都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
早いもので3月も終わりです。今日で定年退職という方もいらっしゃるのではないでしょうか。「祝定年」などといわれても、本人にとっては不安の旅立ちといえるのではないでしょうか。
定年といえば、今は60歳が相場になっていますがこれはいつごろ決まったのでしょう。
日本の定年制は明治の後期から一部の大企業で成立し、大正初期から昭和初期にかけて、他の企業にも広がっていったようです。
記録として残っている最も古い制度は、「東京砲兵工廠」が1887(明治20)年に定めた職工規定に存在する「55歳停年制」だったといわれています。
明治期にまとめられた『職工事情』という調査には、「老廃、業に堪えず」という言葉で、高齢者に退職を求めていたことが記録されているそうです。
ろう‐はい【老廃/老癈】
[名](スル)年とったり古くなったりして役に立たなくなること。老朽。「―した船」
大辞泉
「老廃」とはひどい言い方ですが、この時代の定年の意味は、労働能力が失われたという判断にもとづいていたのです。
定年制が始まったのは、1902(明治35)年だそうです。「日本郵船」の社員休職規則に、年齢55歳に達した社員は休職を命じられ、一定期間後に解雇されるという規定があったそうです。
これが企業としての定年制の始まりとされています。
しかし、当時の平均寿命は43歳くらいだったそうです。
昭和に入り、定年制を設ける企業はどんどん増えていきました。
以下は工場単位の数字ですが、1933(昭和8)年の内務省の調査によると、当時336工場のうち、140工場(41.6%)で定年制が実施されていて、年齢は50歳(57.3%)もしくは55 歳(34.0%)が多くを占めていたそうです。
当時(昭和10年-11年)の平均寿命は男47歳、女50歳くらいだったそうです。
ですから、当時は余生の心配などしなくてよかったのです。定年が平均寿命を上回っていましたから・・・。
しかし、いまや日本人の平均寿命は80歳を超えています。この状態で定年が当時と変わっていないことに問題があります。しかも、年金の支給は65歳からです。
一生懸命働いて、定年後の生活に頭を悩ませるとは酷すぎます。
当時(明治時代)の60歳を単純に計算すると、現在の定年は100歳くらいになるでしょうか。これなら、安心して働けるというものです。
でも、100歳までは働きたくはありません。
しかし、ご安心ください。高年齢者等雇用安定法が改正され、平成18年4月から施行されます。
この改正で、「定年年齢を65歳まで引き上げ」、「65歳までの継続雇用制度の導入」、「定年の定めの廃止」など必要な措置を講ずることが義務化されます。
現在、65歳未満の定年制を取っている事業所は、次のいずれかの措置を講じなければなりません。
①定年年齢を65歳まで引上げる。
②65歳までの継続雇用制度を導入する。(原則→希望者全員が対象)
③定年制の廃止。
平成18年4月1日~平成19年3月31日 |
62歳までの義務 |
平成19年4月1日~平成22年3月31日 |
63歳 |
平成22年4月1日~平成25年3月31日 |
64歳 |
平成25年4月1日~ |
65歳 |
一応64歳までは働けることになってはいますが、再雇用の場合は極端に収入が減ることになります。
しかし、年金の支給開始年齢が逃げ水のように上がっていくのでは意味がありません。
我々の積み立てた年金を無駄に使ってしまった上に、年金基金に天下ってデタラメな運用をし、高額の報酬を受け取っていた旧社会保険事務所の方々。あなた方に賠償責任はないのですか?
自分たちには議員年金があるからかどうかわかりませんが、後追いの年金制度しか作れない政治家の方々。あなた方に庶民の暮らしが分かりますか?
