都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
作:都月満夫
オレは、スーパーで買い物をしていた。
帰り際に隣り合わせになったご婦人。互いに目が合う。あれ…、この人…。
ワタシは、いつものように買い物をしていました。帰り際で隣り合わせになった殿方。互いに目が合いました。あら…、この人…。
「佐希子さん?」
「桜井君?」
五十を過ぎて、高校時代の彼氏と彼女が、ご対面。
「どうしてたの?佐希ちゃん。」
どっ…。どうしてたの?って…。どうしよう。いまだに私、独身なんて言えないよ。きっとサクラ、結婚してるんだろうな。
「ええ…、マア…、普通に…。」
…、普通か。どうしよう。オレは結婚も出来ない、中年オヤジ、なんて言えないよな。
「佐希ちゃん、暇?」
…。あ、余計なこと聞いちゃった。
「ええ、まあ…。」
まっ…。まずいわ、お茶でもなんて言われたらどうしよう。
…。暇なのか、誘わないとまずいよな。
「そこのドーナツ屋で、コーヒーでも…、どうかな…。」
やっ…。やっぱりきたよ。暇って言っちゃったし…。
「ええ…、そうね。ちょっとの間なら、まだ…、旦那も帰ってこないから…。」
いっ…。イヤだ。旦那だなんて…、余計なこと言っちゃった…。
「ああ、旦那さんいるんだ。そうだよね。いて当たり前だよね。」
…。いるよな…。
二人はレジ袋を下げたまま、スーパーの店内にある、ドーナツ屋に入りました。
「佐希ちゃん、何にする?」
「コーヒーでいいわよ。」
「じゃあ、オレ、買ってくる。」
どっ…。どうしよう。旦那がいるなんて言わなければよかった。サクラは、結婚…、してるんだろうな。
「ハイ、お待たせ。」
いっ…。イヤだ。私、お弁当買ってる。それも、ひとつ。バレないように…。
佐希子は、レジ袋の向きを静かに回転させた。心臓が、相手に聞こえるんじゃないか、と思うくらいの音をたてる。
「ありがとう。」
ちょっとの間…、沈黙。ズズーっと、コーヒーを啜る音がやけに大きい。
「あの…。」
「ええと…。」
同時に話し出し、また沈黙。
「佐希ちゃん、変わらないね。若くて…、結婚してるように見えないよ。」
「そお…。アリガトウ。」
やっ…。ヤッパ、バレてんのかな…。普通の奥さん、こんなに髪伸ばしてないもん。
「サクラも、若いわ。サクラこそ、独身みたい。」
…。マズい。判るのかな。どうしよう…。あっ、オレ、弁当買ってる…。
「あれれ、サクラ、お弁当買ったの?ひとつじゃない。」
…。ああ…。白状するか。
「うん、実はオレ、一人なんだ。」
「一人って…、奥さん、どこかへ出掛けているの?」
「いやあ、そうじゃなく、独身。」
「あら、別れたの…。」
「そうじゃなく、ズーッと独身。」
「え、一度も結婚していないの?」
「そう、一度も…。面目ない…。」
…。何度も確認するなよ。
「別に面目ないってことはないわよ。」
わっ…。私も見栄を張らずに、言っちゃえばよかった。でも手遅れ…。このまま、既婚者を決め込むしかないわ。そこに触れないように話をすればいいのよ。
「佐希ちゃん、結婚生活ってどうなの?」
いっ…。いきなりかよ。
「別にどうってことはないわよ。普通よ、普通。」
「普通か…。じゃあ、専業主婦なの?」
どっ…。どうしよう。そう、仕事の話に持っていけばいいのよ。
「専業主婦なんて、ご大層な身分じゃないわよ。働いてるわよ。」
「パート、してるんだ…。」
「パートじゃなくて、社員。」
しっ…。しまった。パートって言えばよかった。そのほうが主婦らしい。
