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最後に
チョウ類保全協会や日本鱗翅学会に入っていない同好者はかなり多く、杠は「季 刊ゆずりは」などの誌面で、地方自治体の採集禁止措置が採られたり、石垣島が国立 公園に指定された時などは読者に周知するなどの努力をしている。
今後は、環境省は先の2団体(日本昆虫学会を入れると3団体)だけではなく、日本蝶類学会・日本蝶 類科学学会および全国の歴史と実績がある北海道昆虫同好会や大阪昆虫同好会および地元の同好会などにも事前に連絡周知し、意見を聞いてもら いたい。
これらを一様に、あたかも推定敵とみなすかのようなこれまでの一方的な環境省の態度は厳に改めてもらいたい。
もっとも深く関係する人たちを抜きに一方的・強権的に話を進めようとする態度はいわゆる先進国においてはもはやなじまない方法であり、粘り強い啓蒙、話し合いが基本になるべきである。
一見、時間がかかるように見えるが、渓流の絶滅危惧種に関する米国での例などを見るかぎり、それが最も近道であるといえる。
先にも述べたが、我々は種の保存法全般に反対しているわけではなく、正当なこ とに対しては積極的に協力する姿勢である。
また、杠は去る2月 23 日に日本蝶類学会 会長の横地会長に会い、今後、連携していくことを確認した。
■絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)(抜すい) (財産権の尊重等)
第3条 この法律の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重し、住民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し、並びに国土の保全その他の公益との調 整に留意しなければならない。
( 譲渡し等の禁止)
第 12 条 希少野生動植物種の個体等は、譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは 引取り(以下「譲渡し等」という。)をしてはならない。
ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 次条第 1 項の許可を受けてその許可に係る譲渡し等をする場合
二 特定国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする場合
三 国際希少野生動植物種の器官及びその加工品であって本邦内において製品の原材料として使用されているものとして政令で定めるもの(以下「原材料器官等」 という。)並びにこれらの加工品のうち、その形態、大きさその他の事項に関し原 材料器官等及びその加工品の種別に応じて政令で定める要件に該当するもの(以 下「特定器官等」という。)の譲渡し等をする場合
四 第 9 条第二号に規定する場合に該当して捕獲等をした国内希少野生動植物種等 の個体若しくはその個体の器官又はこれらの加工品の譲渡し等をする場合
五 第二十条第一項の登録を受けた国際希少野生動植物種の個体等又は第 20 条の 3 第 1 項本文の規定により記載をされた同項の事前登録済証に係る原材料器官等の 譲渡し等をする場合
六 希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする当事者の一方又は双方が国の機 関又は地方公共団体である場合であって環境省令で定める場合
七 前各号に掲げるもののほか、希少野生動植物種の保存に支障を及ぼすおそれが ない場合として環境省令で定める場合、環境大臣は、前項第六号又は第七号の環境省令を定めようとするときは、農林水 産大臣及び経済産業大臣に協議しなければならない。
( 譲渡し等の許可 )
第 13 条 学術研究又は繁殖の目的その他環境省令で定める目的で希少野生動植物種 の個体等の譲渡し等をしようとする者(前条第 1 項第二号から第七号までに掲げる場 合のいずれかに該当して譲渡し等をしようとする者を除く。)は、環境大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に 許可の申請をしなければならない。
3 環境大臣は、前項の申請に係る譲渡し等について次の各号のいずれかに該当する 事由があるときは、第一項の許可をしてはならない。
一 譲渡し等の目的が第1項に規定する目的に適合しないこと .
二 譲受人又は引取人が適当な飼養栽培施設を有しないことその他の事由により 譲受け又は引取りに係る個体等を種の保存のため適切に取り扱うことができないと認められること .
4 第 10 条第 4 項の規定は第1項の許可について、同条第 9 項の規定は第1項の許 可を受けて譲受け又は引取りをした者について、前条第 2 項の規定は第一項の環境省 令の制定又は改廃について準用する。この場合において、第 10 条第 9 項中「その捕獲 等に係る個体」とあるのは、「その譲受け又は引取りに係る個体等」と読み替えるもの とする .
(陳列又は広告の禁止 )
第 17 条 希少野生動植物種の個体等は、販売又は頒布をする目的でその陳列又は広 告をしてはならない .
