先日閉幕した国連の気候変動対策の会議「COP26」。
世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力を追求するとした成果文書を採択したが、その中で石炭火力の扱いについて文言が興味深かった。議長国の英国は当初「排出削減対策が講じられていない石炭火力の段階的廃止」との表現で合意を目指したものの、インドなど石炭火力依存度が高い国が反発。会議の最終段階になって「廃止」の文言が「削減」に差し替わり、「温室効果ガス排出対策が講じられない石炭火力の段階的削減に向けた努力を加速する」という緩い表現になった。
当初の「段階的廃止」の文言でもかなり緩い内容だと思うのだが、最終的に各国なりのお国事情に配慮して「段階的削減に向けた努力」としたのも仕方は無いが、石炭火力を削減する方向性が初めて明記された点は一歩前進である。ただ11月になっても上着が要らない日があるように、気候変動は確実に押し寄せている。今回の緩い表現で上着不要の日がまたさらに長くなるのだろう。