都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
■お供が犬、猿、キジだった理由
桃太郎が鬼退治に連れて行った旅のお供は「犬」「猿」「雉」です。
しかし、鬼と戦う仲間としてはちょっと物足りないというか、あんまり強そうに見えない仲間です。
鬼は牛の角を持ち虎皮のパンツをはいているという強敵です。
鬼と戦うのであれば、熊や猪、狼などを仲間として連れて行った方が活躍してくれる気がします。それではなぜ「犬」「猿」「雉」となったのかというと、「鬼門」に関係があります。
「鬼門」とは方角的には北東であり、鬼や邪気などが出入りする方角だとされています。それが「艮(うしとら)」(丑と寅の間)の方角です。だから鬼は牛の角を持ち虎皮のパンツを履いているのです。そして、その反対の方角である南西が「裏鬼門」と呼ばれていて、「坤(ひつじさる)」(未と申の間)の方角です。
そしてその「坤(ひつじさる)」の方角から時計回りに行くと、猿(申)→鳥(酉)→犬(戌)と出会うわけです。
そのため、裏鬼門に位置する動物が鬼退治の仲間として抜擢されたとされているのです。
つまり裏鬼門の線から時計回りで時系列が動くため、鬼を封じる(鬼退治)には、この「金」の領域の果実「桃」太郎が「申」、「酉」、「戌」を同行して方位「西」へ行くことになる必然性があるのです。
そして、季節は「秋」に違いないのです。
「金」を表す桃太郎にこれまた「金」を表す「猿」、「雉」、「犬」を従え、鬼を退治し「金」銀財宝を手に入れるのです。
《桃太郎》伝説は陰陽五行説だったのです。
《陰陽五行説》とは、万物を陰と陽に分類し、森羅万象の構成要素(気)を木・火・土・金・水の5つが循環して変化するという考え方です。四季の変化、一日のうちの時刻の流れもこれに基づく。それぞれに対応する「色」、「果物」もあります。
五行のそれぞれに対応する「四季」「果物」
- 木(木行)は春の象徴。果物は「李(すもも)」
- 火(火行)は夏の象徴。果物は「杏(あんず)」
★金(金行)は秋の象徴。果物は「桃(もも)」
- 水(水行)は冬の象徴。果物は「栗(くり)」
- 土(土行)は季節の変わり目の象徴。果物は「棗(なつめ)」
また、あとからふれる桃太郎のモデルとなった吉備津彦命の三名の家来、「犬飼部 犬飼健」「猿飼部 楽々森彦」「鳥飼部 留玉臣」を由来としている説もあります。
■実は桃から生まれていない
桃太郎は桃から生まれたため「桃太郎」だとされています。
しかし、これは童話向けに改変された内容であり、元々桃太郎は桃から生まれた訳ではなかったのです。
本来の桃太郎は、不老長寿の桃を食べたおじいさんとおばあさんが若返って子作りをして、その結果産まれてきたのです。
桃太郎に限った話ではありませんが、実は昔話や童話は後になってから改変されているものも多いのです。
■桃太郎にはモデルがいる
実は桃太郎は「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」がモデルだとされています。
吉備津彦命は紀元前の人物で、現在の岡山県や広島県、兵庫県などの地域を統治していたとされています。
吉備津彦命 きびつひこのみこと 「日本書紀」にみえる孝霊天皇の皇子。 本名は彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)。崇神(すじん)天皇の10年四道(しどう)将軍のひとりとして西道(山陽道)に派遣され,吉備国を平定したという。岡山県の吉備津神社,吉備津彦神社の祭神。 デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説 |
なぜ吉備津彦命が桃太郎のモデルだとされているのかというと、吉備津彦命が統治していた地域を荒らしていた朝鮮人を退治したことに由来しています。
朝鮮人は「鬼ノ城」という場所を拠点として各地を荒らしまわっていたため、朝鮮人退治が鬼退治として童話になったということです。
これが、きび団子由来かも知れません。
また、実は朝鮮人は悪さなどをしておらず、優れた製鉄技術を持っていたとされています。そして、その製鉄技術を自分のものにしようとして朝鮮人を倒し、その後、美談として語られるように改竄(かいざん)したという説も残されています。
■なぜ桃という果物が選ばれたのか
他にも様々な果物があるにも関わらず、なぜ果物が選ばれたのかについてです。
桃が選ばれた由来は古代中国にあり、古代中国では桃といえば邪気を祓って、不老長寿を与えることの出来る植物だと信じられていました。
中国と親交が深かった日本も影響を受けて、桃は「邪気を祓うもの=鬼などの災いを祓う」ということで、桃太郎になったとされています。
■桃太郎には続編がある
現存最古の文献は赤小本『もゝ太郎』(享保8年/1723年刊行)とさていますが、かつて研究された原典にはこれより古い元禄以前の『桃太郎話』、元禄頃の『桃太郎昔語り』なども現存していたようです。
桃太郎は鬼退治をして財宝を取り返し、めでたしめでたしと思いきや、実は続編が存在しています。
昔話「桃太郎」から56年後に書かれた絵入りの文献で桃太郎の続編だとされる物語のタイトルは、した「桃太郎元服姿」(安永8年/1779年に誕生)と言われています。
「桃太郎元服姿」では財宝をすべて奪われてしまった鬼が桃太郎に復讐をしようとして、桃太郎のところへ娘を送ります。鬼の娘は財宝を奪い返すために送られましたが、最終的には桃太郎のことを好きになってしまいました。
そして、騙して財宝を奪い返そうか悩んだ結果、最後には自殺してしまうという何とも悲しい物語となっています。続編にしてはかなり後味の悪い結末です。
節分ってなんだ?鬼ってなんだ?豆まきってなんだ?について考える
したっけ
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080-0018 帯広市西8条南6丁目7番地
ハーブティーは下記のお店「雑貨(Tkuru&Nagomu)で取り扱っていま
雑貨(Tukuru ・nagomu) 0155-67-5988
可愛い雑貨も、たくさんありますよ。
http://www.d-kyoya.com/minimarche/
株式会社ディステリア京屋
080-0018 帯広市西8条南6丁目7 ☎0155-22-2151
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詩集「涅槃歌」
私の一押しの詩集を紹介します。現代女性詩人のトップクラスの詩を感じてください。魂が揺さぶられます。これは倉内佐知子の入門としては最適な詩集です。一度読んでみて下さい。
〈溶ける魚〉が背を這いずり、異国の香りが鼻腔を抉る、無頼の詩語は異界をたゆたい、イデア(idea)の入り口を探る——「幼年の濃い光の中で 時間の臓器は待っている」(本文より)心地よいリフレインが幻惑の世界へと誘う「音更日記」、言葉の配置と表現形式にこだわった「光る雪」、グロテスクな言葉の暴力で異質な世界を構築した「青」など計18篇を収録した、小熊秀雄賞受賞詩人の詩集。言葉が持つ魔術的な美を、無意識の泉から掬い上げた、幻想的かつ根源的な一冊。
海鳩
―潮騒が希望だったー
ぐしゃぐしゃに砕かれた大顎の破片が散乱し
ているのは知っていたがここのものではない
さんざん悪質を通過しなお何ものとも繋がら
ない兵器的非感覚の海を死生の循環の内へと
流し込むなど可能かぶふぅィ暫し棘状の海塚
にうずくまりわたしたち固有の肉体がはぜる
記憶のふあんに堪える堪えて噛む海鳩が翔ぶ
〈母ァさん 母ァさん〉
あなたさえ答えようもないのです
(後略)
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私も写真の編集や似顔絵の色付けにに使っています。非常に使いやすく機能も多彩です。あなたもフォトショップで、写真の新しい世界を体感してください。以前はフォトショップエレメンツ12を使っていたのですが、全然違います。ここまでできるかというくらいです。
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サンタクロースの妻・奥さん/英米など英語圏のクリスマス文化
「ミセス・クロース Mrs. Claus」は、サンタクロースの妻・奥さんに該当するキャラクター。アメリカやイギリスなど英語圏で定着しているクリスマス文化の一つ。イギリスでは「マザークリスマス Mother Christmas」とも呼ばれる。
英語版wikipediaによれば、すでに19世紀半ばのアメリカにおけるクリスマス書籍「A Christmas Legend」の中で、奥さんの存在が言及されているという。
ミセス・クロースは、サンタクロースと同じく赤と白の衣装を身にまとい、老齢・白髪でメガネをかけた姿で描かれることが多い。エプロンのような前掛けを着用していることも少なくない。
彼女は妖精たちとクッキーを焼いたり、クリスマスプレゼントを運ぶ用意をしたり、トナカイ達の世話を行うなど、細々とした仕事をこなしてサンタクロースの活動を陰で支えている。
ミセス・クロースの性格・人柄としては、落ち着いていて優しく忍耐強い女性として描かれることが一般的で、サンタクロースとは対照的な、落ち着いた大人の女性像が定着しているようだ。
なお、ミセス・クロースの苗字については謎に包まれているが、メアリーまたはマリー(Mary)、アンナリーナ(Annalina)、ジェシカ(Jessica)、レイラ(Layla)、マーサ(Martha)、ケーシィ(Kasey)などの名前が結び付けられる事があるようだ。
フィンランド版「ミセス・クロース」とは?
