先日放送されていたスポーツドキュメント「江夏の21球」を観た。
「江夏の21球」とは山際淳司による短編ノンフィクション作品で、1979年11月4日の日本シリーズ第7戦(広島東洋カープ対近鉄バファローズ)において、カープの江夏豊が9回裏に投じた全21球に焦点を当てているもので、当時13歳の私はリアルタイムで観ていた記憶があるが、ジャイアンツも出場していない日本シリーズだったので当時の記憶はほとんどなく、その後色々とメディアで取り上げられ、何となく知っている程度の知識であった。
懐かしい昭和を感じさせるテロップ文字と共に40年前以上のプロ野球にタイムスリップする。両チームがどちらが勝っても初の日本一の大一番で、両監督を始め打者・捕手・走者の各選手がその時の駆け引きや心理についてインタビューに答えているのだが、実にこれが興味深い。
当日は雨が降っていたこと、江夏は7回裏から登板していたこと(21球は9回裏の球数)、9回裏はエラーでいきなりノーアウト三塁の同点のピンチだったこと、西本監督が過去にもシリーズでスクイズ失敗で敗れたこと、スクイズ失敗後もツーアウト二塁三塁でヒットが出れば逆転サヨナラ負けになるピンチが続いていたこと・・・など今回初めて知った。当時のファンたちはそれはそれは手に汗握る展開だったろう。今シーズンの日本シリーズとは異なり・・・
結局名将西本監督は一度も日本一になることなく、悲運の名将として91歳でこの世を去っている。スポーツにはやはりドラマがある。来シーズンはこのようなドラマが見たいものだ。