八月納涼歌舞伎・第三部を歌舞伎座で観た。
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【あらすじ】浪人の薩摩源五兵衛は、芸者の小万に入れ込んでいますが、小万には笹野屋三五郎という夫がいます。源五兵衛は元は塩冶家の侍でしたが、御用金紛失の咎で勘当の身。源五兵衛は名誉挽回し、亡君の仇討に加わるため伯父が用立てた100両を借り受けますが、三五郎の罠により騙し取られます。自分が騙されたことを知った源五兵衛は、その晩三五郎夫婦が泊まった家に忍び込みますが、三五郎と小万はなんとか逃げ延び、源五兵衛はその場に居合わせた五人を手にかけるのでした。三五郎は騙し取った100両を父の了心に渡します。実は三五郎夫婦が源五兵衛から金を巻き上げたのは、父の旧主の危急を救うためだったのです。やがて、源五兵衛が三五郎夫婦の前に再び姿を現すと…。『盟三五大切』は四世鶴屋南北によって『東海道四谷怪談』の続編として書かれ、「忠臣蔵」と「五大力」の世界が「綯い交ぜ(ないまぜ)」という手法で結びつけられています。凄惨な殺しの場など、南北ならではの世界が展開される生世話物の傑作をお楽しみください。
私にとって5年ぶりの納涼歌舞伎。この日の演目は忠臣蔵外伝「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」は2011年にシアターコクーンで観たことが好きな内容だった。首ちょんば、腕ちょんぱありの文字通り「納涼歌舞伎」で幸四郎、七之助、中車、獅童の豪華な顔ぶれが舞台を彩る。中でも獅童の存在感はなかなかだった。あんなことされればそりゃ~怒るよな~と思いつつ、三五はそんなにも悪い奴なのだろうか?騙される奴にも問題があるんじゃないか?と現代にも十分に通ずる内容にあれこれと考えてしまった。