フィンランドにおけるサンタクロースの妻・奥さんh、ヨウルムオリ(ヨウルマー)joulumuoriという魔女の家系に生まれた神秘的な女性。
「ヨウル joulu」とは、フィンランド語で「クリスマス」、「ムオリ muori」とは「おばあちゃん、老いた母」などの意味がある。
「ヨウルムオリ(ヨウルマー)joulumuori」については、一説によれば、魔女系の家系に生まれた特殊な技能を持った神秘的な女性で、どちらかと言えば自己主張のはっきりとした芯の強い女性として言い伝えられているという。
サンタクロースの妻・奥さんが主役の旦那さんを食ってしまうような強いキャラでは色々と問題が出てくるだろうから、英語圏の「ミセス・クロース」の方が無難といえば無難な気もするが、よりキャラの強いフィンランドの「ヨウルムオリ(ヨウルマー)joulumuori」もユニークな文化として大事にしてもらいたい。
どちらのサンタの妻・奥さんも、世界の子供たちにクリスマスプレゼントを届けるサンタクロースと夢を共有して、北極圏の寒い地域で二人仲良く暮らしているそうだ。
クリスマスシーズンが近づいて来たら、サンタクロースを支える存在として、「ミセス・クロース」や「ヨウルムオリ(ヨウルマー)」のことも是非思い出してあげてほしい。
したっけ。
クリスマスに活躍する妖精・トントゥを知っていますか?
妖精・トントゥはサンタクロースのお手伝いをします。
サンタさんだけでなく、お手伝いしてくれる妖精さんにも感謝しましょう。
12月に入り、クリスマスも近づいてくるころ、サンタクロースはプレゼントの準備で忙しくなります。そんなサンタさんをお手伝いしている妖精がいることをご存知ですか?
それは、フィンランドやスウェーデン、デンマークといった北欧の国々で、とってもポピュラーな妖精さん。フィンランドでは「トントゥ(Tonttu)」と呼ばれています。
トントゥは、人に似た小人で、森の中や、人の家に住みついていると言われています。家に住んでいるトントゥは、家の人が掃除しきれず、ほこりがたかっているところを、そっと掃除してみたり、消し忘れたローソクの火を消したりと、人の手助けをしています。
またフィンランドではほとんどの家庭にサウナがあり、サウナを守っているトントゥもいます。
気付かれないように人間の手伝いをしてくれたりする反面、たまにいたずらをしたりします。 日本でいうところの座敷童のような存在でしょうか。
トントゥたちにはこうした仕事のほかに、大切な仕事があります。それは、子どもたちを観察して、誰がいい子であったかをメモし、幸せかどうかを確認することです。
そのように、トントゥは子どもたちを見守っているわけですが、クリスマスが近づいてくると、鈴のついた赤い帽子をかぶった、クリスマス・トントゥが家のまわりに現れます。子どもたちが規則正しく暮らしているか、いい子にしているかどうかを見に来るのです。彼らはサンタさんがプレゼントを配るのを手伝って世界中を旅し、いい子にしていた子どもたちにプレゼントを贈ります。
今年のクリスマスは、プレゼントをもらったら、サンタさんだけでなく、縁の下の力持ち、トントゥにも感謝してみてはいかがですか?
方法は簡単です。クリスマスのごちそうをお皿に取り分けて、屋根裏など目立たないところに置いておくのです。もしかしたら、トントゥが食べに来るかもしれません。
トントゥのほかにも妖精はいます。スウェーデンには「トムテ」、デンマークには「ニッセ」と呼ばれる妖精が活躍します。
「トムテ(スウェーデン語Tomtar、英語Tomte)、ノルウェーとデンマークでは 「ニッセ(nisse)」、フィンランドでは「トントゥ(tonttu)」は、北欧の民間伝承に登場する妖精である。
アメリカのクリスマスに欠かせないもののひとつに「Elf on The Shelf (棚の上のエルフ)」があります。
小さな子供くらいの大きさで赤い帽子をかぶり、農家の守護神とされています。優しい性格で農家に繁栄をもたらしますが、一方で気難しく、大事に扱われなければその家や捨て去ってしまいます。また、いたずらをされた場合には仕返しをします。
北欧圏では、クリスマス(ユール)にはトムテに粥(ポリッジ)を供える習慣があります。
キリスト教化された後は、トムテは悪魔と同一視されていましたが、後にアメリカのクリスマスの影響を受け、スウェーデン版のサンタクロース、ユールトムテとみなされるようになりました。ユールトムテはトナカイやヤギの引くソリでやって来て、子供たちにプレゼントを配ります。
的場浩司さんは京都で小さいおじさんを目撃したと言っています。もしかしたら、トントゥだったかもしれません。
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詩集「涅槃歌」
私の一押しの詩集を紹介します。現代女性詩人のトップクラスの詩を感じてください。魂が揺さぶられます。これは倉内佐知子の入門としては最適な詩集です。一度読んでみて下さい。
涅槃歌 朗読する島 今、野生の心臓に 他16篇 (22世紀アート) | |
倉内 佐知子 | |
22世紀アート |
〈溶ける魚〉が背を這いずり、異国の香りが鼻腔を抉る、無頼の詩語は異界をたゆたい、イデア(idea)の入り口を探る——「幼年の濃い光の中で 時間の臓器は待っている」(本文より)心地よいリフレインが幻惑の世界へと誘う「音更日記」、言葉の配置と表現形式にこだわった「光る雪」、グロテスクな言葉の暴力で異質な世界を構築した「青」など計18篇を収録した、小熊秀雄賞受賞詩人の詩集。言葉が持つ魔術的な美を、無意識の泉から掬い上げた、幻想的かつ根源的な一冊。
海鳩
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サンタクロースではなく「クリスキント」がプレゼントを持ってくる町があります。
■クリストキントは幼子イエスが由来
クリストキントは、16世紀に宗教改革の父マルチン・ルターがカトリックの聖ニコラウス・デイに対抗して作ったキャラクターで、天使のような姿で描かれているものが多いですが、元は幼子イエスです。
「クリストキント (独:ChristusKind)」 は、主にドイツ南部、オーストリア、スイス、ハンガリー、チェコ、スロバキアなどに伝わるクリスマスの天使です。
名前は「幼いキリスト」だが、そのイメージは、女性の姿で想像されています。サンタクロースと同じような役割を持つっています。
日本では25日の朝にプレゼントをもらいますが、ドイツでは24日の夜です。
24日の朝からクリスマスツリーのある部屋にはお父さんしか入れません。そして24日の夜、その部屋からクリストキントが鳴らす呼び鈴の音が聞こえたら、みんな部屋に入ることができ、ツリーの下にクリスマスプレゼントが置かれています。
■有名なニュルンベルクのクリストキント
ニュルンベルクはミュンヘンの北にあるようです。ドイツ南部バイエルン地方にあり、 同地方ではミュンヘンに続く2番目に大きい街で、人口は50何人を超えるようです。ドイツ連邦共和国バイエルン州のミッテルフランケン行政管区に属する郡独立市。
クリスマスマーケットはドイツ語で「ヴァイナハツマルクト(Weihnachtsmarkt)」といいますが、ニュルンベルクでは「クリストキントレスマルクト(Christkindlesmarkt)」と呼ばれ、アドベント(Advent)直前の金曜日17時半にニュルンベルクのクリスマスマーケットが、クリストキント(幼子キリスト)の宣言により開幕します。
アドベント (Advent) とは、キリスト教西方教会において、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことです。日本語では待降節(たいこうせつ)、降臨節(こうりんせつ)、 または待誕節(たいたんせつ)といいます。「アドベント」とは、11月30日にいちばん近い日曜日からクリスマス前日までのことです。
ニュルンベルクのクリストキントはコンテストで選ばれる!
