熟字訓(じゅくじくん)とは、日本語において漢字からなる単語に、単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたものである。それ故に、単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れず、その読み方でも分節不可能なものが多い。 常用漢字表の付表には、熟字訓の全てではないが、そのうちの116種(123表記)が示されている。 |
Q1.南風
①. はえ
②. こち
③. はやて
Q2. 東雲
①. たそがれ
②. しののめ
③. あけぼの
Q3. 五月雨
①. しぐれ
②. にわかあめ
③. さみだれ
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A1.南風
正解①. はえ
※大和言葉で南方のことを「はえ」と言ったそうです。
沖縄の方言では、南を「はえ」、北を「にし」というそうです。
東風・・こち 春に吹く東の方から吹いてくる風。ひがしかぜ。春風。梅東風(ウメゴチ)、桜東風(サクラゴチ)、雲雀東風(ヒバリゴチ)、など時期に応じた名をつけて呼ぶ。《季春》
南風・・はえ 山陰、西九州地方でよく用いられる南風の呼名。梅雨の初めの黒い雨雲の下を吹く黒南風(くろはえ)、梅雨の最盛期の強い南風の荒南風(あらはえ)、梅雨明け後に吹く白南風(しらはえ、しろはえ)、などといわれる。
西風・・ならい ならひ、ともいう。東日本の太平洋側で吹く冬の季節風。冬の卓越風は地方によって風向が異なり、北東風、北風、西風などさまざまである。
北風・・あなじ 乾風(あなじ)=あなぜ、あなし、ともいう。冬に西日本で吹く強い北西季節風。あなじの八日吹き、といって、陰暦12月8日に荒れ模様になる事などがこの風の特徴。 |
②. こち…東風
③. はやて…疾風
A2. 東雲
正解②. しののめ
東雲(しののめ)の語源 古語としての「東雲(しののめ)」は平安時代の「古今和歌集」などに用例が見出せる。もともと「しののめ」という読み方は「篠の目」から転じた語とされる。篠の目は、住居に採光の用途で設置された篠竹の目のこと。(篠の目から射す光量はそう多くない)。明け方の薄明を篠の目になぞらえて「しののめ」と呼ぶようになり、さらに明け方を象徴する「東雲」が当て字されて、「東雲(しののめ)」という語彙が成立したと考えられている。 |
①. たそがれ…黄昏
③. あけぼの…曙
A3. 五月雨
正解③. さみだれ
「さ」という文字を稲作と関連付けて考察する説は、戦後の民俗学者らによって唱えられた考え方。「さ」とは山の神であり、春になると里に降りてきて田の神・稲霊となるという。 この「サ神信仰」によれば、春に咲く桜(さくら)の「さ」も同様の語源・由来とされ、田の神・稲霊「さ」が宿る「坐(くら)」なので「さ・くら」と解釈される。 日本人が桜の花見を好むのも、こうした「サ神信仰」が背景にあるとの説明は非常に興味深い。 五月雨(さみだれ/さつきあめ)は、陰暦5月「皐月(さつき)」の頃に降りつづく長雨。上述のとおり、陰暦5月は現代の磨だと6月頃にあたり、時期的に梅雨(つゆ)の長雨を意味している。「さみだれ」の「みだれ」の語源は、水が垂れるという意味の「水垂 (みだれ)」に由来すると考えられる。 |
豆知識-端午の節句-
月ごとに十二支を当てはめ、5月が午になることから、月初めの午の日を端午(たんご)と呼びます。
もともと日本の端午の節句は女性の行事だったそうです。
田植えの時期である5月最初の午の日に、稲(いね)の神様に豊穣を祈願する早乙女(さおとめ)と呼ばれる若い娘達が、小屋や神社にこもり、田植えの前に穢れを祓う「五月忌み(さつきいみ)」と呼ばれる風習だったそうです。
日本でも古くから邪気祓いの力があるとされていた菖蒲(しょうぶ)と薬草のヨモギを軒(のき)にさしたり、つるしたりすることで厄災を祓い穢れを浄化できると考えられていました。
この日は女性は何もせずに、一日を過ごし、男たちが家事をしたそうです。
翌6日から、早乙女たちにより田植えが始まったそうです。
①. しぐれ…時雨
②. にわかあめ…俄雨
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