「へえ…、社員なんだ。よく…、社員になれたね。」
あっ…。ああ、そうだよね。
「いや…、結婚前から、働いてるとこ…。」
「ああ、そうなんだ。どこなの?」
そっ…。そんなに突っ込むなよ。
「いいじゃない、どこだって…。」
「そりゃあ、いいけど。言ったっていいじゃないか。」
いっ…。意外としつこい…。
「プロパンガスの事業組合。」
「あれ、意外と身近だったんだ…。」
「身近って何よ。」
「オレ、北海熱供って会社。そこの石油部で経理の仕事してるんだよ。ウチにもプロパン部があるから…、知ってるよね。」
こっ…。これじゃあバレバレじゃない。
「ええ、プロパンの人は来るわよ。でも、石油部の人は関係ないわよね。」
「ああ、関係ないよ。でも、こういうことってあるんだな。こんな身近にいたのに、知らなかったなんて…。」
「ほんとね、偶然…。」
「今度、覗いてみようかな…。」
なっ…。なに言い出すのよ…。
「いいわよ、よしてよ。趣味が悪い…。」
「ウソだよ。オレだって…、何か恥ずかしいしさ…。」
よっ…。よかったわ。何とかクリア…。でも、何で恥ずかしいのよ…。
「恥ずかしいって何よ!私と知り合いがいがイヤってこと…。」
なっ…。何てこと言ってんだよ…。
「なんとなく、照れるじゃない。どんな知り合い?なんて聞かれたら…。」
「そっか、そうよね…。」
でっ…。でも、釘を刺しておかないと…。
「絶対こないでよ。私だって恥ずかしいから…。来たら絶交よ。」
「絶交って何だよ。交際してるわけでもないのに…。」
あっ…。あら、またまずいこと言っちゃった。
「違うわよ。そういう訳じゃなく。言葉の綾よ…。」
「言葉の綾で絶交はないだろう…。」
さっ…。サクラ、本当に怒ってる?
「何でそんなにむきになるのよ…。」
「別に、むきになってるわけじゃ…。」
こっ…。この人、まだ私のこと好きなのかも…。
「もしかして…、私のこと、まだ…、好きだったりして…。」
「あっ、いや…、その…、嫌いじゃないけど…。」
しっ…。しまった。なんで旦那がいるなんていったんだ…。バカだね、ワタシ…。
「好きって言われたって…。」
「えっ、なに言ってるの…。好きとは言ってないよ。嫌いじゃないって言っただけだよ…。」
なっ…。なんてこと聞いたんだ…。
「嫌いじゃないってことは、好きってことじゃないの…。」
あっ…。あいやっ…。墓穴掘ったかも…。
「佐希ちゃんこそ…、オレのこと、まだ好きだったりして…。」
うっ…。うわっ。見透かされたか…。
「ワタシだって、嫌いじゃないわよ…。変な意味じゃなくて…よ。勘違いしないで…。」
ぼっ…。墓穴深くしちゃったかも…。
「変な意味って、どういうことだよ…。」
「だから…。そのまんま…よ。勘違いされたら困るから…。」
かっ…。勘違いしてもいいのよ…。
「勘違いで、人を好きになるほど、オッチョコチョイじゃあないよ。」
…。オレ、まだ佐希ちゃんのこと、好きなのかも…。
「本気だったら、迷惑よ。」
なっ…。何で言うのよ…。心、裏腹…。
「迷惑でも…、好きって言ったら…、佐希ちゃん、どうする?」
けっ…。結構大胆なこと言ってくれるじゃない…、サクラ。
「ワタシに、不倫を迫るわけ…?」
けっ…。結婚もしてないのに、不倫はないか…。
「不倫…?そんなこと言ってない…よ。ただ、どうするって聞いただけだよ…。」
…。こいつ、慌ててるよ…。
「そんなこと…、聞かないでよ。答えようがないじゃない…、バカ。」
ばっ…。バカなんて言っちゃったよ。
「バカはないだろう…。佐希ちゃん。」
「ゴメン…。今のは、失言。」
しっ…。失言はマズイか?