ドイツのニュルンベルクでは、2年に1度、若い女性のなかからコンテストでクリストキントが選ばれます。
金と白の衣装を身にまとい、金髪の巻き髪のかつらをつけます。
ニュルンベルク生まれもしくはニュルンベルクに長く住んでいる16~19歳の少女、160㎝以上あることが望ましいとされています。
ニュルンベルクのクリストキントは2年間の任期中に町の公式行事に出席せねばならず、忙しいそうです。
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詩集「涅槃歌」
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〈溶ける魚〉が背を這いずり、異国の香りが鼻腔を抉る、無頼の詩語は異界をたゆたい、イデア(idea)の入り口を探る——「幼年の濃い光の中で 時間の臓器は待っている」(本文より)心地よいリフレインが幻惑の世界へと誘う「音更日記」、言葉の配置と表現形式にこだわった「光る雪」、グロテスクな言葉の暴力で異質な世界を構築した「青」など計18篇を収録した、小熊秀雄賞受賞詩人の詩集。言葉が持つ魔術的な美を、無意識の泉から掬い上げた、幻想的かつ根源的な一冊。
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「ブラックサンタクロース」という名前を聞いたことがあるでしょうか?
サンタクロースと言えばクリスマスの代名詞であり、子どもたちにプレゼントを配ってくれる、嬉しい存在ですよ。
しかし海外のあちこちには、優しいサンタクロースと正反対の「ブラックサンタ」の伝承があります。
地域によって格好も伝承もさまざまですが、おおむね共通するのは、サンタクロースが「良い子」にプレゼントを配るのに対して、ブラックサンタクロースは「悪い子」を懲らしめるという存在のようです。
比較的知られているのが、ドイツの伝承「クネヒト・ループレヒト(独: Knecht Ruprecht)」です。
「クネヒト」は「作男」「召使い」「従者」「しもべ」などの意味で、「ループレヒト」はドイツの一般的な男性名だそうです。
長いひげをたくわえ、黒い服をまとい、本家のサンタに比べるとやや細身に描かれることが多いようです。長い棒や、灰の入れられた袋を持って現れることもあるとか。
クネヒト・ループレヒトは、伝承によって差があるものの、お祈りができない「悪い子」を袋で叩いたり、石灰や石、棒きれなどの嬉しくないプレゼントをよこしたりするのだとか。ときには、サンタが持つ袋のようなものに「悪い子」を入れて、どこかへ連れ去ってしまうこともあるようです。
また、似たような伝承で、アルプスやヨーロッパ周辺に広まったのが「クランプス」。見た目がだいぶ怖く、半分ヤギ、半分悪魔のような、怪物と言っていい容姿で描かれることが多いそうです。
こちらも「悪い子」と判断した子どもを連れ去ったり、ときには地獄へ引きずり込んでしまったりすることもあるとか…。
アルプス周辺のクランプスのほかにも、ヨーロッパの各地には、「悪い子」を懲らしめる聖ニコラウスの同行者 (Companions of Saint Nicholas) が伝えられており、北西ドイツのBelsnickel、オランダやベルギーのズワルテ・ピート (Zwarte Piet) 、フランスのLe Père Fouettardなど、いくつかのバリエーションがある。クネヒト・ループレヒトもそうした「聖ニコラウスの同行者」の一種だと言われています。
どちらも怖い見た目で、「悪い子ども」に対して非道なことをする、という共通点があります。
日本でも「なまはげ」など、悪さをする子どもがいないか探しに来る伝承がありますが、各地の「ブラックサンタクロース」も同じようなものなのかもしれません。
「良い子にしていないといけないよ」という教訓的なものは、どの国でもきっと変わらないのでしょう。
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日本民族の性意識
「古事記」には、男女の性交や女性器への言及など、性的な表現があちこちに散りばめられています。特に神代の場面に、頻出するのですが、それらを読んでも淫猥な感じは受けず、むしろほほえましいとの印象を抱きます。これは、古代の日本人が、性というものに対して、大らかであったことの表れであるのかもしれません。
この古代日本人のセクソロジー(【sexology】性科学)ともいうべきものを、まず、伊耶那岐(イザナギ)、伊耶那美(イザナミ)の国づくり神話からみてみましょう。
□原文 於其嶋天降坐而、見立天之御柱、見立八尋殿。於是問其妹伊耶那美命曰、汝身者如何成。答白吾身者、成成不成合處一處在。爾伊耶那岐命詔、我身者、成成而成餘處一處在。故以此吾身成餘處、刺塞汝身不成合處而、以爲生成國土。生奈何。【訓生云宇牟。下效此。】伊耶那美命、答曰然善。爾伊耶那岐命詔、然者吾與汝行廻逢是天之御柱而、爲美斗能麻具波比。【此七字以音。】如此之期、乃詔、汝者自右廻逢、我者自左廻逢。約竟廻時、伊耶那美命、先言阿那邇夜志愛袁登古袁、【此十字以音。下效此。】後伊耶那岐命、言阿那邇夜志愛袁登賣袁、各言竟之後、告其妹曰、女人先言不良。雖然久美度邇【此四字以音。】興而生子、水蛭子。此子者入葦船流去。次生淡嶋。是亦不入子之例。
訓み下し文 その島に天降りまして、天の御柱を見立て、八尋殿を見立てたまひき。ここにその妹伊邪那美命に問ひたまはく、「汝が身は如何に成れる」とひたまへぱ、「吾が身は、成り成りて成り合はざる處一處あり。」と答へたまひき。ここに伊邪那岐命詔りたまはく、「我が身は、成り成りて成り餘れる處一處あり。故、この吾が身の成り餘れる處をもちて、汝が身の成り合はざる處にさし塞(ふさ)ぎて、國土(くに)を生み成さむと以爲(おも)ふ。生むこと奈何。」とのりたまへぱ、伊邪那美命、「然善(しかよ)けむ。」と答へたまひき。ここに伊邪那岐命詔りたまひしく、「然らぱ吾(あれ)と汝(いまし)とこの天の御柱を行き廻り逢ひて、みとのまぐはひ爲む。」とのりたまひき。かく期りて、すなはち「汝は右より廻り逢へ、我は左より廻り逢はむ。」と詔りたまひき。約(ちぎ)り竟(を)へて廻る時、伊邪那美命、先に「あなにやし、えをとこを。」と言ひ、後に伊邪那岐命、「あなにやし、えをとめを。」と言ひ、各言ひ竟へし後、その妹に告げたまひしく、「女人先(をみなさき)に言へるは良からず。」と告げたまひき。然れどもくみどに興(おこ)して生める子は、水蛭子(ひるこ)。この子は葦船に入れて流し去てき。次に淡島を生みき。こも亦、子の例(たぐひ)には入れざりき。
■現代語訳 二柱の神はその島にお降りになって、天之御柱をお立てになり、続けて広い御殿をお作りになった。 そこで伊邪那岐命は伊邪那美命に「おまえの身体はどのようになっているのか」とおたずねになると伊邪那美命は「私の身体はすでにできていますが足らないところが一ところあります」とお答えになった。そこで伊邪那岐命は「私の身体もすでにできていますが余ったところが一ところある。そこでこの私の身体の余ったところをあなたの身体の足らないところにさし塞いで国土を生みたいと思うがどうだろうか」と仰せになった。伊邪那岐命は「それがいいでしょう」とお答えになった。 そこで伊耶那岐命は「それなら、私とあなたはこの天の御柱を回って出会い、男女の交わりをしよう」と仰せになった。このように約束されて、そこで「あなたは右から回りなさい。私は左から回って会いましょう」と仰せになり、約束の通りに廻ると伊耶那美命が先に「あなたはなんてすばらしい男なのでしょう」といい、つぎに伊耶那岐命が「あなたはなんてすばらしい女なのでしょう」と仰せになった。 それぞれ言い終わった後、伊邪那岐命は妻に「女が先に言うのは良くないことだ」と仰せになった。しかし男女の交わりをして子を生んだが水蛭子であったので、この子は葦の船に乗せて流した。つぎに淡島を生んだがこの子も子の数には入れなかった。 |
なり余った処(男根)を以て、なりあわぬ処(女陰)を刺し塞ぐとは、いかにも単刀直入で、ユーモラスではありませんか。
ということになりましたが、その方法が分からない。その方法を教えたのが、セキレイである、とされています。セキレイは尾羽を上下に振って、こうするのだと教えたそうです。
男がなり余った処をもてあまし、女がなりあわぬ所を刺し塞いで欲しいと感ずるのは、現代人も古代人も異ならないらしいです。
