GITANESのための灰皿を撤去したら
机の上がスカスカになった。
それとは無関係に・・・。
店舗改装工事の類の仕事がある時期には、いつもより一層
初対面の人と会う頻度が跳ねあがる。
自分の名刺がどんどん減り、他人の名刺がどんどん増えていく。
他人の名刺が増えていくもんだから、ただでさえ他人様の顔を
憶える能力に欠けている私は、もう誰が誰なのか、会ったのか
会わなかったのかさえわからなくなる。
名刺を交換して、一頻り「この度はありがとうございました」
なんてお礼を言われ、
「いやいや、こちらこそありがとうございますどうもどうも」
なんてペコペコお互いに頭を下げる訳である。
初対面の人といろいろと探り合いながら、時候のあいさつから
日常会話のやり取りをするのはあまり好きではない。
だから単刀直入に仕事の話に入ってくれれば助かるのだが、
なかなかそんな人はいない。
「暑いですね」「寒いですね」とか
「なかなか厳しいですねえ最近」とか、
「お噂はかねがね」などから始まって、お互いの会社の最近の
業績や業界の流れなんかの話になる。
ひどい人になると
「どうっすか最近?」なんて訊き方をするヤツもいるが、
「くるぶしが痒いですねえ」なんて正直に答えるわけにも
いかないので、
「はあ、まあなんとか」なんて、何の答にもなっていない返事を
する。
何の答にもなっていないのに、
「はあ、そうですかぁ」なんて返事が返ってくるのが空しい。
名刺の最も目立つ場所に、
「社交辞令不要、あいさつは短く」と刷っておくのがいいかも知れん。
さて目の前に先週もらった名刺が20枚ほどある。
そのうち名前も顔も会話の内容も一致するのは5人。
顔はわかるという人と、顔は忘れてしまったが会話の内容は
憶えているという人も何人か。
3名は、顔も浮かばず商談の内容もわからず、そもそも
会ったのかどうかさえも定かではない。
私にはやはり、基本的なビジネスマンとしての才能が
欠けているのかも知れない。
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