「失言ってことは、思ってるってことじゃないか。撤回してくれよ…。」
そっ…。そうよね…。
「失言は、失言でした。撤回します。これでいいんでしょ…。」
なっ…。何故、こんなこと言うんだ…。
「変わらないよな…、そんなとこ…。」
けっ…。結構、許してるのか…?
「変わらなくて、悪かったわね。どうせ、進歩なしの、おバカよ…。」
ほっ…。本当だ。いつもこうやって、喧嘩ばかりしてたのよね…。懐かしいわ。この感じ…。
「バカじゃないよ。いつもこうやって、喧嘩ばかりしてたけど、たまに、凄く懐かしく思うことがあってさ…。佐希ちゃん、どうしてるのかな…って。」
そっ…。そんなこと思ってたの。なら、連絡くれればいいのに…。サクラが大学に行ってから、音信普通だったし…。あのころは、携帯もなかったし…。ワタシだって…、チョッとは気にしてたのに…。サクラの家には電話しづらいじゃない。今更って感じで…。
「そうね…。ワタシも、時々思うことがあった。サクラ、結婚して、幸せなんだろうな…、って…。」
二人の思いが、一目散に時を賭け戻る間、ちょっとした沈黙があった。
「…、でもサクラ、結婚してなかったんだよね。何かホッとした。」
ほっ…。ホッとしたって何だよ…。
「オレも、佐希ちゃん、若くて、綺麗で、怒りっぽくて、すぐムキになって…、あの頃と同じだな…って、安心した。」
すっ…。スルーしてくれたよ。
「そっかー、同じだね。」
「コーヒー、お代りしようか?」
「うん。」
佐希子は、旦那がいるといったことなど、忘れていた。
「オレさ、家を持ってるんだ。自分の家。一人暮らしが侘しくて、家を建てて、庭を造って…。家の前に小川が流れててさ、いいところなんだ。」
なっ…。なに、こいつ、ワタシに何が言いたいの?
「家建てて、一人で住んでるなんて、尚更侘しくない?好きな人…、いなかったの?」
「うん、仕事が忙しくてさ…。そんな暇なかった。でも…、暇は作るもんだよな。今頃気づいても遅いか…。」
「遅いってことはないんじゃない。これからってことだって…。何が起こるかわかんないよ…。」
なっ…。何で励ましてんだろう。
「そういってくれるのは、佐希ちゃんだけだよ。オレ、ただのオジサンだし…。」
「そんなことないって…、まだまだいけるよ。ガンバンなよ、サクラ…。」
「会社では、若い子に結構人気があるけどさ…。それは、オジサンとしての人気であって、男性としての人気ではない…、ってことぐらい、自分で分かってるよ…。」
なっ…。なんだ、サクラ。急にショボクレてきたよ。
「サクラ…、何だよ、そんなにショボクレて…。そんなサクラ、嫌いだよ。」
「えっ、じゃあ、やっぱり、もしかして、オレのこと好きだった?」
「うん、好きだったよ。ずっとね。でもさ…、好きだってことだけじゃ、どうにもならないんだよね。好きだっていう言葉の空間を飛び越えなきゃ、それだけ…、なんだよ…。」
「そうだな、そうなんだよ。その空間は、いつも、こんなに近かったのに…。近すぎて見えなかったんだよ…。オレたち。」
二人は、互いの胸に湧き上がる想いを沈めるように、押し黙ってしまった。
このまま別れたくない。二人はそう思っていた。しかし、今更、そう今更なんだと、互いに思っていた。今更…。
「サクラ…、今度、サクラの家、見にいってもいいかな…?」
いっ…。言っちゃったよ。
「いいよ。佐希ちゃんなら、大歓迎だよ。いいとこだよ。毎日野鳥は来るし、家の前の小川には、虹鱒が泳いでいる。周囲も、結構緑が多いし、庭には、オレが作ったガーデンテーブルとベンチがある。天気のいい日は、そこに座ってコーヒーなんか飲んでさ…。」
「それって、よさそうだね。でも、そのコーヒーは、インスタントじゃダメだよ。サクラが、ドリップしてくれたやつでなきゃ…。」
「そりゃ…、そうだよ。美味いぜ、オレの落としたコーヒー。病み付きになるけどいいのかな…。」
「いいよ…。病み付きになってやるよ。本当に美味しいならだけど…。」