しかし、この時は「伊耶那美命が先に「あなたはなんてすばらしい男なのでしょう」といい、つぎに伊耶那岐命が「あなたはなんてすばらしい女なのでしょう」と仰せになった。」
「それぞれ言い終わった後、伊邪那岐命は妻に「女が先に言うのは良くないことだ」と仰せになった。」
つまり、プロポーズは男からするのが良いと言っているのです。
なお、ここにある「まぐはひ」とは、文字通り「目をかわす」ことが原義です。そこから転じて、男女の性交にも用いられたとみられ、古代以降も長く用いられました。
目合ひ 1目と目とを見合わせて愛情を通わせること。めくばせ。2男女の交接。性交。「出で見て、すなはち見感(みめ)でて、―して」〈記・上〉「みとの―せむ」〈記・上〉 デジタル大辞泉 |
天岩戸神話で活躍する天宇受売(アメノウズメ)もまた、エロチックに描かれています。
あまのうずめ‐の‐みこと【天鈿女命/天宇受売命】 日本神話で、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天(あま)の岩屋に隠れた際、その前で踊り、大神を誘い出した女神。天孫降臨に五伴緒神(いつとものおのかみ)として従い、天の八衢(やちまた)にいた猿田彦神に道案内をさせた。猿女君(さるめのきみ)の祖神。 デジタル大辞泉 |
□原文 故於是天照大御神見畏、開天石屋戸而、刺許母理【此三字以音】坐也。爾高天原皆暗、葦原中國悉闇。因此而常夜往。於是萬神之聲者、狹蝿那須【此二字以音】滿、萬妖悉發。是以八百萬神、於天安之河原、神集集而、【訓集云都度比】高御産巣日神之子、思金神令思【訓金云加海尼】而、集常世長鳴鳥、令鳴而、取天安河之河上之天堅石、取天金山之鐵而、求鍛人天津麻羅而、【麻羅二字以音】科伊斯許理度賣命、【自伊以六字以音】令作鏡。科玉祖命、令作八尺勾璁之五百津之御須麻流之珠而、召天兒屋命、布刀玉命【布刀二字以音。下效此】而、内拔天香山之眞男鹿之肩拔而、取天香山之天之波波迦【此二字以音木名】而、令占合麻迦那波而、【自麻下四字以音】天香山之五百津眞賢木矣、根許士爾許士而、【自許下五字以音】於上枝、取著八尺勾璁之五百津之御須麻流之玉、於中枝取繋八尺鏡、【訓八尺云八阿多】於下枝、取垂白丹寸手、青丹寸手而、【訓垂云志殿】此種種物者、布刀玉命、布刀御幣登取持而、天兒屋命、布刀詔戸言祷白而、天手力男神、隱立戸掖而、天宇受賣命、手次繋天香山之天之日影而、爲鬘天之眞拆而、手草結天香山之小竹葉而、【訓小竹云佐佐】於天之石屋戸伏汚氣【此二字以音】蹈登杼呂許志、【此五字以音】爲神懸而、掛出胸乳、裳緒忍垂於番登也。爾高天原動而、八百萬神共咲。
於是天照大御神、以爲怪、細開天石屋戸而、内告者、因吾隱坐而、以爲天原自闇、亦葦原中國皆闇矣、何由以、天宇受賣者爲樂、亦八百萬神諸咲。爾天宇受賣白言、益汝命而貴神坐。故、歡喜咲樂。如此言之間、天兒屋命、布刀玉命、指出其鏡、示奉天照大御神之時、天照大御神、逾思奇而、稍自戸出而、臨坐之時、其所隱立之天手力男神、取其御手引出、即布刀玉命、以尻久米【此二字以音】繩、控度其御後方白言、從此以内不得還入。故、天照大御神出坐之時、高天原及葦原中國、自得照明。
於是八百萬神共議而、於速須佐之男命、負千位置戸、亦切鬚及手足爪令拔而、神夜良比夜良比岐。
◆訓み下し文 故、是(かれここ)に天照大御神見畏みて、天(あめ)の岩屋戸(いはやと)を開きて刺許母理(さしこもり)坐(ま)しき。爾(ここ)に高天(たかま)の原皆暗く、葦原中国(あしはらのなかつくに)悉(ことごと)に闇(くら)し。此れに因りて常夜(とこよ)往きき。是に万(よろず)の神の聲は、狭蝿那須(さばえなす)満ち、万の妖(わざはひ)悉に発(おこ)りき。是を以ちて八百万(やおよろず)の神、天安(あめのやす)の河原に神集(かむつど)ひ集ひて、高御産巣日神の子、思金(おもひかね)神に思はしめて、常世(とこよ)の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かしめて、天安河(あめのやすのかは)の河上の天(あめ)の堅石(かたしは)を取り、天の金山(かなやま)の鉄(まがね)を取りて、鍛人(かぬち)天津麻羅(あまつまら)を求(ま)ぎて、伊斯許理度売(いしこりどめの)命に科(おほ)せて鏡を作らしめ、玉祖(たまのおやの)命に科せて、八尺(やさか)の勾たまの五百津(いほつ)の御須麻流(みすまる)の珠を作らしめて、天児屋(あめのこやねの)命、布刀玉(ふとだまの)命を召して、天(あめ)の香山(かぐやま)の真男鹿(まをしか)の肩を内(うつ)抜きに抜きて、天の香山の天の波波迦(ははか)を取りて、占合(うらな)ひ麻迦那波(まかなは)しめて、天の香山の五百津真賢木(まさかき)を根許士爾許士(ねこじにこじ)て上枝(ほつえ)に八尺の勾たまの五百津の御須麻流の玉を取り著け、中枝(なかつえ)に八尺鏡(やあたかがみ)を取り繋(か)け、下枝(しずえ)に白丹寸手(しらにきて)、青丹寸手(あをにきて)を取り垂(し)でて、此の種種(くさぐさ)の物は、布刀玉命、布刀御幣(ふとみてぐら)と取り持ちて、天児屋命、布刀詔戸言(ふとのりとごと)祷(ほ)き白(まを)して、天手力男(あめのたぢからをの)神、戸の掖(わき)に隠り立ちて、天宇受売(あめのうずめの)命、天の香山の天の日影を手次(たすき)に繋けて、天の真拆(まさき)をかづらと為(し)て、天の香山の小竹葉(ささば)を手草(たぐさ)に結ひて、天の石屋戸にう気(け)伏せて蹈(ふ)み登抒呂許志(とどろこし)、神懸(かむがか)り為て、胸乳(むなち)を掛き出で裳緒(もひも)を番登(ほと)に忍(お)し垂(た)れき。爾に高天の原動(とよ)みて、八百万の神共に咲(わら)ひき。
是に天照大御神、怪しと以為(おも)ほして、天の石屋戸を細めに開きて、内より告りたまひけらく、「吾(わ)が隠(こも)り坐(ま)すに因りて、天の原自(おのずか)ら闇く、亦葦原中国も皆闇けむと以為ふを、何由以(なにのゆゑにか)、天宇受売は楽(あそび)を為、亦(また)八百万の神も諸(もろもろ)咲へる。」とのりたまひき。爾に天宇受売白言(まを)しけらく、「汝命(いましみこと)に益して貴き神坐(いま)す。故、歓喜(よろこび)ひ咲ひ楽(あそ)ぶぞ。」とまをしき。如此(かく)言(まを)す間に、天児屋命、布刀玉命、其の鏡を指し出して、天照大御神に示(み)せ奉(まつ)る時、天照大御神、逾奇(いよよあや)しと思ほして、稍(やや)戸より出でて臨み坐す時に、其の隠り立てりし天手力男神、其の御手(みて)を取りて引き出しまつりき。即ち布刀玉命、尻久米縄(しりくめなは)を其の御後方(みしりへ)に控(ひ)き度(わた)して白言しけらく、「此れより内にな還り入りそ。」とまをしき。故、天照大御神出で坐しし時、高天の原も葦原中国も自ら照り明りき。
是に八百万の神共に議(はか)りて、建速須佐之男命に千位(ちくら)の置戸(おきど)を負(おほ)せ、亦鬚を切り、手足の爪も抜かしめて、神夜良比夜良比岐(かむやらひやらひき)。
■現代語訳 天照大御神は須佐之男命の暴れる様を見て恐れてしまい、天の岩屋戸を開けてそこにお引き籠りになった。 高天の原も葦原中国も全て暗くなってしまい、いつまでも夜が続くようになった。そして悪神の騒ぐ声が満ちあふれ、悪鬼による様々な被害が起きるようになった。 八百万の神は困りに困り、天安の河原に集まり、高御産巣日神の子、思金神の思慮をつくさせ対策を練った。 まず常世国の長鳴鳥を集められ、一斉に鳴かせました。(鶏が鳴くと太陽が昇ることから) 天安河の河上の天の堅石と天の金山の鉄を取ってきて、鍛冶屋を探して、伊斯許理度売命に鏡を作るように言い、玉祖命に八尺の勾たまを作るように言いました。(この時作られた鏡と玉が、後に天孫降臨によって高天原から地上にもたらされ「三種の神器」の二つになる。) そして、天児屋命、布刀玉命をお召しになって、天の香山の牡鹿の肩の骨を丸抜きし、天の香山の朱桜を取ってきて、占いをして神意をはかり、天の香山の枝葉の繁った栄木(さかき、榊とは別)を根ごと掘りとり、その上枝に八尺の勾たまを取りつけ、中枝に八尺鏡(やあたかがみ)を取りかけ、下枝に綿と麻の布を取り垂らし、これらの物を布刀玉命が神に献る品物として取り持ち、天児屋命が祝詞を述べて、天手力男神が戸の脇に隠れて立って、戸が緩むのを待ちました。 神楽が始まりました。天宇受売命が天の香山のさがりごけを手次(たすき)に掛けして、つるまさきをかづらにして、天の香山の小竹葉を手に持つ程度に束ねて、天の石屋戸に空笥を覆せて置いた。そして大地を踏み轟かし、神懸った状態になると、胸もあらわに、裳の紐も陰部まで押し下げて垂らした。これに高天の原は揺れ、八百万の神々は共に笑った。 これを天照大御神は不審に思って、天の石屋戸を細めに開いて中から、「私がここに隠れているのだから、天の原も、また葦原中国も暗くなっているはずなのに、どうして天宇受売は歌い舞い、八百万の神も皆笑っているのか。」と申し上げた。 これに天宇受売は、「あなたにも増して貴き神がいらっしゃいました。ですから喜び笑い歌い踊っているのです。」と答えた。こう答える間に、天児屋命と布刀玉命は鏡を指し出し、天照大御神に示し見せました。天照大御神は鏡に映る自らの御身をご覧になって、自分と同じような太陽の神が別にいると勘違いして、びっくりなさいました。 その時、そこに隠れて立っていた天手力男神はその御手を取って引き出し、すぐに布刀玉命が注連縄をその後ろの方に引き渡して「これより中に入らないで下さい。」と申し上げた。 こうして天照大御神は岩屋戸より出て、高天の原も葦原中国も自然と明るくなった。そして八百万の神は皆で協議し、建速須佐之男命に罪をつぐなわせるために、千の台を満たすほどの夥しい品物を科し、鬚を切り、手足の爪も抜き、追放した。 |
