取り壊すことになった老朽アパートの入居者全員の立ち退きが終了した。
最後に残った入居者さんの部屋を確認する。私が入社した時点ではすでに入居されていたので、一度も入室したことがなかった唯一の部屋であった。つまり入居期間は30年以上は軽く越えている。
室内は和室4.5畳に小さな流しが付く、風呂無し・トイレ共同物件で、サッシでは無く木製の窓枠と雨戸。入居開始当時は40代だった男性は最後の最後まで賃料遅延もトラブルも無く「長い間、お世話になりました」と鍵を手渡して去って行った。
年々このような「昭和物件」が年々減って行くのは少し寂しいものだ。