ただし、特定国内希少野生動植物種の個体等、特定器官等、第九条第二号に該当して捕獲等をした国内希少野生動植物種等の個体若しくはその個体 の器官若しくはこれらの加工品、第二十条第一項の登録を受けた国際希少野生動植物 種の個体等又は第二十条の三第一項本文の規定により記載をされた同項の事前登録済 証に係る原材料器官等の陳列又は広告をする場合その他希少野生動植物種の保存に支 障を及ぼすおそれがない場合として環境省令で定める場合は、この限りでない。 (罰則)
第57条の2 第9条、第12条第1項又は第15条第1項の規定に違反した者は、5 年以下の懲役若しくは 500 万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する .
■日本国憲法(抜すい)
第 13 条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第 14 条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又 は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第 23 条 学問の自由は、これを保障する .
第 29 条 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
第31 条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪は れ、又はその他の刑罰を科せられない。
第39 条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為について は、刑事上の責任を問はれない。
又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
こんなにも長い文章を 最後まで読んでいただいた方には厚くお礼もうしあげます。 環境省の狭小な見解がいかに憲法に違反しているのかは皆さんよくおわかりになられたのではないでしょうか。
終わり。
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チョウ類保全協会や日本鱗翅学会に入っていない同好者はかなり多く、杠は「季 刊ゆずりは」などの誌面で、地方自治体の採集禁止措置が採られたり、石垣島が国立 公園に指定された時などは読者に周知するなどの努力をしている。
今後は、環境省は先の2団体(日本昆虫学会を入れると3団体)だけではなく、日本蝶類学会・日本蝶 類科学学会および全国の歴史と実績がある北海道昆虫同好会や大阪昆虫同好会および地元の同好会などにも事前に連絡周知し、意見を聞いてもら いたい。
これらを一様に、あたかも推定敵とみなすかのようなこれまでの一方的な環境省の態度は厳に改めてもらいたい。
もっとも深く関係する人たちを抜きに一方的・強権的に話を進めようとする態度はいわゆる先進国においてはもはやなじまない方法であり、粘り強い啓蒙、話し合いが基本になるべきである。
一見、時間がかかるように見えるが、渓流の絶滅危惧種に関する米国での例などを見るかぎり、それが最も近道であるといえる。
先にも述べたが、我々は種の保存法全般に反対しているわけではなく、正当なこ とに対しては積極的に協力する姿勢である。
また、杠は去る2月 23 日に日本蝶類学会 会長の横地会長に会い、今後、連携していくことを確認した。
■絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)(抜すい) (財産権の尊重等)
第3条 この法律の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重し、住民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し、並びに国土の保全その他の公益との調 整に留意しなければならない。
( 譲渡し等の禁止)
第 12 条 希少野生動植物種の個体等は、譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは 引取り(以下「譲渡し等」という。)をしてはならない。
ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 次条第 1 項の許可を受けてその許可に係る譲渡し等をする場合
二 特定国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする場合
三 国際希少野生動植物種の器官及びその加工品であって本邦内において製品の原材料として使用されているものとして政令で定めるもの(以下「原材料器官等」 という。)並びにこれらの加工品のうち、その形態、大きさその他の事項に関し原 材料器官等及びその加工品の種別に応じて政令で定める要件に該当するもの(以 下「特定器官等」という。)の譲渡し等をする場合
四 第 9 条第二号に規定する場合に該当して捕獲等をした国内希少野生動植物種等 の個体若しくはその個体の器官又はこれらの加工品の譲渡し等をする場合
五 第二十条第一項の登録を受けた国際希少野生動植物種の個体等又は第 20 条の 3 第 1 項本文の規定により記載をされた同項の事前登録済証に係る原材料器官等の 譲渡し等をする場合
六 希少野生動植物種の個体等の譲渡し等をする当事者の一方又は双方が国の機 関又は地方公共団体である場合であって環境省令で定める場合
七 前各号に掲げるもののほか、希少野生動植物種の保存に支障を及ぼすおそれが ない場合として環境省令で定める場合、環境大臣は、前項第六号又は第七号の環境省令を定めようとするときは、農林水 産大臣及び経済産業大臣に協議しなければならない。
( 譲渡し等の許可 )
第 13 条 学術研究又は繁殖の目的その他環境省令で定める目的で希少野生動植物種 の個体等の譲渡し等をしようとする者(前条第 1 項第二号から第七号までに掲げる場 合のいずれかに該当して譲渡し等をしようとする者を除く。)は、環境大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に 許可の申請をしなければならない。
3 環境大臣は、前項の申請に係る譲渡し等について次の各号のいずれかに該当する 事由があるときは、第一項の許可をしてはならない。
一 譲渡し等の目的が第1項に規定する目的に適合しないこと .