ウズメのグロテスクななかにもユーモラスな仕草が目に浮かんでくるようだ。ウズメは天孫降臨の場面でも活躍しており、その折も胸をはだけ、陰部を露出しながら猿田彦に近づいたと、日本書紀にはあります。
天宇受売(アメノウズメ)は、「岩戸隠れ」のくだりなどに登場する芸能の女神であり、日本最古の踊り子(ストリッパー)と言えます
女性器をさしていう「ほと(火所)」という言葉は、様々なところで使われている。スサノオの乱暴によって、機女が「ほと」に杼を突き立てて死んだという話などは、隠微な部類に属するが、もっとも傑作なのは、神武天皇の皇后選定の条に出てくる話です。
―三島溝咋(みぞくひ)の女(むすめ)、名は勢夜陀多良比売(せやたたらひめ)といふ、其の容姿麗美しくありき、故(かれ)、美和之大物主神、見感でて、其の美人の大便(くそ)まれる時、丹塗矢になりて、其の大便まれる溝より流れ下りて、其の美人の富登(ほと)を突きき、爾(ここ)に其の美人驚きて、立ち走り、いすすきき、乃ち其の矢を持ち来て、床の辺におけば、忽に麗しき壯夫になりて、即ち其の美人を娶りて生める子、名は富登多々良伊須々須岐比売命(ほとたたらいすすきひめ)といひ、亦の名は比売多々良伊須気余理比売(ひめたたらいすけよりひめ)」といふ |
富登多々良伊須々須岐比売命(ほとたたらいすすききひめ)とは、「ほと」がもとで「あわてふためいた」という意味でもあろうか。何ともユーモアにとんだ挿話ではありませんか。
ところで、現代の関東地方では、女性器をさして、読者もよくご存知の四文字言葉を使う。この言葉は、古語にある「ほと」が転じてできたものなのです。
古代「ほ」は唇を用いて出す音であった。同じく唇音たる「ば」行の音や、「ま」行の音とは、相互に親縁の関係にある。こんな事情から、「ほと」が「「ほほ」となり、「ほほ」が「ぼぼ」となり、さらに「もも」、「めめ」、「めこ」などとなりゆくうちに、今日ある、「おま○こ」の四文字に落ち着いたのです。
話がそれてしまいましたが、昔の日本人は性におおらかであったということです。いやらしさはなく、ユーモラスでさえあったのです。
最近の性犯罪の多発に、何か警鐘を鳴らしているようにも感じてしまいます。
【かってにせんでん部】
ハーブティーは下記のお店「雑貨(Tkuru&Nagomu)で取り扱っています。
http://www.d-kyoya.com/minimarche/
☆ミニマルシェ12月のイベントのご案内☆ ☆ショップ イベント☆... ”お肌にやさしいアロマクリーム作り” ☆ミニミニマルシェ☆ ☆カウントダウンパーティー☆(予定)
店内はすっかりクリスマスモードです。
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したっけ。
セックス・アンド・ザ・シティ (吹替版) | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
きゅい~ん’ズ再登場!! | |
NOBE | |
DUNIVERSE |
きゅい~ん’ズ登場! | |
NOBE,Jiao Long,God |
青森県下北半島恐山の「いたこ」のことは、みなさんもご存知のことと思います。「いたこ」のシャーマニズムはどこから来たのか? 「卑弥呼」もシャーマンだったのか?
シャーマニズムは、シベリアから東南アジアにかけての広範な地域に見られます。いずれの地域のシャーマニズムも、霊媒的な能力を持った巫者(シャーマン)を中心に、現世とあの世との交流を通じて、死者との対話や未来の予見などを図ろうとする、原始的な宗教意識の体系です。
日本においても、シャーマニズムは長い歴史を有しています。東北地方における「いたこ」や「ごみそ」、沖縄の「のろ」などは、日本型のシャーマンであり、最近まで実在していました。彼女らはみな盲目の口寄師として、地域社会に一定の座を占めていました。その職能は、エクスタシーを通じて自らを無と化し、そこに他人の霊を乗り移らせて、その霊をして語らしめるというものでした。
いたこ 東北地方で、霊の口寄せをする巫女(みこ)。多くは盲目の女性。青森県下北半島恐山のいたこが有名。→市子(いちこ) デジタル大辞泉 |
ごみそ 青森・秋田県などに多い祈祷(きとう)・卜占(ぼくせん)者の一。多くは既婚の女性。依頼をうけて神前で祈祷などを行う。「いたこ」のように目が不自由でなく、師匠にもつかず、特別の用具も持たない。 デジタル大辞泉 |
のろ / 祝女 琉球(りゅうきゅう)諸島の女性神役。方言ではヌルと発音する。村落の祭祀(さいし)を統轄主宰する神役で、奄美(あまみ)諸島と沖縄諸島では「のろ」、宮古列島と八重山列島では「つかさ」とよぶ。のろは首里(しゅり)王府から任命された公職で、のろ地と称する役地が与えられ、1667年(寛文7)までは御朱印(ごしゅいん)(辞令書)も発給されていた。 日本大百科全書(ニッポニカ) |
「卑弥呼」もまた巫女であったとする説があります。古代にあっては占いや霊のお告げは、計り知れぬほど大きな意味を持ったのであり、人々はその結果によって行動することが多かったのです。このような社会においては、霊媒の地位は高かったに違いありません。卑弥呼は自らの霊媒の力によって、人々の上に権威を保ったとも考えられるのです。
日本のシャーマニズムは、口寄や霊媒という言葉に伺われるように、巫女の身体に他人の霊を宿らせるというものであり、「憑霊型シャーマニズム」といわれています。これに対して「脱魂型シャーマニズム」というものがあります。これは、巫者の霊がその身体を離れて、あの世や別世界に飛翔するというものです。霊は再び身体に戻ると、その口から、あの世や別世界で見聞きしたことを語ります。
「脱魂型シャーマニズム」は、主にシベリアなどの極寒の地にみられます。その歴史も人類史の始まりに遡るほど古いものらしいのです。これらの地では、身体を離れた霊が、天空や冥界を訪問する類の説話が多く残されているといいます。
死者を追って冥界を訪問するという話はギリシャ神話にあります。オルフェウスの冥界訪問の話です。
オルフェウスは死んだ妻エウリュディケーが忘れられず、冥界を訪問して支配者ハーデスに会い、ぜひ妻を連れ戻したいと願います。ハーデスはオルフェウスの気持ちに動かされ、エウリュディケーを連れて行くことを許すが、地上へたどり着くまでは、彼女を振り返ってはならないと条件をつけました。喜んだオルフェウスは彼女を連れて地上に向かい、教えのとおり決して彼女を振り返ることはなかったが、もう少しで地上というところで我慢することができなくなり、彼女を振り向きました。そのとたんに彼女の姿が消えた、というものです。 |
オルフェウス神話はディオニュソス神話と密接に結びついており、東方起源のものだろうといわれています。したがって、ここに紹介した冥界訪問伝説は、東方の脱魂型シャーマニズムが流れ込んだものと、考えることができます。
ところで、同じような形式の「冥界訪問説話」が日本神話の中にも出てきます。イザナギノミコトの黄泉国訪問神話です。これを、古事記は次のように描いています。
