歌舞伎座で「十二月大歌舞伎(第三部)」を観た。
【みどころ】
第一幕:瞼の母
母と息子の互いを思う心情を巧みに描き出す『瞼の母』は、長谷川伸による新歌舞伎です。作者が幼い頃に経験した母との別れを題材にした作品で、一途に母を思い、幼い頃に別れた母をずっと探してきた忠太郎と、母おはまが対面する場面がみどころです。しかし、おはまは母と名のらず、親子は再び別れることとなり…。一心に母の面影を求める息子と、将来のことを考え冷たい態度をとる母のせりふの応酬、名ぜりふが胸を打つ新歌舞伎の傑作にご期待ください。
第二幕:楊貴妃
長編詩「長恨歌」と能の「楊貴妃」を題材とした舞踊『楊貴妃』は、人気作家・夢枕獏が坂東玉三郎のために書き下ろした作品です。亡くなった楊貴妃への思いが忘れられない玄宗に、楊貴妃の魂を探すよう命じられた方士は、蓬莱山の宮殿で楊貴妃を呼び出します。すると、楊貴妃の魂が在りし日の美しい姿で現れ…。二枚扇を巧みに扱う華麗な舞がみどころの一つです。夢幻の境地へ誘う燦爛たる舞踊をご堪能ください。
昨年1月以来の玉三郎と中車(香川照之)の共演を楽しみに師走の歌舞伎座に向かった。歌舞伎座は夜が一番綺麗だ。
第一幕の「瞼の母」では柴又や江戸川・荒川等の馴染みある名称が出てきてついつい親近感。花道横の席だったので、ずぐ隣を玉三郎・中車が通り過ぎて行く。第二幕の「楊貴妃」、玉三郎の舞踊は2011年10月以来だったが、妖艶な美貌と舞にはついつい惚れ惚れしてしまう。ちなみに12月は三部制なので、第一幕第二幕合わせて約2時間の上演時間で、幕間も一回なので私は好きな構成である。
これで今年の歌舞伎納めだろうか?今年もたくさん舞台が観れて何よりの一年であった。