まっ…。また言ってるよ。素直になれ、佐希子…。
「美味しいさ…。美味しいに決まってるじゃない…。オレが佐希ちゃんのために落とすコーヒーが、不味いわけがないだろう…。」
「じゃあ、今度暇なとき、行ってやるよ。なかなか暇がないけどさ…。」
「いいよ…。佐希ちゃんの暇なときで…。」
「彼女の一人も作れないオヤジだけど、ワタシが相手になってあげますよ。言っとくけどね、なってあげるってとこ…、忘れないでよ。分かった…。」
「分かってるよ…。」
二人が高校生のような会話を始めてから、一時間が経過していた。
佐希子は、自分が結婚していると嘘を言ったことなど、完全に忘れていた。
「佐希ちゃん、そろそろ…、帰ろうか…。」
「えっ、いやだ。もうこんな時間…。」
「そろそろ…、帰ってくるんじゃないの。」
「誰?あ、ええ、そうよ、旦那がいたんだ…、ワタシ。どうしよう。」
「いいよ、佐希ちゃん。旦那なんかいないんだろ?分かってるよ。」
「何いってるのよ…。」
「旦那さんがいる人が、お弁当ひとつ買わないよ。今度、ご飯…、食べに行こうか。」
今朝は昨日に引き続き青空です。長雨の影響で咲き遅れていた水仙が花をつけました。
今日は朝撮りの「白水仙」を紹介しましょう。
水仙 (すいせん)
・彼岸花(ひがんばな)科。
・学名 Narcissus tazetta var. chinensis
(日本水仙)
Narcissus : スイセン属
tazetta : 小さいコーヒー茶碗 (イタリア語)
chinensis : 中国の
Narcissus(ナルキッサス、ナルシサス)はギリシャ神話の美少年の名前にちなむ。
・ 開花時期は、12/15頃~翌4/20頃。
・ 早咲きものは正月前にはすでに咲き出している(「日本水仙」「房咲き水仙」などの
早咲き系は12月から2月頃に開花)。
3月中旬頃から咲き出すものは花がひとまわり大きいものが多い。
(「ラッパ水仙」や「口紅水仙」などの遅咲き系は、3月から4月頃に開花)
・地中海沿岸原産。平安末期に中国から渡来。
したっけ。
女の字は女性の跪(ひざまず)いた様子に象(かたど)り、女性を意味する。偏旁の意符としては女性・婚姻・姻戚・姓・感情などに関することを示す。意符としては、大抵は左か下に来る字が多い。
女部は上記のような意符を構成要素とする漢字を収める。
女:女性のなよやかな肢体を写生したもの | |
奴:女と仕事を表す右手(又)から労働に従事する女の意。広く人に使われる卑しい人間をさし、「しもべ」の意となった。もとは罪人を召使にしていた。 | |
如:女と言葉を意味する口からなり、女が他人の言葉によく従う意をあらわす。昔のことです・・・。 | |
好:女と子からなり、若い女性を意味し、ひいてよい、このむ。 | |
嫌:女と音を表し,同時に倦(う)み、「きらう」を示す「兼」からなる。女にうみ、あきるから、きらう意となった。好きも、嫌いも女偏なのはどういうことでしょう?心の問題ですから、「りっしんべん」でもよさそうなのに・・・。男性社会の一面がうかがえます。 | |
妙:女と音を表し同時に「こまやかな」の意小(少)からなり、女のこまやかに美しい意。ほとんどの、男性はこれには抵抗力がない生き物です。 | |
妖:女と同時になよなよと美しい女。夭はひとが首を曲げて「しな」をつくっている。同じ女の魅力もこちらは、なまめかしい、妖怪になるとは・・・。 | |
委:女と音を表す禾カ(イは古い音)からなる。禾は稲のこと。女が体をなよなよさせる意。ひいて体を他のものにゆだねる、まかせる。 | |
婚:女と日暮れの意の昏からなる。婚姻の儀式は日暮れに行われた。 | |
嫁:嫁(とつ)ぐとは家にとつぐのであって、愛する夫に嫁いだわけではないのです。 | |
妻:女と音を表し同時に我が物とする意(取シュ)を示す、から、自分のものとした女。 |