□原文 是欲相見其妹伊邪那美命、追往黄泉國。爾自殿縢戸出向之時、伊邪那岐命語詔之、愛我那迩妹命、吾與汝所作之國、未作竟。故、可還。爾伊邪那美命答白、 悔哉、不速來。吾者爲黄泉戸喫。然愛我那勢命、【那勢二字以音。下效此】入來坐之事恐。故、欲還、旦具與黄泉神相論。莫視我。如此白而、還入其殿内之間。甚久難待。故、刺左之御美豆良、【三字以音下效此】湯津津間櫛之男柱一箇取闕而、燭一火入見之時、宇士多加禮斗呂呂岐弖、【此十字以音】於頭者大雷居、於胸者火雷居、於腹者黒雷居、於陰者拆雷居、於左手者若雷居、於右手者土雷居、於左足者鳴雷居、於右足者伏雷居、并八雷神成居。
訓み下し文 ―是に其の妹(いも)伊邪那美命を相見むと欲(おも)ひて、黄泉(よみの)国に追ひ往きき。爾(ここ)に殿の縢戸(さしど)より出で向へし時、伊邪那岐命、語らひ詔(の)りたまはく、「愛しき我が汝妹(なにも)の命、吾と汝と作れる国、未だ作り竟へず。故(かれ)、還るべし。」とのりたまひき。爾に伊邪那美命答へ白さく、「悔しきかも、速く来まさずて。吾は黄泉戸喫(よもつへぐい)為つ。然れども愛しき我が汝夫(なせ)の命、入り来坐せる事恐(かしこ)し。故、還らむと欲ふを、且(しばら)く黄泉神と相論(あげつら)はむ。我をな視たまひそ。」とまをしき。如此白して其の殿の内に還り入りし間、甚久しくて待ち難ねたまひき。故、左の御美豆良(みみつら)に刺せる湯津津間櫛(ゆつつまぐし)の男柱(おばしら)一箇取り闕(か)きて、一つ火燭して入り見たまひし時、宇士多加礼許呂呂岐弖(うじたかれころろきて)、頭には大雷居り、胸には火雷居り、腹には黒雷居り、陰には拆雷居り、左の手には若雷居り、右の手には土雷居り、左の足には鳴雷居り、右の足には伏雷居り、并せて八の雷神成り居りき。
■現代語訳 伊邪那岐命は死んだ伊邪那美命にどうしても会いたくなり、黄泉国へ追っていった。黄泉国の殿舎の塞がれた戸から出迎えた伊邪那美命に向かって、伊邪那岐命は「愛しい我が妻よ、私と君と一緒に作った国はまだ作り終わってはいない。だから一緒に帰ろう。」といった。これに伊邪那美命は答えて「悔しいことです。なぜもっと速く来てくれなかったのです。私は黄泉国の竃で煮たものを食べてしまいました。もう現世には戻れません。でも愛しい我が夫がせっかくここまで来てくれました。私が帰れるように黄泉神と相談してみましょう。その間決して私を見ないで下さい」といった。伊邪那美命はそういってから殿舎の中に帰っていった、長い間待っていたが待ちきれなくなり、結った髪の左に刺していた湯津津間櫛の両端にある太い歯を一つ取って、一つ火を灯して中に入り見た時、伊邪那美命は蛆にたかられ、咽がかれてむせぶような音をたてていた。頭には大雷、胸には火雷、腹には黒雷、陰には拆雷、左の手には若雷、右の手には土雷、左の足には鳴雷、右の足には伏雷、あわせて八はしらの雷神が化生していた。
□原文 於是伊邪那岐命見畏而。逃還之時。其妹伊邪那美命言。令見辱吾。即遣豫子母都志許賣【此六字以音】令追。爾伊邪那岐命取黒御鬘投棄。乃生蒲子。是[才庶]食之間逃行猶追。亦刺其右御美豆良之湯津津間櫛引閉而投棄。乃生笋等。是拔食之間逃行。且後者。於其八雷神。副千五百之黄泉軍。令追。爾拔所御佩之十拳劍而。於後手布伎都都【此四字以音】逃來。猶追。到黄泉比良【此二字以音】坂之坂本時。取在其坂本桃子三箇持撃者。悉逃返也。爾伊邪那岐命告桃子。汝如助吾。於葦原中國所有宇都志伎【此四字以音】青人草之落苦瀬而。患惚時。可助告。賜名
号意富加牟豆美命【自意至美以音】最後其妹伊邪那美命。身自追來焉。爾千引石。引塞其黄泉比良坂。其石置中。各對立而。度事戸之時。伊邪那美命言。愛我那勢命。爲如此者。汝國之人草。一日絞殺千頭。爾伊邪那岐命詔。愛我那迩妹命。汝爲然者。吾一日立千五百産屋。是以一日必千人死。一日必千五百人生也。故号其伊邪那美神命謂黄泉津大神。亦云以其追斯伎斯【此三字以音】而。號道敷大神。亦所塞其黄泉坂之石者。號道反大神。亦謂塞坐黄泉戸大神。故其所謂黄泉比良坂者。今謂出雲國之伊賦夜坂也。
訓み下し文 ―是に伊邪那岐命見畏(かしこ)みて逃げ還ります時、其の妹伊邪那美命言さく、「吾に辱見せつ。」とまをして、即ち予母都志許売(よもつしこめ)を遣(つか)はして追はしめき。爾に伊邪那岐命、黒御かづらを取りて投げ棄つれば、乃ち蒲の子生りき。是をひりひ食む間に、逃げ行くを猶追ひしかば、亦其の右の御美豆良に刺せる湯津津間櫛を引き闕きて投げ棄つれば、乃ち笋(たかむな)生りき。是を抜き食む間に、逃げ行きき。且(また)後には、其の八の雷神に、千五百の黄泉軍を副へて追はしめき。爾に御佩(はか)せる十拳剣(とつかつるぎ)を抜きて、後手にふきつつ逃げ来るを、猶追ひて、黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本に到りし時、其の坂本に在る桃の子三箇を取りて待ち撃てば、悉に逃げ返りき。爾に伊邪那岐命、其の桃の子に告りたまはく、「汝、吾を助けしが如、葦原中国に有らゆるうつくしき青人草の、苦しき瀬に落ちて患(うれ)へ愡む時に助くべし。」と告りたまひて、名を賜ひて意富加牟豆美命と号(い)ひき。
―最後に其の妹伊邪那美命身自ら追ひ来りき。爾に千引の石を其の黄泉比良坂に引き塞へて、其の石を中に置きて、各対(むか)ひ立ちて事戸を度(わた)す時、伊邪那美命言さく、「愛しき我が那勢の命、如此為ば、汝の国の人草、一日に千頭絞り殺さむ。」とまおしき。爾に伊邪那岐命詔りたまはく、「愛しき我が那邇妹の命、汝然為ば、吾一日に千五百の産屋立てむ。」とのりたまひき。是を以ちて一日に必ず千人死に、一日に必ず千五百人生まるるなり。故、其の伊邪那美命を号けて黄泉津大神と謂ふ。亦云はく、其の追ひしきしを以ちて道敷大神と号くといふ。亦其の黄泉の坂に塞りし石は、道反(ちがへし)之大神と号け、亦塞り坐す黄泉戸大神謂ふ。故、其の謂はゆる黄泉比良坂は、今出雲国の伊賦夜(いふや)坂と謂ふ。
■現代語訳 伊邪那岐命はこれを見て畏れ逃げ帰ろうとした時、伊邪那美命は「私に恥をかかせましたね。」と言って、すぐ母都志許売(よもつしこめ)を遣わして追ってきた。伊邪那岐命は黒御縵(くろみかづら、頭の飾り)を取って投げ棄てると、たちまち葡萄の実になった。これを拾って食べている間に逃げたが、まだ追ってきたので、今度は右の結った髪に刺してあった湯津津間櫛を引き抜いて投げ棄てると、たちまちたけのこが生えた。これを抜き食べている間に、また逃げた。其の後、八はしらの雷神が大勢の黄泉軍を率いて追ってきた。伊邪那岐命は腰に帯びていた十拳劒を抜いて後ろ手に振りながら逃げ来たが、さらに追ってきたので、黄泉比良坂(黄泉と現世を隔てる坂)のふもとまで来た時、そのふもとににある桃の実を三つ取って、軍勢が来るのを待って投げると、悉く黄泉国へ逃げ帰った。伊邪那岐命はその桃の実に向かって、「この実は私を助けてくれたように、葦原中国にいる全ての人民が苦しい目にあって思い悩むとき助けてくれるだろう。」といい、意富加牟豆美(おほかむづみ)命という名を授けた。
最後には伊邪那美命自ら追ってきた。伊邪那岐命は千引の石で黄泉比良坂を塞いで、其の石を間において、各々立ち向かって絶縁する時、伊邪那美命は「愛しい我が夫よ、こうなったら私は、あなたの国の人民を一日に千人絞め殺しましょう。」といった。そこで伊邪那岐命は、「愛しい我が妻よ、おまえがそうするのなら、私は一日に千五百人産むことにしよう。」と言い返した。こういうわけで一日に必ず千人死に、一日に必ず千五百人生まれることとなった。この伊邪那美命を黄泉津(よもつ)大神と名付けた。また伊邪那岐命に追い付いたことから道敷(みちしき)大神ともいう。黄泉の坂で塞いでいる石は、道反之(ちがへし)大神と名付け、別名塞り坐す黄泉戸(よみど)大神ともいう。また黄泉津良坂は、今、出雲国の伊賦夜坂(いふや)という。 |
描写がどぎつく、かつ逃げるイザナギの装具から食物が生じたなど、話への着色も見られるが、大筋においては、オルフェウスの冥界訪問説話とよく似ています。
似たような話は、「脱魂型シャーマン」の魂遊離譚として、多く語られていたのでしょう。そしてそれが、なにかの通路をたどって、洋の東西の神話の中に流れ込んでいったのかもしれません。神話学者の中には、日本の神話にこうした北方的な要素があることを手がかりに、日本民族の北方的要素を解明しようとする動きもあります。
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「因幡の白兎」には、何故ワニが出てくるのか?