失った年金の付けが、納付した我々に回ってくるのは納得がいきません。消費税が上がったら一番打撃を受けるのは年金生活者です。
したっけ。
「あのけちな社長が大盤振る舞いでご馳走してくれたよ」
「最近は不景気で大盤振る舞いなんて言葉は死語だね」
・・・、などと使われます。
「大盤振る舞い(おおばんぶるまい)」とは、人々に気前よく金品や食事を振る舞うことや、盛大にもてなすことだということはご存知だと思います。
ところが、『広辞苑』で「おおばんぶるまい」を引いてみると次のように載っています。
おおばん‐ぶるまい【大盤振舞】オホ マヒ
おうばんぶるまい(椀飯振舞)
広辞苑
これは、「おうばんぶるまい」を見よという指示です。「大」を「おう」とは読みません。漢字も違います。素直にこれに従ってみると・・・。
おうばん‐ぶるまい【椀飯振舞】ワウ マヒ
(「大盤振舞」は当て字) 江戸時代、民間で、一家の主人が正月などに親類縁者を招き御馳走をふるまったこと。転じて一般に、盛大な饗応。季新年
広辞苑
「大盤振る舞い」の「大盤」は当て字で、本来は「椀飯振る舞い・椀飯振舞(おうばんぶるまい)」と書くようなのです。
さらに、「椀飯」を引いてみると・・・。
おう‐ばん【椀飯・ 埦飯】ワウ
(ワウはワンの転。「垸飯」とも書く)
椀に盛ってすすめる飯。源氏物語宿木「碁手の銭、―などは、世の常のやうにて」
盛んな饗宴。
平安時代、公卿が殿上に集会した時、一人または数人に命じて衆人を饗応させたこと。
鎌倉・室町時代、宿将・老臣が毎年正月元日・2日・3日・7日・15日などに、将軍を自分の営中に招いて盛宴を張ったこと。 季新年
―‐ぶるまい【椀飯振舞】 マヒ
広辞苑
「椀飯」とは椀に盛った飯のことで、「わんばん」から「わうばん」、さらに「おうばん」へと変化したようなのです。
平安時代、公事や儀式のときにお椀に盛った食事が振る舞われることを「椀飯振る舞い」と言ったのだそうです。
こうした風習は江戸時代に入ると庶民にも伝わり、年始に親類縁者や友人知人を招いて馳走することを「椀飯振舞」「節振舞(せちぶるまい)」と呼んだそうです。
ですから、年始に限ったことだったのです。これが転じて「大盤振舞」という言葉の語源となったのです。
さらに、豪勢な印象からか、現在は「椀飯」と「大盤(だいばん)」が混同されて「大盤振る舞い」が多く用いられるようになり、飲食に限らず気前良く振舞うことをいうようになったのです。
だい‐ばん【大盤】
《「たいばん」とも》食物や水などを入れるための大きな器。
大辞泉
ちなみに、「大盤(だいばん/たいばん)」という言葉は『広辞苑』には載っていませんでした。
したっけ。
「あいつは、うぬぼれが強くてまったく鼻持ちならないやつだ!」
どんな所にも「鼻持ちならないやつ」はいるものですが、「鼻持ち」ってどういう意味なのでしょう。
この「持ち」は、「このお菓子は日持ちがする」とか、「この切花は持ちがいい」というような使い方と同じで、その状態が長く続くことを意味します。
「もち【持ち】
1 品質や機能が長い間変わらずに続くこと。「値段は高いが―がいい」
2 所有すること。「―時間」「物―の人」
3 引き受けること。受け持つこと。負担。「費用は先方―だ」
4 歌合わせ・囲碁・将棋などの勝負で、引き分けになること。持(じ)。
大辞泉
このことから、「鼻持ち」は「長く続く臭気を耐え忍ぶ」、という意味なのです。
「鼻持ちならない」とは、臭気がひどくて我慢できないことを指すようになり、それが不愉快な人を指すように変わったのです。
鼻持ちならない
言語や行動ががまんできないほど不愉快である。「―ないきざな男」
大辞泉
「臭気」ではありませんが、私が耐えられないのは女性のつけすぎた香水の匂いです。最近の映画館は座席指定なので、隣にこういう方が座られると、拷問のようになります。せっかくの香りも過ぎてはいけません。
向こうも、「おじさん臭くてかなわんわぁ」と思っているかもしれませんが・・・・・。
昔からの言葉に、「女は古くなると姑(しゅうとめ)になり、鼻持ちならなくなると嬶(かかあ)になる。」というのがあります。
年を取ると奥さんぐらいしか、鼻つき合わせてくれる女性はいないと思うのですが・・・。
花粉症の季節です。鼻には十分ご注意をしてください。
したっけ。
「気質」を普通に読めば「きしつ」です。その人の気性のことです。性格形成の基本をなす生物学的傾向や性質のことです。
「穏やかな優しい気質、「」、「激高しやすい気質」といった使われ方をします。