二 譲受人又は引取人が適当な飼養栽培施設を有しないことその他の事由により 譲受け又は引取りに係る個体等を種の保存のため適切に取り扱うことができないと認められること .
4 第 10 条第 4 項の規定は第1項の許可について、同条第 9 項の規定は第1項の許 可を受けて譲受け又は引取りをした者について、前条第 2 項の規定は第一項の環境省 令の制定又は改廃について準用する。この場合において、第 10 条第 9 項中「その捕獲 等に係る個体」とあるのは、「その譲受け又は引取りに係る個体等」と読み替えるもの とする .
(陳列又は広告の禁止 )
第 17 条 希少野生動植物種の個体等は、販売又は頒布をする目的でその陳列又は広 告をしてはならない .
ただし、特定国内希少野生動植物種の個体等、特定器官等、第九条第二号に該当して捕獲等をした国内希少野生動植物種等の個体若しくはその個体 の器官若しくはこれらの加工品、第二十条第一項の登録を受けた国際希少野生動植物 種の個体等又は第二十条の三第一項本文の規定により記載をされた同項の事前登録済 証に係る原材料器官等の陳列又は広告をする場合その他希少野生動植物種の保存に支 障を及ぼすおそれがない場合として環境省令で定める場合は、この限りでない。 (罰則)
第57条の2 第9条、第12条第1項又は第15条第1項の規定に違反した者は、5 年以下の懲役若しくは 500 万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する .
■日本国憲法(抜すい)
第 13 条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第 14 条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又 は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第 23 条 学問の自由は、これを保障する .
第 29 条 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
第31 条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪は れ、又はその他の刑罰を科せられない。
第39 条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為について は、刑事上の責任を問はれない。
又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
こんなにも長い文章を 最後まで読んでいただいた方には厚くお礼もうしあげます。 環境省の狭小な見解がいかに憲法に違反しているのかは皆さんよくおわかりになられたのではないでしょうか。
終わり。
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ですが、遠軽町のアサマシジミの保護方針に一部誤解があるようなので、釈明させていただきます。
まず、大量に種を取り観光地に植える事で保全するというのはまったくの誤解で、実際にそのようなことは行われておりません。食草があれば生息するなどというおろかな考えで保全するものはこちらにはおりません。当町での保全については、日本昆虫学会、日本鱗し学会、日本蝶類保全協会(これは呼ばれたために説明に行っただけですが)で発表してきた通り、あくまでも環境を維持することによって生息地を保全していこうというものです。「なぜか自衛隊による草刈りがあり」とは、自衛隊遠軽駐屯地と遠軽町との「アサマシジミ保全に関する協定」締約に基づく草刈りが行われたものです(私も立ち会っています)。なぜか翌年から草刈りが行われなくなり、の件は、積雪が早まって、旧来の草刈り時期(11月)が十分に行えなかった事態を指しているものと思われます。この気候変動に合わせて10月に草刈りを前倒ししたい旨協議してきましたが、どうしても自衛隊の都合が付かず(機密のため詳細は書けませんが)、止むを得ず6月の幼虫調査の際に、高茎草の選択的抜き取りを行って来ましたが、効果はもちろん不十分なため、今年度(2019年度)から、丸瀬布昆虫同好会と遠軽町で草刈り機を出し合い、自衛隊との協議の元10月の草刈りを行い、手が足りない面の草刈りと伐木を自衛隊に引き継いでいます(これは、旧来なされていた11月下旬に実施される予定です)。したがって、ご心配いただき、ご指摘いただいた草刈りによる保全は、不足に思われるかもしれませんが理解させていただいているつもりであり、今後さらに検証しながら従来環境を復元・維持していくつもりであります。
ただ、保全とは我々の世代のお祭りで終わっていいものではなく、半永久的に継続できるシステムを作らねばならず、いつまでも高齢者のボランティアによる草刈りに依存できません。したがって、町民に関心を持ってもらい、この活動に参加してもらえる人を増やすために、PRのための食草の展示的増殖や、町民が増やした株(ご指摘どおり食草自体はごく普通にありますので、そこから種を得ることは容易です)から得た種や育てた苗を希望者に配布するといった、まず地元に理解者を増やす作業はせざるを得ないと考えています。長い目で見たご理解を賜りたく、失礼を承知で書かせていただきました。今後共ご指導後鞭撻のほどお願いしたいと思います。なお、見苦しい「採集禁止」の看板は、我々の意向に反するものだと弁解させてください。環境省との協議を経ないと、保全自体進められないのです。これ以上は慮っていただくことを切に願います。