不思議に思ったことはありませんか?
「そんなことは不思議じゃありませんよ。あれはサメのことです」
本当に鮫(サメ)なんでしょうか?
日本民族の起源については、さまざまな説があります。
もっとも有力なのは、ユーラシア大陸から渡来した人々に起源を求めるもので、北方起源説と呼ばれています。遺伝学上、文化人類学上多くの傍証があり、首肯しやすい説です。
しかし、この説のみを以ては割り切れぬ部分があるため、一部南方起源の民族との混交も説かています。
民族と文化の混交は、神話の中にも影を落としていると思われます。
「古事記」を読むと、神話の骨格となる部分は、高天原や冥界訪問など北方由来と思われるものなのですが、一方で、南洋的色彩の強い説話が所々散りばめられています。
そんな例の一つに「因幡の素兎」の説話があります。兎がワニをだましたお仕置に、皮をはがれるというものです。そこの部分は次のように書かれています。
古代の日本に南洋の生き物たるワニが生息していた訳はありませんから、この部分は大いに議論を呼びました。
そこで、ここにある「和邇(わに)」とは鰐ではなく、鮫のことだとする説も現れました。しかし、同じくワニが登場するトヨタマヒメ出産の場面においては、「わに」を鮫としたのでは、納得いかないところがある。古事記はこの場面を次のように書いています。
とよたま‐びめ【豊玉姫/豊玉毘売】 日本神話で、海神豊玉彦神の娘。彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)(山幸彦(やまさちひこ))の妻となり鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)を生む。 デジタル大辞泉 |
ここに、「八尋の和邇」となった豊玉姫(トヨタマヒメ)が、陣痛のあまりに、「匍匐ひ委蛇ひき」とある。匍匐とは「はらばう」ことであり、委蛇(いだ)とは「くねくねと身をくねらす」ことです。その仕草から、鮫を連想するのは無理があると思います。ワニと解釈すれば、自然に受け取れます。つまり、ここにあるワニのイメージは、南方からやってきた人々の記憶が神話に反響しているのだと、解釈もできるのです。
インドネシアやポリネシア諸島に広く分布している神話に、「ハイヌウェレ型神話」というものがあります。殺された少女の身体から食物が生じたという内容の話です。セラム島に伝わる「ハイヌウェレ」の話は次のようになっています。
「椰子の木から生まれた少女ハイヌウェレ(椰子の枝という意味)は、様々な宝物を大便として排出することができた。あるとき、その宝物を村人に配ったところ、村人たちは気味悪がって彼女を殺してしまい、死体を切り刻んであちこちに埋めた。すると、彼女の死体からは様々な種類のヤム芋が生じ、人々の主食となった。」 |
こうした類の食物生成神話は、南方に特徴的なものだとされているのですが、同じような内容の話が日本神話の中にも出てきます。「オオゲツヒメ」の説話です。この話を、古事記は次のように描いています。
おおげつひめ‐の‐かみ〔おほげつひめ‐〕【大宜都比売神/大気都比売神】 食物をつかさどる女神。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の子。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が食物を求めたとき、鼻・口・尻から食物を取り出して奉ったため、怒った尊に殺されたが、その死体から蚕および五穀が生じたという。「日本書紀」では保食神(うけもちのかみ)。 デジタル大辞泉 |
於是八百萬共議而、於速須佐之男命、負千位置戸、亦切鬚及手足爪令拔而、夜良比夜良比岐。又食物乞大氣津比賣、爾大氣都比賣、自鼻口及尻、種種味物取出而、種種作具而進時、速須佐之男命、立伺其態、爲穢汚而奉進、乃殺其大宜津比賣。故、所殺於身生物者、於頭生蠶、於二目生稻種、於二耳生粟、於鼻生小豆、於陰生麥、於尻生大豆。故是產巢日御祖命、令取茲、成種。 「是に八百万の神、共に議(はか)りて、速須佐之男命に千位(ちくら)の置戸を負せ、亦鬚を切り手足の爪も抜かしめて、神やらひやらひき。又食物を大気津比売神(おおげつひめ)に乞ひたまひき。爾に大気津比売、鼻・口及尻より種種(くさぐさ)の味物(ためつもの)を取り出して、種種作り具へて奉進(たてまつ)る時に、速須佐之男命、其の態(しわざ)を立ち伺ひて、穢汚(けが)して奉進ると、乃ち其の大宜都比売神を殺したまひき。故、殺さえし神の身に生れる物は、頭に蚕生り、二つの目に稲種生り、二つの耳に粟生り、鼻に小豆生り、陰(ほと)に麦生り、尻に大豆生りき。故、是に神産巣日(かみむすび)の御祖(みおやの)命、これを取らしめて、種と成したまひき」 |
「オオゲツヒメ」とは、「大いなる食物の神」という意味の言葉です。その名のとおり、「オオゲツヒメ」は五穀の起源となりました。芋ではなく五穀なのは、日本流に換骨堕胎された結果でしょう。いづれにしても、この神話の中には、南方からのはるかな反響が聞こえるのです。
日本人の命を伝えてきた米は「赤き米」でした。これは南方より持ち込まれたとされています。↓
過去記事:「サの神」について考える
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きのうの「人魚」の話で「天狗」が出てきました。今日は天狗について考えてみます。
各地の祭りでは、ほとんどどこでも天狗が登場して、神幸祭の行列を先導しています。長い鼻と赤ら顔の天狗の面をかぶり、一枚歯の高下駄をはき、色あでやかな衣装をまとったその姿は、行列の人気者です。
あの天狗は「猿田彦」といいます。
いつの頃から猿田彦が天狗となり、神々の先導役を勤めるようになったか、その鍵は天孫降臨神話の中にあるようです。
猿田彦について、「日本書紀天孫降臨の条」はつぎのように書いています。
「一神あり、天八達之衢(あめのやちまた)に居り、其の鼻の長さ七咫(ななあた)、背の長さ七尺余り、まさに七尋(ななひろ)といふべし、且(また)口尻明り耀れり、目八咫鏡の如くにして、?然(てりかがやけること)赤酸漿(あかかがち)に似れり、即ち従の神を遣はして往いて問はしむ、時に八十萬神あり、皆目勝ちて相問ふことを得ず、故(か)れ特に天鈿女(あめのうずめ)に勅して曰く、汝は是れ人に目勝つ者なり、宜しく往いて問ふべし、天鈿女乃ち其の胸乳(むなち)を露にかきたて、裳帯(もひも)を臍(ほぞ)の下に抑(おした)れ、あざ笑ひて向ひ立つ、是の時に衢の神問ひて曰く、汝かく為ることは何の故ぞや、対へて曰く、天照大神の子の幸(いでま)す道路に、此の如くにして居るは誰ぞ、敢て問ふ、衢の神対へて曰く、天照大神の子今降行(いでま)すべしと聞きまつる、故れ迎へ奉りて相待つ、吾が名は是猿田彦大神」 |
其の鼻の長さ七咫(ななあた)とあります。「咫(あた)」は、中国および日本で用いられていた長さの単位です。日本神話(「古事記」「日本書紀」では、「八咫鏡(やたのかがみ)」、「八咫烏(やたがらす)」など「八咫」という長さがよく登場します。一咫は約18㎝ですから、鼻の長さは126㎝もあったことになります。
この後、猿田彦は天鈿女(あめのうずめ)の問に答えて、天孫の降臨すべき場所は筑紫の日向の高千穂である旨を告げます。この告げに従って天孫の一行は高千穂の串触(くしふる)の峰に天下るのです。
ここに描かれている猿田彦の形相は、長い鼻に真っ赤な顔というのですから、今日いう天狗のまさに原型のようなものです。その猿田彦が天孫の天下りすべき場所を教えているというのは興味深いはなしです。天孫一行は猿田彦の案内がなければ、無事天下ることができなかったとも受け取れます。そこからして、今日(こんにち)の祭においても、神々の行く手は猿田彦が案内するものと、相場が決まったのだろうおもわれます。