今日、考えてみたいのは、もうひとつの読み方「かたぎ」についてです。
職業や身分によって変化する、独特な気風とか考え方のことです。代表的なものは「職人気質(しょくにんかたぎ)」です。そのほかに、「芸人気質」とか「親分気質」というのもあります。
この『大辞泉』最初に《「形木」から》とあります。「形木」から転じた言葉のようです。「形木」とは何でしょう。
「版木(はんぎ)」に同じとあります。「版木」とは、同じ絵が何枚も刷ることができる木版画の「板木(はんぎ)」のことです。これが転じて、同じ結果を作り出す一定の型や規則を「形木(かたぎ)」といったそうです。
「職人」も「芸人」も「ヤクザ」の世界も、一般とは異なる独特の形があるようです。これが「職人形木」、「芸人形木」、「親分形木」というわけです。
平安時代の染物職人が使う、模様を彫り刻んだ板のことを「形木」といいました。布や紙に一定の決まった模様を染め付けるために用いる板で、後に「基本形」「基準」の意味になりました。いつの時代でも、職人と呼ばれる人たちは、特有のしきたりや伝統を持ち、一種独特な気風を植えつけています。そのような職人を「形木」になぞらえて、「職人形木」というようになりました。
平安中期の物語『宇津保物語(うつほものがたり)』の「吹上の巻」に「形木の紋を織りつけたるみ狩の御衣」という文字が見え、『枕草子』の「なまめしき物」の条にも「かた木のかた」とあるそうです。
このように、昔は染物の模様の一定の型、すなわち定型、規範の意味であったのが、近世になってその原義を失い、有形から無形に変わり「形木」は「気質(特有の気性)」というようにのみ解釈されることになったのです。
この「かたぎ」という言葉は、江戸時代初期から使われ始めた流行り言葉の一つであったようです。
「浮世草子」のうち、江戸時代末期(弘化三年〔1846〕から慶応四年〔1868〕)の特定の身分・職業を限り、その特有の性格・性癖のさまざまな現れを描いた一群の作品を『気質物』というそうです。
その中に、「娘かたぎ」「息子かたぎ」「姑かたぎ」「旦那かたぎ」「女房かたぎ」「夫婦かたぎ」「母親かたぎ」「親仁(おやじ)かたぎ」「役者かたぎ」「芸者かたぎ」「医者かたぎ」「学者かたぎ」「長者かたぎ」「出家かたぎ」「茶人かたぎ」などがあるそうです。
また、江戸時代の国語辞書『俚言集覧(りげんしゅうらん)』(1759―1829)には「侍かたぎ」「世帯かたぎ」「後家かたぎ」「職人かたぎ」などもあるそうです。
江戸時代になってから、「気質」という漢字が使われるようになったそうです。ほかに、「容気」、「形気」、「象気」、「偏気」などの当て字があったようです。
また、同じ音で「堅気」という言葉があります。こちらは、性質が真面目でしっかりしていること。律儀(りちぎ)という意味でした。
かた・い【堅い/硬い/固い】
[形][文]かた・し[ク]
1 外力に対する抵抗力が大きく、容易に形を崩さない。「―・い殻を割る」「―・くてかめない肉」⇔やわらかい。
2
<shapetype id="_x0000_t75" stroked="f" filled="f" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" o:preferrelative="t" o:spt="75" coordsize="21600,21600"><stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f></formulas><path o:connecttype="rect" gradientshapeok="t" o:extrusionok="f"></path><lock aspectratio="t" v:ext="edit"></lock></shapetype><shape id="_x0000_i1025" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/01676.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.gif"></imagedata></shape>物が強い力でぴったりとすきまなく合わさっている。「―・く扉を閉ざす」「帯を―・く結ぶ」「―・い握手を交わす」
