公開中の「後妻業の女(2016年公開)」を観に行った。
【解説】直木賞作家・黒川博行のベストセラー小説を基に、独り身の高齢男性の後妻におさまりその資産を狙う女を中心に、欲にとりつかれた人々が織り成す群像劇。『愛の流刑地』などの鶴橋康夫監督がメガホンを取り、現代社会に潜む危うさを、ユーモアを交えて活写する。ヒロインにはさまざまな鶴橋監督作品に出演していきた大竹しのぶ、彼女と組んで孤独な老人を食い物にしていく結婚相談所所長に、『必死剣 鳥刺し』などの豊川悦司。さらに永瀬正敏、尾野真千子、笑福亭鶴瓶ら実力派キャストが脇を固める。
その夜の飲み会が遅い開始時間だったので、その時間を利用しての劇場鑑賞。登場人物のほとんどが悪者で、悪者はほぼ全員煙草を吸う。数々の悪行三昧はコメディータッチでないと観るに耐えがたいほどである。また樋井明日香のベッドシーンを始め、エロチックなシーンが散りばめられている感じは伊丹映画を彷彿させる。「誰も面倒を見ないから私が面倒をみた。財産を貰って何が悪い?」的な台詞はなかなか深い。ストーリー展開とテンポと大竹しのぶを始め、豊川悦司、水川あさみ、永瀬正敏、ミムラ等、見事なほどキャスティングが良く、今年観た映画の中で、私の中では上位に入る作品であった。
その昔、不動産業界にはよくこのような厚顔無恥な輩が出没したもので、大竹しのぶ演じる小夜子の顔色一つ変えない図太さを見ては、「あの人、今どこで何やってんだろう?」と変に思い出してしまった。