猿田彦の形相は天狗を思い出させるが、実はもともと天狗であったわけではありません。「日本書紀」の中でも、天狗への言及があるが、それは流れ星をさして天狗といっているのであり、もともとは天狗と猿田彦とは別のものでした。
天狗(てんぐ)は、日本の民間信仰において伝承される神や妖怪ともいわれる伝説上の生き物。一般的に山伏の服装で、赤ら顔で、鼻が高く、翼があり空中を飛翔するとされる。俗に人を魔道に導く魔物とされ、外法様ともいう。また後白河天皇の異名でもあった。 Wikipedia |
平安末期成立の『今昔物語集』には、空を駆け、人に憑く「鷹」と呼ばれる魔物や、顔は天狗、体は人間で、一対の羽を持つ魔物など、これらの天狗の説話が多く記載されました。これは1296年(永仁4年)に『天狗草紙(七天狗絵)』として描写されました。ここには当時の興福寺、東大寺、延暦寺、園城寺、東寺、仁和寺、醍醐寺といった7大寺の僧侶が堕落した姿相が風刺として描かれています。
これら天狗の容姿は、室町時代に成立したとされる『御伽草子・天狗の内裏』の、鞍馬寺の護法魔王尊あるいは鞍馬天狗などが大きな影響を与えていると思われます。
両者が結びついて、今日のような天狗のイメージが定着するのは室町時代以降のことです。鞍馬山に住む天狗や、謡曲に多く出てくる天狗のイメージがその始まりと見られています。
天狗は長い鼻を持ち、一夜にして千里を翔る。形相においては猿田彦を連想させ、神出鬼没な面は流れ星に似ている。日本人の想像力が育てた傑作といえるかもしれません。
猿田彦と天狗等参照
猿田彦神社(総本社:三重県伊勢市)
≪おまけ≫ 天狗になる いい気になって自慢する。得意になる。うぬぼれる。「少しほめると、すぐ―・る」 デジタル大辞泉 |
過去記事:「おかめは美人の代名詞」について考える
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山口盆地に優美な稜線をみせている姫山には、地元でも有名な伝説があります。
姫山の登山口に、「大内さとづくりまちづくり推進協議会」が設置した説明看板があり、そこに、このように紹介されています。
「その昔、殿様が、美女を見初めて、無体な恋慕をよせ、殿中に捕らえ入れて想いをとげようとしたが、美女は節操固く殿様の邪意を受け入れなかった。殿様は美女を縛って城の井戸に釣り下げ蛇ぜめにした。美女は悶え苦しみ、美しく生まれた身のつらさを、二度と後々の女性にさせぬため 『この山の上から見えるかぎりの土地では、永久に容色兼英の女性は生まれぬように』と悲しみ悶え死んだという。」 |
姫山のお万(ひめやまのおまん) 山口市
むかし、山口の城下に住む長者のところに、お万というひとり娘がいた。
お万は、色白で、目のぱっちりした、笑うと小さいえくぼのできる美しい娘であった。
十七、八になると、その美しさは歌にまでうたわれるほどの評判になった。
ある日、しばいの見物に出かけたお万は、わかい旅役者をひと目見て好きになった。
そんな時、城下をまわっていた殿さまが、美しいお万に目をとめた。
「そちらの娘をよこせ。そうすれば、そちの願いをなんでも叶えてつかすぞ。」と命じた。
お万には、すでに好きな相手があるので、長者は返事をためらっていた。
すると、気の短い殿さまは、すぐに承知しない長者に腹を立て、「なぜ返事をせぬ。余の申すことが気に入らんとでもいうのか。」
「いえ、めっそうもございません。しかし、娘の気もちも聞いてみませぬと・・・。」
「そうか。では、お万によく言い聞かせて、きっと余の意にそうようにせよ。」
殿さまの言いつけにそむけば、どんな恐ろしい目にあうかよく知っていた長者は、家に帰ると、すべてをお万にうちあけた。
お万は、「お父様の言いつけなら、どんなことでも従うつもりです。でも、そればかりは・・・。」と、泣いて長者にすがった。
長者は、「よくわかった。無理もないことだ。どのようなことがあろうとも、このことはお断り申してこよう。」
すぐに城に出かけた長者は、いつまでたっても帰ってこなかった。
お万をはじめ、家のものが心配していると、突然どやどやと殿さまの家来が屋敷の中に入ってきた。
そして、いやがるお万をむりやりつれて引き上げていった。
城へつれてこられたお万の前に、あらなわでしばられた長者が引きすえられ、胸もとへ刀をつきつけられた。
殿さまは、「お万、そちはどうしても余のことばにさからう気か。あれを見よ。そちの返事しだいでは、父親の命はないものと思え。」と大声でいった。
お万は、涙にぬれた顔をあげて、「お殿さま。どうか、このことばかりはお許しください。それ以外のことなら、どんなことでもいたします。どうか・・・。」
と、ひたすら、殿さまにお願いするばかりであった。
「だまれ。ふとどきもの。どうしても余の言いつけにそむく気だなっ!」
怒り狂った殿さまは、お万を縛り上げ、「ものども、ただちに父親の首をうて。このお万は姫山に送り、いただきの古井戸の中にいれてヘビ攻めにせよ。」と命じた。
長者は、その日のうちに首をはねられた。
姫山の古井戸に入れられたお万は、毎日投げ込まれる多くのヘビに攻め立てられた。
お万は、その苦しみと父親を失った悲しみとで、日ごとにやせ細って、なげき苦しみながら死んでいったという。
「この山の上から見えるかぎりの土地では、永久に容色兼英の女性は生まれぬように」と言いながら。
それからというもの、お万の怨みがこの山に残ったのか、姫山の見える山口の地からは、決して美しい娘は生まれなくなったと伝えられている。
この話には元ネタがあります。
この伝説の元ネタを調べてみますと、領主は大内氏ではなく、毛利氏それも毛利輝元であり、悲劇の美女はその側室二の丸のことだと言われています。
「古老物語」によると、幼少の周姫(後の二の丸殿)が自宅門前で遊んでいたところ、美少女故に通りがかった輝元の目に留まり、その後、輝元はしばしば元良の広島時代の自宅を訪問するようになる。輝元のこの行動を快く思わない元良は、天正12年(1584年)に12歳の周姫を杉元宣に嫁がせた。しかし、輝元は諦めることなく佐世元嘉らに命令し、強奪して側室とした。これに立腹した元宣は、天正17年(1589年)の大坂の豊臣秀吉への直訴を計画するが、事の重大さに気付いた小早川隆景により野上庄沖にある大島の船隠で殺害された。 不本意ながらも輝元の側室となった周姫は、広島城二の丸に住み「二の丸殿」として輝元の寵愛を受ける。なお、二の丸殿が未完成の広島城に早々に居住することとなったのは、輝元正室である南の方の嫉妬によるものとされる。その後、文禄4年10月18日(1595年11月19日)に毛利秀就、慶長4年(1599年)に竹姫、慶長7年9月3日(1602年10月17日)に就隆を出産。通説では秀就を広島城で生んだとされるが、南の方を恐れていたことから、懐妊後に密かに長門国の小野村(現・山口県宇部市)の財満就久の屋敷に匿われ、密かに出産したとの説もある。 毛利家の転封により広島城に戻ることができなくなると、萩城に入らずに周防国山口の覚皇寺に移った。慶長9年(1604年)8月1日に32歳で病死し、山口古熊の西方寺(現・山口市の善生寺)に葬られた。萩に入ることができなかったのは、前述の通り正室である南の方が許さなかったと言われている。 Wikipedia |
周姫が毛利秀就を生んだのが21歳(1595年11月19日)といわれています。輝元が生まれたのが天文22年1月22日(1553年2月4日)ですからこの時42歳で21歳の歳の差がありました。
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