<shape id="_x0000_i1026" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/01678.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image002.gif"></imagedata></shape>力を加えても、抵抗があって、滑らかに動かない。「栓が―・い」
3 (内にあるものが)強くて、外からの力に負けない。しっかりしていて、揺るがない。「―・い信念」「―・い約束」「守りが―・い」「口が―・い」
4 厳格である。きびしい。「―・く禁ずる」「身持ちが―・い」
5
<shape id="_x0000_i1033" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/01676.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.gif"></imagedata></shape>確かで、あぶなげがない。信用がおける。手堅い。堅実だ。「―・い商売」「当選は―・い」「予算を―・く見積もる」
<shape id="_x0000_i1027" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/01678.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image002.gif"></imagedata></shape>取引で、相場が一向に下がるようすがない。
<shape id="_x0000_i1028" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/02513.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image003.gif"></imagedata></shape>何事もいいかげんにせず、きちんと扱うさま。まじめである。「―・くて信用のおける人」「―・い本」「そう―・いことを言うな」
6 自由な感じや、やわらかな感じに欠けたようすをいう。
<shape id="_x0000_i1029" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/01676.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.gif"></imagedata></shape>自在な動きができない。融通がきかない。「からだが―・い」「頭が―・い」⇔やわらかい。
<shape id="_x0000_i1030" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/01678.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image002.gif"></imagedata></shape>(表現などが)いかめしかったり、こわばったりしていて、すなおに人の気持ちに入ってこない。「文章がまだ―・い」「デッサンの線が―・い」
<shape id="_x0000_i1031" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/02513.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image003.gif"></imagedata></shape>鋭くて、張りつめた感じを与える。「―・く乾いた音」「表情を―・くして事態の推移を見守る」
<shape id="_x0000_i1032" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 15pt"><imagedata o:href="http://dic.yahoo.co.jp/images/V2/yh_gaiji/l/02514.gif" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image004.gif"></imagedata></shape>緊張から、気持ちにゆとりがなくなる。言動がぎくしゃくする。
◆漢字の使い分けは「固い」が広く用いられ、「硬い」は物の性質、「堅い」は状態・ようすに用いられることが多い。
大辞泉
ここから転じて、職業や生活が、まっとうで、着実なこと。また、そういう人を指す言葉になりました。
