楽しい時間は瞬く間に過ぎて行き、あっという間に最終日である。午後から仕事に戻る隊長が地獄めぐりのひとつである「海地獄」に連れて行ってくれた。1200年前鶴見岳爆発により出来た広大な池が海の色に見えるところが海地獄の由来だそうで、泉質は酸性でラジウム・硫黄鉄を有する。
その後、隊長曰く「別府より若者に人気の由布院」まで移動し、金鱗湖を眺め、まるで原宿のような賑わいのお土産屋ストリートを練り歩いた。昼になり、由布院ICで隊長とはお別れである。別府のコーディネートはとても楽しかった。本当に有り難う!別れを惜しみつつ、今度は熊本君号に乗り換える。高速を使用せずに阿蘇山を見せてくれるとのこと。阿蘇山は高校二年の夏にした一人旅以来なので、25年ぶりである。
隊長の静かな運転に比べ、熊本君の運転は少しワイルドで、峠越えはなかなかスリリングだった。何故か違う道にばかり誘導するナビを途中から無視して進んで行くと、目の前に広大な阿蘇山が広がる。
「人の横顔に見える」と言う山(名前は教えてくれなかった)を眺め、下山した頃、隊長から博多到着のメールが届く。後は熊本空港へ向かうだけである。順調に車は空港へ向けて走り、すんなり余裕をもって到着した。熊本空港で遅めのランチをする。搭乗時刻が迫ってくる。お別れの時間だ。熊本君には「絶対見送らないように」とお願いして、「じゃあね」と軽く手を上げて東京に居た頃と同じように「軽い感じ」で別れた。昔はそこに残る「見送る方」が辛いと思っていたが、今は「見送られる方」が何とも辛い・・・
本当に楽しい旅だったな~。あれだけ笑って飲む事は久し振りのような気がした。
夕暮れ迫る車窓を眺めながら、一瞬の出来事だった三日間を振り返った。
・・・あれから半年以上が経過した。春が過ぎ、福岡君は東京君になり、毎週体育館で一緒にバレーをしている。夏が過ぎてもうすっかり秋である。時の経つのは本当に早いものだ。有限会社やな瀬不動産