念願だった「平成中村座」を観に行った。
平成中村座とは・・・中村勘三郎が長年抱いていた思いを実現した平成中村座。江戸初期に、猿若勘三郎(初代中村勘三郎)により中橋南地(現在の京橋付近)に建てられた猿若座が中村座の最初であると同時に、これが江戸歌舞伎の発祥地でもあります。その後日本橋の禰宜町、堺町を経て天保年間に浅草(現在の台東区浅草6丁目)に移りました。以後この地は約40年にわたって一大芝居町として繁栄することとなります。また移転した折、中村勘三郎の始祖猿若勘三郎にちなみ、町の名を聖天町から猿若町に改称しました。
通常の劇場とは趣を異にする、'江戸の芝居見物'を体験できるいわばタイムトリップのような、時空を超えるエンタテインメントとして、歌舞伎ファンの枠を超え多くの観客を惹きつけています。たちまち浅草を席巻し、大躍進を遂げた平成中村座は日本各地、さらには海外へ進出。そして今回、満を持して隅田公園へ帰還します。(平成中村座公式ウエブサイトより抜粋)
都営浅草線・浅草駅より秋晴れのつい先週も来たばかりの浅草を歩く。隅田公園入口からのぼりが立ち並び、雰囲気が盛り上がる。
徒歩10分ほどで隅田公園内に仮設された劇場が見えてくる。
入口からしてもう江戸時代にタイムスリップする。どうせなら劇場係員もちょんまげ姿だったら良かったのに・・・
劇場内は土足厳禁の為、入口で渡されたビニール袋に入れる。
新築の匂いが広がる館内。二階席中央正面には「お大尽席」なるVIP席がドーンと陣取っている。いつかは座ってみたい35000円の席である。
今回の目玉はこの特設された平成中村座での公演はもちろんのこと、やはり今年2月に勘三郎を襲った原因不明の特発性両側性感音難聴からの本格的な復帰公演である。今回勘三郎は第二幕の「お祭り」のわずか15分のみ出演となったが、この演目は先代17代目の病気休演明けと同じ伝統の踊りであり、途中で「待ってましたとはありがていぇ~」の台詞があるのだが、様々な思いが詰め込まれていたように思えた。
そして特設劇場ならではの仕掛けがあり、昨年10月の大阪での中村座では舞台後方の壁が開き、本物の大阪城を借景としたが、今回はスカイツリーを借景としている。今回二階席だったので席からは見えなかったものの、舞台に太陽が差し込む様子はまるで勘三郎の復帰を祝うかのようだった。来年五月までのロングランなので、是非もう一度行ってみたいものだ。
H君、どうも有難うネ~タイムスリップを堪能して来ましたよ。
一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
角力場 濡髪長五郎 橋之助
山崎屋与五郎/放駒長吉 勘太郎
二、お祭り(おまつり)
鳶頭鶴松 勘三郎
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋 大物浦 渡海屋銀平実は新中納言知盛 仁左衛門
女房お柳実は典侍の局 孝太郎
入江丹蔵 勘太郎
源義経 七之助
武蔵坊弁慶 彌十郎
相模五郎 橋之助