漢字は三千年以上の歴史を持つため、現代社会には適さない価値観を含んでいることがあります。中でも「女」を含む漢字は女性蔑視の考えに基づくものがあります。女偏の文字を調べてみると、男性社会における女性の歴史が見え隠れします。
現在において、字義が正しいかどうかは、皆さんの判断によるものとします。
したっけ。
元気がないときは、元気がないのだからどんなことをしても、元気にはなりませんよ。
元気がないときは、体調が悪いか、何かに失敗
したとき。どちらも、どうしようも
ありません、あがけばあがくほど悪いほうへ向かいます
。
そんなときは、ないもしないことです。寝ることです。眠れば思考も停まり、脳がリフレッシュ
!
それが一番いいんでないかい。
したっけ。
今朝は青空です。5日ぶりに雨のない朝です。これでやっと庭の花も咲いてくれるでしょう。
今日は朝撮りの「ボケ」を紹介します。
ボケ(木瓜) バラ科
学名:Chaenomeles speciosa
Chaenomeles:ボケ属
speciosa :美しい、華やかな
Chaenomeles(カエノメレス)は ギリシャ語の「chaino(開ける)+ melon(リンゴ)」が語源で、”裂けたリンゴ”の意味。
・花期:春
・開花時期は、11/25頃~ 4/15頃。(自宅ではいま咲いています)
11月頃から咲き出す花は、春に開花するものと区別するために「寒木瓜(かんぼけ)」と呼ばれることがある。
・中国原産。
・実が瓜のような形であるところから「木瓜」。
「木瓜」を「もっけ」と呼んでいたのが、次第に「もけ」→「ぼけ」になった。(「ぼっくわ」→「ぼけ」の説もある)
・花の色は赤、白、ピンクなど。
・枝にトゲがある場合とない場合がある。
自宅の木瓜は、花は赤で枝には刺があります。
したっけ。
【うかんむり】:片仮名の「ウ」の形から
宀部(べんぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。宀の字は交差して覆う屋根の形に象り、家屋を意味する。
偏旁の意符では主に家屋や屋根の名称・家屋に関わる形容詞・動詞であることを示している。
家庭の「家」という文字でウ冠は家の屋根のことをいいます。この文字の下の部分は、「犬」の死体を意味しているそうです。病気や災いにあわないように犬の死体を埋めたということです。屋根の下に犬を埋めて地の霊を鎮めることを表わした漢字です。今で言う「地鎮祭」です。犬は人間の身代わりになってくれる動物であったようです。
それでは安全の「安」の字はどうでしょうか。ウ冠の中に「女」の文字がはいっています。
家の中に女性がいれば安全,安泰の意味です。何時の時代も家の外に出かける女性に男性は心痛めていたという証でしょうか…。
これはよそからはいってきた女性がその家で受け入れられてこそ家の安全が保たれる、ということを意味しています。
「宇」という字は、ウ冠と「于」という字に別けられます。「于」は、二枚の厚板に棒を通して湾曲させるさまで、曲がるという意味があります。うかんむりの「家をおおう屋根」とあわせて大きな屋根のような大空におおわれた空間という意味になりました。宇宙のことなのです。広大な家のことなのでしょうか…。
「ウ冠」の場合は「室」や「家」「宅」「宿」「寮」などに代表されるように、家屋に関係する意味を持つ漢字が多く集まっています。
大地には色々なものがありますが、ソラは何もありません。ですから、ソラは、穴なのです。
穴の下の「工」は、読み(音)。「工」は、音読みで「コウ」と読みます。「空」も音読みは、元々は「コウ」です。
音を表す字のパーツのことを音符といいます。また、部首は漢字の大まかな意味を表すので意符ともいいます。慣用では「クウ」と発音する方が多いですが…。
崖や山肌に横に開いた空間は、横穴、地面に開いた空間は、竪穴です。原始人はこの穴から、無限の空間を見ていたのかもしれません。「穴冠」は、空間を表す文字に使用されます。
「空」に屋根はありませんから…。って、空には屋根がなくて宇宙には屋根がある?