私は「堅気」の生活を送る「オヤジ気質」といったところでしょうか・・・。
したっけ。
私たち日本人は、外国の真似をするのが上手だとよくいわれます。最近はもともと日本語としてあった言葉までわざわざ外国語にしていることが多々見られます。
たとえば、スポーツでよく耳にする「リベンジ(Revenge)」。これは「復讐」という意味です。日本には古くから「仇討ち」、「仕返し」などの言葉があります。
また、「リベンジ」には「報復」という意味も含まれ、怨恨や悪感情を感じさせる場合もあります。
スポーツ選手が「リベンジします。」という場合、相手チームや相手選手を憎んでいないことはわかります。
しかし、正しい意味も知らずに子どもたちが真似をしてしまうとどうでしょう。
リベンジ【revenge】
[名](スル)復讐すること。報復。仇討ち。また、競技で、一度敗れたことのある相手を打ち負かすこと。借りを返すこと。
大辞泉
大丈夫です。「リベンジ」はスポーツなどの競技で言うときには「雪辱する」という意味にもなります。
本題の「カタカナ言葉」ですがいくつかあげますので、日本語で考えてください。日常化している言葉なので「スペル(Spell)」は書きません。ヒントとして、漢字の文字数を□で書きました。
① ナンセンス:□□□
② インデックス:□□
③ オーソリティ:□□
④ キャラクター:□□(□□□□)
⑤ サプリメント:□□(□□□□□)
⑥ グルメ:□□
⑦ バリュー:□□
⑧ デリバリー:□□
⑨ キャンセル:□□(□□□□)
⑩ リバーシブル:□□
⑪ バカンス:□□
⑫ アパレル:□□
⑬ サポーター:□□□
⑭ アポイントメント:□□
⑮ ラッシュ:□□□
① 「無意味」。英語の「nonsense」。「non」は否定で、「sense(センス)」がないということ。という意味もあるようです。
② 「索引」。「見出し」や「指数」「指標」という意味もあります。
③ 「大家(たいか)」又は「権威(者)」。「彼はピラミッド研究のオーソリティだ」などと使います。
④ 「性格」。省略して「キャラ」という場合もあります。「アニメキャラクター」の場合は「登場人物」という意味になります。
⑤ 「補足」。「追加」「付録」。最近はもっぱら「栄養補助剤」の意味に用いられています。
⑥ 「食通」。フランス語の「gourmet」。昔は「酒通」という意味で使ったそうですが、今では「グルメ番組」などと、すっかり定着しています。
⑦ 「価値」。「ネームバリュー(名声)」は以前から使われていましたが、単独の「バリュー」は、某ハンバーガーショップの「バリューセット」が発端かもしれません。
⑧ 「配達」。ピザをはじめ宅配物の普及とともに定着しました。意外なことに、「投球」や「話しぶり」という意味もあるようです。
⑨ 「破約」。「契約解除」。土壇場でキャンセルすることを「ドタキャン」といいます。「ドタキャン」は日本語です。
⑩ 「裏表(両用)」。本来は「裏返しにできる」という意味です。
⑪ 「休暇」。フランス語の「vacance」。「長期休暇」の意味もあります。英語の場合は「vacation(バケーション)」。
⑫ 「服装」。「衣装」。「アパレル業界」などと一般化しています。
⑬ 「支持者」。従来はスポーツ選手が肘や膝などの保温や保護のためにつけるものの意味でしたが、サッカー「Jリーグ」ができてからは、「支持者」の意味が定着しました。
⑭ 「約束」。厳密には「面会の約束」。略して「アポ」ということが多い。「アポなし」
⑮ 「大混乱」。「突進」「殺到」の意味もありますが、「ラッシュアワー」のように「大混乱」を言うことが多いです。
どうです。日本語に言い換えるのは難しかったと思います。それだけ日本語の中に定着しているということでしょうか。それなのに、英語がしゃべられない日本人がたくさんいます。教育の仕方間違っていないのでしょうか?
したっけ。
中国語の漢字を追加しました。
① 耶蘇:イエス:耶蘇
② 那波列翁(奈破崙)ナポレオン:拿破崙。
③ 克利奥佩特剌(克勒巴都拉/久麗王葩都羅):クレオパトラ:克婁巴特拉
④ 成吉思汗:チンギス‐ハン:成吉思汗
⑤ 林肯(琳閣倫):リンカーン:林肯
⑥ 列寧:レーニン:列寧
⑦ 斯達林:スターリン:斯大林
⑧ 閣龍(哥倫布):コロンブス:哥倫布
⑨ 馬哈黙(穆罕黙徳):マホメット:穆罕默德
⑩ 沙翁(沙士比阿):シェークスピア:莎士比亞
⑪ 卓別麟:チャップリン:卓別林
⑫ 愛迪生(恵智遜):エジソン:愛迪生
⑬ 門得尓:メンデル:孟德爾
