香典返しでグローブが届いた。何十年ぶりの新品である。子供の頃と同じくグローブに顔を近づける。真新しい皮の匂いが広がる。手に取って硬い革質を自分好みの形に馴染ませて行く作業が楽しい。
早速息子相手にキャッチボールをする。彼にちゃんと野球を教えていなかったので、捕球の仕方や投げ方は酷いものだ・・・無責任な親だと少しだけ後悔するが、そんな事よりやはり野球は楽しい。手に馴染んでいないグローブは取り難いが、それでもやはり笑顔が溢れてしまう。
野球チームに入る訳でもないが、ひとつだけ目標がある。それは「130kmのボールを投げる」事である。44歳で野球部無所属の親父が130kmを投げたら面白いだろう。20歳の頃に一度スピードガンで計測した事があるが、その時は115kmが出た。普通ならば「じゃとりあえず100km」を目標にするべきなのだろうが、それだと恐らく比較的早い段階で到達してしまうだろう。ならば130kmと全くノープランでの目標数値となった。44歳の自分は果たして何キロが出るのか?
友人にその話をすると「そうしたらチームを作ろうぜ」と盛り上がったが、もし投げれたとしても恐らく1球が限界である。また投げ終えた後は肩を押さえたままピッチャー交代になるだろう。さらにこの話では「ストライクゾーンに130km」とは言っていないのでひとりの打者も打ち取れない可能性が大だろう。
さてどうなるのか?今後もしひと言も触れなかったとしたら、その意気込みだけは褒めて上げようじゃないか有限会社やな瀬不動産