昔の人の世界観が分かりません・・・。
したっけ。
【衣偏】漢字の偏の一。
漢和辞典では一般に「衣」(六画)部に配列される。
「ころもへん」と「しめすへん」ですが、衣偏の衣は、着物のあわせを前から見た象形文字です。活字だとわかりづらいですが、金石文・甲骨文字を見るとすぐにわかります。
「左前・右前」といった着物の前をあわせるところです。ですので、着物に関する漢字に用いられます。
漢和辞典で衣偏を見ると解りますが、衣偏のつくだいたいのものは衣服関係です。
その漢字の第二第三あたりの意味に、衣服関連の意味を持つものばかりです。
「裕」という字も「豊か、ゆとりがある」の意味の他に「着物がじゅうぶんな事」という意味があります。
深読みしなくては解らないかも知れませんが、貧しい人はまず衣服を粗末にします。食と住を優先します。食と住がなくなることは死に直結するからです。
ですから、衣服にお金をかけられる、丈を長くできる、何枚も重ねて着られる。
それがつまり「裕福」という事なのです。
衣 |
<shapetype id="_x0000_t75" stroked="f" filled="f" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" o:preferrelative="t" o:spt="75" coordsize="21600,21600"><stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f></formulas><path o:connecttype="rect" gradientshapeok="t" o:extrusionok="f"></path><lock aspectratio="t" v:ext="edit"></lock></shapetype><shape id="_x0000_i1025" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 40.5pt; HEIGHT: 56.25pt"><imagedata o:href="http://www.ens.ne.jp/~a-in/img/kan13/koromo.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.gif"></imagedata></shape> |
きもののえりもとを合わせる形。 |
「ふすま」は「襖(=衣偏に奥)」と書きます。
ふすまは平安時代、寝殿造り住居の帳台(ちょうだい:寝床部分)を囲うものとして帷(とばり)の代わりに登場しましたが、その帳台がこの住居の「奥」、つまり最も神聖な部分でありそれを「包む」ものとして「襖」があったことが、漢字からわかります。
衣偏は、ころもだけに「身につける」という意味を持つことから、襖が西洋の間仕切りよりもより身体的な感覚だったことがわかるのです。
日本人の住居感覚が文字から想像できるのです。だから、漢字は面白い。
【初】ショ ソ はじめ
【衫】サン セ
【衿】キン コン えり
【衵】ジツ ニチ あこめ
【衽】ジン ニン おくみ えり
【衲】ドウ ジョウ ころも
【袂】ベイ ヘイ たもと
【袖】シュウ ジュ そで
【袗】シン
【袒】タン ダン かたぬ・ぐ
【祖】ソ
【袮】ネ チ
【袢】ハンボン
【袙】ハ バク あこめ
【被】ヒ こうむ・る おお・う
【袍】ホウ ボウ わたいれ
【裃】かみしも
【裄】ゆき
【袿】ケイ ケ うちかけ うちぎ
【袴】コク はかま
【袷】キュウ コウ あわせ
【袵】ジン ニン おくみ えり
【袱】フク ブク ふくさ
【裙】クン グン もすそ すそ
【補】ホ フ おぎな・う
【裕】ユウ ユ ゆた・か
【裡】リ うら うち
【褄】つま
【褂】カイ ケ
【褐】カツ ガチ ぬのこ
【裾】キョ コ すそ
【裼】セキ テイ はだぬ・ぐ
【裨】ヒ ビ おぎな・う たす・ける
【裸】ラ はだか
【裲】リョウ ロウ うちかけ
【褌】コン ふんどし
【褝】ゼン セン ゆず・る
【複】フク ふたた・び
【褊】ヘン せま・い