⑭ 尼通(紐頓):ニュートン:牛頓
⑮ 叔伯特:シューベルト:舒伯特
⑯ 勺旁(肖邦):ショパン:肖邦
⑰ 巴哈:バッハ:巴赫
⑱ 貝多芬(比沙文):ベートーベン:貝多芬
⑲ 莫差(一物有人):モーツァルト莫扎特
⑳ 瓦格納:ワグナー:瓦格納
したっけ。
誰でも知っている有名な外国人を漢字で書いたら、読めなくなりました。ヒントを書いておきますので推理してみてください。
① 耶蘇:パレスチナのナザレの大工ヨセフと妻マリアの子として生まれた。
② 那波列翁:コルシカ島の生まれ。
③ 克利奥佩特剌:古代エジプト、プトレマイオス朝最後の女王。
④ 成吉思汗:幼名、テムジン(鉄木真)。
⑤ 林肯:第16代アメリカ大統領。
⑥ 列寧:ロシアの革命家・政治家。
⑦ 斯達林:ソ連の政治家。
⑧ 閣龍:イタリア生まれの航海者。
⑨ 馬哈黙:イスラム教の創唱者。メッカに生まれ。
⑩ 沙翁:英国の劇作家・詩人。
⑪ 卓別麟:英国生まれの映画俳優・監督。
⑫ 愛迪生:米国の発明家。
⑬ 門得尓:オーストリアの生物学者・修道院司祭。
⑭ 尼通:英国の物理学者・天文学者・数学者。
⑮ 叔伯特:オーストリアの作曲家。
⑯ 勺旁:ポーランドの作曲家・ピアニスト。ピアノの詩人とよばれる。
⑰ 巴哈:ドイツの作曲家・オルガン奏者。
⑱ 貝多芬:ドイツの作曲家。主にウィーンで活躍。
⑲ 莫差特:オーストリアの作曲家。ハイドンとならぶウィーン古典派音楽の代表者。
⑳ 瓦格納:ドイツの作曲家、指揮者。「歌劇王」の別名で知られる。
今回は「海の生物」を漢字で書いてみました。無理に当てはめたような漢字ばかりなので、イメージをしてみるとわかるかもしれません。ひとつだけ湖や川にいるのになぜか「海」がついているものがあります。
① 海獺
② 海螺
③ 海豹
④ 海驢
⑤ 海豚
⑥ 海鼠
⑦ 海星
⑧ 海蛸
⑨ 海月
⑩ 海胆
⑪ 海老
⑫ 海象
⑬ 海狸
⑭ 海鰻
⑮ 海扇
※図は順不同です。
① らっこ:海獺
② つぶ:海螺
③ あざらし:海豹
④ あしか:海驢
⑤ いるか:海豚
⑥ なまこ:海鼠
⑦ ひとで:海星
⑧ ほや:海蛸
⑨ くらげ:海月
⑩ うに:海胆
⑪ えび:海老
⑫ せいうち:海象
⑬ びーばー:海狸
⑭ あなご:海鰻
⑮ ほたてがい:海扇
北海道沿岸でアザラシによる漁業被害が多発しています。
頭数は捕獲されることがないので増加しています。正確な頭数は分かっていないそうですが、道は「放置すれば漁業者の死活問題になる」と危機感を強めている。
道自然環境課によると、道内に生息する代表的なアザラシは、ゴマフアザラシとゼニガタアザラシです。
ゴマフは宗谷地方や根室地方などに1万頭以上いると推測されています。
特に、ゼニガタは襟裳岬周辺などに1000頭以上いると推測されていますが環境省の絶滅危惧種に指定されて駆除できません。
乱獲されなくなったことで生息数は増えているとみられ、定置網にかかったサケが食べられるなどの漁業被害は昨年約3億円に上ったと伝えられています。
したっけ。
みなさんは、「目から鱗(うろこ)が落ちる。」という言葉をご存じだと思います。また、実際に使ったこともあると思います。
何かがきっかけとなって、急に物事がよく見えるようになったり、誤りに気づいて迷いから覚めたりする時などに、「目から鱗(うろこ)落ちた!」などと表現します。
人間の目には鱗(うろこ)なんてついていないのに、どうしてこのような言い方をするのでしょう。
また、日本人の多くがこのことばは、日本や中国の故事などからきたことばだと思っているのではないかと思います。
英語でもまったく同じ表現があります。「The scales fell from my eyes!」と言うそうです。
実はこの語源は「聖書」からきているのです。
※第9章を掲載しますが、面倒なら飛ばしてください。
新約聖書『使徒行伝(しとぎょうでん)』第9章
1. さてサウロは、なおも主の弟子(でし)たちに対する脅迫、殺害の息をはずませながら、大祭司のところに行って、
2. ダマスコの諸会堂あての添書を求めた。それは、この道の者を見つけ次第、男女の別なく縛りあげて、エルサレムにひっぱって来るためであった。
3. ところが、道を急いでダマスコの近くにきたとき、突然、天から光がさして、彼をめぐり照した。
4. 彼は地に倒れたが、その時「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。
