MR.コールマンの挑戦日記

セカンドライフを迎えて趣味のランニングや街歩き、スケッチ水彩画、地域活動などの日常のあれこれを綴っています。

「派遣切り」報道に思う

2009年02月11日 | テレビ番組

先日のNHK報道番組ほかテレビ・新聞では、連日『派遣切り』報道が繰り返されている。

その状況や人数の多さには、本当に心が痛む思いである。

NHK番組では、その実態や派遣労働経験者の思いを知る機会と思い、興味をもって見ていた。

管理者も、現役時代には、派遣先としての経験と、最近まで人材派遣業に携わった経験があり、その実態の一部は承知している。

今回の社会問題となっているのは、製造業の派遣労働の是非であるが、番組での議論を聞いていて、殆ど派遣そのものを十把一絡げで論じているように思えてならない。

番組での設問も、「製造業の派遣の廃止」は、〇か×かと単純なもので、その条件などは省略しており、回答者も困惑していた。

派遣労働は、そもそも期間契約であり、契約期間が終了すれば、更新か終了の選択は当然であり、両者は対等である。

今回の自動車・電機業界の「派遣切り」は、契約期間満了もあれば、中途解約もあり、解雇(くびきり)ではない筈である。

企業が未曾有の経済不況のもとで、契約解除や打ち切りもある程度やむを得ないのでは思う。

全て企業(派遣先)が悪としての報道だけでは、ことの本質を見誤るように思えてならない。

もともと派遣労働契約とは、その宿命を背負っているのであって、労働者も承知している筈である。

それを管理者に言わせれば、マスコミは、安っぽい正義感で批判を繰り返し、背景や事情を充分知らない視聴者を煽っているのだ。

また、人材派遣契約においては、派遣者が働く先(派遣先)と所属会社(派遣元)との契約があり、労働者は派遣元との労働契約に基づいているのである。

従って、仮に契約解除があっても、労働者は派遣元との契約により、しかるべき賃金支払いや退職金などの保護が行われる。

派遣契約にも、登録型と一般型があり、契約時において労働者はそのリスクは承知している筈である。

また、番組では正規社員と非正規社員の賃金格差が論じられていたが、現場を知る立場で言えば、業務能力も労働条件も決して同じではないケースが多いと思う。

製造業以外では、事務職やエンジニアなどの専門職が多いが、そのスキルに応じて待遇されていると感じている。

現に、正社員が働く条件を考慮して、派遣労働を選ぶ労働者も少なくない。

このように派遣労働形態は、日本の経済・労働環境に即したものとして、22年前に法制化されたものである。

それが、100年に一度の世界経済不況から雇用不安定となったもので、全てが企業だけのせいではない。

我々国民も今こそ冷静に判断して、セーフテイーネットの構築や日本経済の復興に知恵を絞るときでないか?

それを怠っていると、国際競争の激しい中で、日本企業は衰退して日本の生きる道は閉ざされるのではと危惧している。

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