【褓】ホ ホウ むつき
【褞】ウン オン ぬのこ
【褥】ジョク ニク しとね
【褪】タイ トン あせ・る
【褫】チ ジ うば・う
【褶】シュウ ジュウ かさ・ねる
【褸】ル ロウ つづ・れ ぼろ
【襖】オウ あお ふすま
【襁】キョウ コウ むつき
【襍】ザツ ゾウ ま・じる
【襌】タン ひとえ
【襟】キン コン えり
【襠】トウ まち うちかけ
【襦】ジュ ニュウ はだぎ
【襪】ハツ ベツ
【襭】ケツ ゲチ
【襤】ラン ぼろ
【襯】シン はだぎ
【襴】ラン
【襷】たすき
\(~o~)/ おつかれー。
示す偏については下記を御参照下さい。
■「示す偏について考える」
http://blog.goo.ne.jp/tudukimituo1028/d/20100512
http://blog.goo.ne.jp/tudukimituo1028/d/20090615
したっけ。
つっ‐けんどん【突っ慳貪】
[形動][文][ナリ]無遠慮でとげとげしいさま。冷淡なさま。「―な応対」
辞書:大辞泉
『慳』には物惜しみをすると言う意味があり、『貧』にはむさぼるという意味があり、『慳貪=物をむさぼる』と言う意味になります。
さらに『慳貪』には、ケチで欲が深い・邪険にすると言う意味も附加されるようになりました。
この言葉は、鎌倉時代:十三世紀前期に書かれた説話集『宇治拾遺物語』の中に《露ばかりも、人に物与ふることをせず、慳貪に、罪ふかくみえければ》と書かれています。
その言葉をさらに強調する『突』が付けられたのが江戸時代あたりで、江戸時代:十九世紀中頃に書かれた『春秋二季種・しゅんじゅうふたきぐさ』の中に《いつも吉こうがつっけんどんに口をきくもんだから》と言う庶民の会話が収録されています。
<shapetype id="_x0000_t75" stroked="f" filled="f" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" o:preferrelative="t" o:spt="75" coordsize="21600,21600"> <stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f></formulas><path o:connecttype="rect" gradientshapeok="t" o:extrusionok="f"></path><lock aspectratio="t" v:ext="edit"></lock></shapetype><shape id="_x0000_i1025" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 12pt"><imagedata o:href="http://kotobank.jp/i/shogakukan/gaiji/F7AE.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.gif"></imagedata></shape>[名・形動]
1 物惜しみすること。けちで欲深いこと。また、そのさま。
2 思いやりのないこと。じゃけんなこと。また、そのさま。「―な口を聞く」「―に物を言う」
<shape id="_x0000_i1026" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 12pt"><imagedata o:href="http://kotobank.jp/i/shogakukan/gaiji/F7AF.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image002.gif"></imagedata></shape>[名](多く「倹飩」と書く)
1江戸時代、そば・うどん・飯・酒などを、愛想がなく一杯ずつ盛り切りしたもの。
江戸中期頃、うどんの別名を『けんどん』といったそうです。そして、麺類店は『けんどん屋』と呼ばれていたそうです。
2けんどん箱の略。
『広辞苑』