5. そこで彼は「主よ、あなたは、どなたですか」と尋ねた。すると答があった、「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。
6. さあ立って、町にはいって行きなさい。そうすれば、そこであなたのなすべき事が告げられるであろう」。
7. サウロの同行者たちは物も言えずに立っていて、声だけは聞えたが、だれも見えなかった。
8. サウロは地から起き上がって目を開いてみたが、何も見えなかった。そこで人々は、彼の手を引いてダマスコへ連れて行った。
9. 彼は三日間、目が見えず、また食べることも飲むこともしなかった。
10. さて、ダマスコにアナニヤというひとりの弟子がいた。この人に主が幻の中に現れて、「アナニヤよ」とお呼びになった。彼は「主よ、わたしでございます」と答えた。
11. そこで主が彼に言われた、「立って、『真すぐ』という名の路地に行き、ユダの家でサウロというタルソ人(びと)を尋ねなさい。彼はいま祈っている。
12. 彼はアナニヤという人がはいってきて、手を自分の上において再び見えるようにしてくれるのを、幻で見たのである」。
13. アナニヤは答えた、「主よ、あの人がエルサレムで、どんなにひどい事をあなたの聖徒たちにしたかについては、多くの人たちから聞いています。
14. そして彼はここでも、御名(みな)をとなえる者たちをみな捕縛する権を、祭司長たちから得てきているのです」。
15. しかし、主は仰せになった、「さあ、行きなさい。あの人は、異邦人たち、王たち、またイスラエルの子らにも、わたしの名を伝える器として、わたしが選んだ者である。
16. わたしの名のために彼がどんなに苦しまなければならないかを、彼に知らせよう」。
17. そこでアナニヤは、出かけて行ってその家にはいり、手をサウロの上において言った、「兄弟サウロよ、あなたが来る途中で現れた主イエスは、あなたが再び見えるようになるため、そして聖霊に満たされるために、わたしをここにおつかわしになったのです」。
18. するとたちどころに、サウロの目から、うろこのようなものが落ちて、元どおり見えるようになった。そこで彼は立ってバプテスマを受け、
19. また食事をとって元気を取りもどした。サウロは、ダマスコにいる弟子(でし)たちと共に数日間を過ごしてから、
20. ただちに諸会堂でイエスのことを宣(の)べ伝え、このイエスこそ神の子であると説きはじめ
長年使ってきた物や体が調子悪くなることを「がたがくる」といいます。調子が悪く、不安定なさま、落ち着きの悪いさまを「がたつく」ともいいます。
どこかに隙間が出来たり、ねじが緩んできたりして、機能が落ちている様子が、この一言で表されています。
「がた」とは体や物(主に道具や機械)が壊れかかっているさまを表す言葉で、「ガタガタ」という形でも使われます。
「ガタガタ言うんじゃないよ」などとも使われますから、若者の造語のようにも聞こえます。
「ガタガタ」という音から派生した俗語であると解説している場合があります。
しかし、この「がた」は、地震でおきるような「ガタガタ」という音から来ている言葉ではないそうです。
実は「仏教用語」に由来しているのです。
がた‐ひし【我他彼×此】
仏語。自分と他人、あれとこれと、物事が対立して決着しないこと。
大辞泉
「我」と、「他」と、「彼」と、「此」が調和できずに存在している状況を言うのだそうです。
仏教で、「自分と他人」や、「あれとこれ」というように、物事を対立してとらえる教えのことで、これを「我他彼此の見」というそうです。
そこからさまざまな衝突や摩擦が生じて、円滑を欠く状態となるのです。
「がた」は、「我他彼此(がたひし)」の「我他(がた)」なのです。要するに「我」と「他」がうまくいかな状況なのです。ここから、ばらばらになって壊れかかっている状態を「がたがきた」というようになったそうです。
仏教は「此あるが故に彼あり」というように、相互関係を重視した教えだそうです。
十二因縁 (十二支縁起の法)
「即ち、此れあるとき彼れ有り。此れ無きとき彼れなし。此れ生ずることにより、彼生じ、此れ滅することにより彼れ滅す。と。無明を縁としての行あり。行を縁として識あり。識を縁として名色あり。名色を縁として六処あり。六処を縁として蝕あり。蝕を縁として受あり。受を縁として渇愛あり。渇愛を縁として取あり。取を縁として有あり。有を縁として生あり。生を縁として老死愁悲苦憂悩あり。かくのごときが純大苦蘊の集起なり。」
どうです。「ガタガタ」言っている場合じゃありません。ありがたい教えなのですから・・・。
したっけ。