプールなどない。
そしてこの先、奇声を発しながらプールで
遊ぶことは多分ないだろう。
別にそれは寂しくないが、あれから随分
経ったな、とは思う。








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