儉飩(けんどん)和風指物の蓋の開閉の仕方のひとつ。上下に溝があり、上の溝が深くなっていて、蓋をまず深いほうへはめてから下の浅い溝へはめるやりかた。うどんやそばの出前に使う箱「岡持ち」などが典型例。
また、けんどん箱は本箱に似ているので、書巻の「巻」の字にかけて「巻頓」と書くなど諸説があるが、樫貪が定説。
絵本 淺紫 (えほん あさむらさき)二巻二冊
北尾重政画 江戸西村源六等 明和六年(1769年)
江戸後期の浮世絵師、北尾重政(一世)(号は紅翠斎・花藍)(1739~1820)の画で、忌詞や流行ものについてその言葉の由来を説明している。
(6) 蕎麦 切 盛 美
中にも浅草 道 好 庵
又これを 鬻
1 けんどんといふハ 給仕もいらず あいさつ するにも あらねバ そのさま
2 慳貪
3 倹 飩
したっけ。
友達にメールを送ったのに、その後何の音沙汰もない。
「あいつは、うんともすんとも言ってこない。」
などと言ってボヤクことになります。
この「うんともすんとも」という言葉は、単に「はい。」という意味の「うん。」に語呂合わせしたようにもみえますが、実はそうではありません。この言葉には、もっと、歴史的な背景があるのです。
「うんともすんとも」のルーツを探ると、江戸時代に流行した「うんすんカルタ」というものに行き着きます。
「うんすんカルタ (un-sumo carta)」は、室町時代に、ポルトガルの船員たちから伝わったトランプを日本でつくりかえたカルタのことです。このポルトガルより伝えられたカルタは「南蛮かるた」、その国産品は天正カルタとよばれ48枚(12ランク、4スート)であったが、「うんすんかるた」はゲームをより複雑にするために「天正かるた」を元にして元禄の終わりから宝永の初め頃(十八世紀初頭)新たに考案されたものです。
当時のポルトガルのカードは、剣・コイン・カップ・棍棒の4スート、絵札は、王・騎士・従者だったが、それぞれのスートの1にはドラゴンを描き、従者は女性という独特の特徴を持っていた。天正カルタはこの特徴を忠実に受け継いでいたが、「うんすんカルタ」は、グル(巴紋)というスートにウン(福の神)スン(唐人)ロバイ(1から独立させたドラゴン)の絵札を加えた5スート75枚からなる。王や騎士も鎧兜の武士の姿と日本風に変化しているが従者は女性というポルトガルのカードの特徴をなお受け継いでいます。
カルタ遊びは、日本中で流行しましたが、寛政の改革(1787 ~93)※のとき、一切の遊興が禁止されました。唯一熊本県人吉市に伝統的な遊戯としてその遊び方が伝わり、遊戯法が県の重要無形民俗文化財に指定されています。
人吉市では、「備前かるた」ともいい、これは備前藩の姫がこの地に嫁いだとき持参したためだといわれています。
※寛政の改革:老中(ろうじゅう)であった松平定信(まつだいらさだのぶ)が行った江戸幕府の政治の立て直しである。質素倹約(しっそけんやく)等を行った。
平成15年には人吉町鍛冶屋通りの住人たちによる「鍛冶屋通りの町並み保存と活性化を計る会」が「うんすんカルタ」の復興に向けた活動を開始。翌年にはポルトガル大使を招き、友好親善を掲げた大会が開催されて、現在も大会は続いている。
戦前までは、「うんすうんかるた」から天正カルタがつくられたと思われていた。今なおそう書いてある書物があるが、事実は逆である。
この「うんすんカルタ」に、さらに弓矢または矢印のスートと新たな絵札(クン)を加え、更に棍棒の1(アザまたはアサ)を加えた「すんくんカルタ」97枚(16ランク × 6スート + 1枚)も(遅くとも宝永五年までには)つくられたが、これも遊ばれた形跡は無い。
因みに、「うんすんカルタ」花札のような方法で遊ばれたようです。ポルトガル語で「うん(UM)」は1、「すん(SUMO)」は、最高を表します。
この「うんすんカルタ」はほんの一時流行しただけですぐに禁止され廃れてしまい、誰も遊ばなくなってしまったところから、「うんともすんとも言わない」や「うんとかすんとか言ってみろ」の語源になったとされる。
また、「ウンスンかるた」で遊んでいて行き詰った様子に由来するという説があります。
したっけ。